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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
ザ・レイド
2013年01月13日 (日) | 編集 |
迫力あり。これは、オリジナルを観るべし。

ザ・レイド_Poster

解説:インドネシアの麻薬王が支配する30階建ての高層ビルを舞台に、SWATとギャングたちが銃撃戦や肉弾戦などし烈な死闘を繰り広げる驚がくのノンストップ・アクション。 監督と主演は『ザ・タイガーキッド 〜旅立ちの鉄拳〜』のギャレス・エヴァンスと、東南アジアの格闘術「シラット」の使い手で同作にも出演したイコ・ウウェイス。始まりから終わりまで、止まることのない過激なアクション・シーンに度肝を抜かれる。

これ、ハリウッドリメイクも決定!らしいけど、
どうやって、リメイクするんでしょ?
これは、ぜひ、本家の伝統武術で楽しんでください。
東南アジアのお家芸ともいえる生身アクション映画です。

変なストーリーをいれない、非常にシンプルな構成。
ビル内だけを舞台にし、独特の画面の色が変わらない。
その中で、出演者の闘う様を際立たしていく。

間髪もいれずに、次々と、シラットの使い手達たちが、
襲いかかってくるような怒濤の勢いのある感覚ですね。
このスピード感と迫力に、押されっぱなしで見入ってしまいました。
いやぁ、これは、面白かったです!

ザ・レイド_Photo

ザ・レイド THE RAID 2011年【インドネシア】102分
監督・脚本: ギャレス・エヴァンス
出演:イコ・ウワイス、ジョー・タスリム、ドニー・アラムシャー、ヤヤン・ルヒアン、ピエール・グルノ、テガール・サトリヤ、レイ・サヘタピー
★★★★☆(4,5)
ザ・レイド [DVD]

カエル少年失踪殺人事件
2012年08月18日 (土) | 編集 |
韓国の3大未解決事件のひとつを映画化した作品。

カエル少年失踪事件ポスター

カエル少年失踪殺人事件とは…(公式サイトより)
1991年3月26日、大韓民国大邱(テグ)の城西(ソンソ)国民学校に通っていた5人の小学生が失踪した事件。事件直後から警察や軍を動員して捜索活動 が行われたが、11年が経過した2002年9月、少年たちのものと思われる白骨死体が発見されるまで、全く捜査の糸口が掴めなかった。検死の結果、道に迷っての遭難や転落などの事故ではなく、何者かによる他殺であることが判明した。しかし、犯人が誰であるかは不明のまま、2006年3月25日に時効が成立した。「カエルを捕まえに行く」という最後の言葉が脚光を浴びたことから、失踪小学生は通称「カエル少年」と呼ばれている。


<三大迷宮入り事件>
●「華城連続殺人事件」………『殺人の追憶』で映画化
(86〜91年に華城市近辺の小さな村で起こった連続強姦殺人事件)
●「イ・ヒョンホ君誘拐殺人事件」………『あいつの声』で映画化
 (91年にソウル江南区で起こった9歳の少年の誘拐事件)
●「カエル少年失踪事件」………本作で映画化
※全ての事件の控訴時効は、事件発生から15年の2006年に成立。真犯人はたとえ捕えられても、法的処罰は受けない。


非常によく出来てる作品で、観てて、恐かったです。

当時、警察の捜索・捜査もずさん、マスコミも、いいかげん。
被害者の方は、さらに苦しめられたんだろうと思います。
なので、主人公は、無能なテレビ局ディレクターに設定されています。
大学教授の勝手な推察を真に受けるは、
遺体が見つかった途端に、かつて捜査していた刑事に、犯人は誰?って訊くは、
ただ流されてるだけなのに、自分は優秀だと勘違いしてる奴。
自分の子供が危険な目に合い、少し遺族の悲痛な気持ちががわかるようになる。
申し訳なかった、というような気持ちで作ってる映画かなと思います。

未解決事件なので、犯人は捕まらないわけですが、
ラストに、この映画製作の意図がこめられています。
あの時、嘘をついた、と言う
被害者遺族の母の言葉、その心情が、胸に迫ります。

カエル少年失踪殺人事件 Children... 2011年【韓国】132分
監督:イ・ギュマン「リターン」
出演:パク・ヨンウ(カン・ジスン)、リュ・スンリョン(ファン・ウヒョク)、ソン・ドンイル(パク・キョンシク)、ソン・ジル(ジョンホの父)、キム・ヨジン(ジョンホの母)
★★★☆☆(3.8)
カエル少年失踪殺人事件 [DVD]

白夜行-白い闇の中を歩く-
2012年05月31日 (木) | 編集 |
太陽が昇れば、
白夜行-白い闇の中を歩く-Photo1

陰は消える。
白夜行-白い闇の中を歩く-Photo2

東野圭吾原作「白夜行」の韓国版です。
原作「白夜行」は、二人が繋がってるのか、どんな想いなのか、そんなものは、いっさい書かれていない。淡々と進む物語に、底知れない不気味さを感じる異質のクライムサスペンスだ。本来、読者が想像する二人の感情を、むき出しに作ったのが、ドラマ版白夜行。哀しみのストーリーとして解釈し映像化している。韓国版は、日本のドラマ版をフィーチャーし再構成したような作品です。原作を読んだ方、日本のテレビ・映画版を観た方は、楽しめると思います。

主演は「私の頭の中の消しゴム」のソン・イェジンと「超能力者」のコ・ス。
3つのベッドシーン(ユ・ミホと婚約者、ヨハンとカフェの女主人、ユ・ミホと婚約者の娘)によって、この白夜行は表現されているような印象だな。

白鳥の湖がかかる中、いきなり、ユ・ミホ=ソン・イェジンのベッドシーンから始まる。気持ちは、ここにあらずといった悲しげな表情。どうやら、彼女は、この資産家の男と婚約をしており、念願の店を出させてもらう準備をしているようだ。結婚に当たり、資産家は、秘書に婚約者ミホの身元調査を命じている。

一方、殺害シーンより始まるのがキム・ヨハン=コ・ス。この事件と14年前の殺人事件に関連があるのではないかと睨んだドンス刑事は、ヨハンの姿を執拗に追い続ける。ヨハンは、現在、カフェの女主人に囲われているようだ。

秘書シヨンとドンス刑事、別々の人物を追う二人によって、ユ・ミホとキム・ヨハンの過去・関係が明らかにされていくわけだが、場面が交錯しすぎてて、わかりにくすぎ。こんがらがった糸を解いていくような場面バラバラ構成で、物語を知ってる人でも理解しにくい。

韓国版の主眼は、二人の哀しみの強調みたいだからなー。
雰囲気的に、理解できたらよし、ぐらいの感じで作っているのかな。

白夜行-白い闇の中を歩く-ポスター

韓国版では、14年前のユ・ミホ(もとはイ・ジア)を、中学生ぐらいの年齢にしてあって、あれっ、と思った。どうやら、14年前のユ・ミホと、婚約者の娘の年齢を近く設定しているのがポイントのようだ。

ミホは、再婚相手の娘を手なづけるため、この娘を陵辱しろという指示をヨハンに出す。ヨハンにとっては、それだけはできない、そこまでしなければならないのか、という行為だろう。影として生きてきたヨハンの苦しい胸の内が吐き出されることになる。
ミホにとっても、おぞましい記憶を蘇らせるもので、14年前の自分自身に言いきかすかのように、再婚相手の娘に語っていくことになる。
二人の想いを、再婚相手の娘にダブらせていってるみたいですね。

お互いに、顔を合わせず、
コインロッカーで連絡を取り合い、生きてきた二人。
あんな事件がなければ、普通に微笑み合う二人だったんだろうか。
二人の生きてきた様は、あきらかにはされない。
おそらくこうじゃないだろうか、その想いは感じとられる。
原作のテイストをうまく汲みとり、
哀しみの作品として、観応えあるものにしていたと思う。
ただ、刑事役に、過剰な哀しみは要らん。
疲れきったずたぼろな刑事という点では、いいんだけどな。
ドンス刑事が、息子を亡くす場面は、要らないでしょう。

白夜行-白い闇の中を歩く- White Night 2009年【韓国】135分
백야행 : 하얀 어둠 속을 걷다
監督:パク・シヌ/原作:東野圭吾 白夜行 (集英社文庫)
出演:ソン・イェジン(イ・ジア/ユ・ミホ)、コ・ス(キム・ヨハン)、ハン・ソッキュ(刑事ドンス)
★★★☆☆(3.0)
白夜行ー白い闇の中を歩くー [DVD]

◎関連記事→『白夜行』日本映画版 →『火車』 →『凍える牙』

悪魔を見た
2011年09月21日 (水) | 編集 |
怪物と闘う者は自らが怪物と化さぬよう心せよ。
お前が深淵を覗き込む時、深淵もまたお前を覗き込んでいるのだ。
(フリードリヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』より)


悪魔を見た_Photo01

解説:血も涙もない凶行を繰り返す猟奇殺人鬼と、最愛の婚約者を殺された男の熾烈な攻防を描く復讐をテーマとしたサイコ・スリラー。韓国を代表するスター、イ・ビョンホンと、「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシクの火花を散らす顔合わせが見ものだ。

悪魔を見た_Poster

この壮絶なる物語は、郊外の夜道でこつ然と消失した女性が、バラバラ死体となって発見されたことから始まる。被害者の婚約者は、国家情報院の捜査官スヒョン(イ・ビョンホン)。直前まで電話で話しておきながら、最愛の人を救えなかったスヒョンは、自分のふがいなさを責め、単独で、ギョンチョル(チェ・ミンシク)という殺人鬼に迫っていくことになる。

悪魔を見た_Photo04
悪魔を見た_Photo02

彼女は、助けて欲しいと懇願したはずだ。
死の恐怖を味わったはずだ。
ただでは殺さない、苦しめて苦しめた上に復讐を果たしてやる。
痛めつけては野に放ち、痛めつけては野に放ち、
追いつめ、彼女と同じ恐怖を与え、なぶり殺すつもりだったのだが。
恐怖や痛み、罪悪感、通常の人間が抱くであろう感情を、
相手ギョンチョルは、持ちあわせていなかった・・・。
これでは、殺せない ( ̄ロ ̄lll)

イ・ビョンホンは、ほとんどセリフなし。悪のギョンチョルと対照的に、感情を表に出さない。静と動のような対決は、復讐の先になにを見るのかということを、えぐり出してくる。

彼女の無念を代わりにはらす、というのはあると思うが、彼のやろうとしてる復讐は、煮えたぎる自分の憎しみや怒りを静めるためでもあるのだろう。憎しみの炎に、自らが焼かれないために、何度も何度も、憎しみを相手をぶつけるしかない。
殺したところで、その憎しみが消えるものではない。
スヒョンが殺したいのは、ギョンチョルでなく、己を蝕む憎悪でもあるのだ。
美しく撮られている夕暮れのラストシーンが、哀しい。


たんなる復讐劇にとどまらず、なかなか考えさせられるものがあった。韓国映画は、やっぱり、突き抜けてますね。他の国の映画では、描かないというところまで描いている。えげつなすぎる気もするが、インパクトの強いことは、確かで、世界中に韓国パワーを見せつけてやるみたいな気概を感じる。その点では、日本映画は情けない感じがしますね。

悪魔を見た I SAW THE DEVIL 2011年【韓国】144分
監督:キム・ジウン『箪笥』
出演:イ・ビョンホン(国家情報院捜査官スヒョン)、チェ・ミンシク(ギョンチョル)、オ・サナ(婚約者ジュヨン)、チョン・グクァン(チャン)、チョン・ホジン(オ課長)、キム・ユンソ(セヨン)、チェ・ムソン(テジュ)、キム・インソ(セジョン)
★★★★☆(4.0)
悪魔を見た イ・ビョンホン スペシャルBOX [DVD]
悪魔を見た_Photo03

黒く濁る村
2011年09月10日 (土) | 編集 |
村の始まりと終わり。

黒く濁る村DVD

解説:ウェブ連載された人気漫画を「シルミド/SILMIDO」のカン・ウソク監督が映画化し、本国韓国で340万人を動員する大ヒットを記録した本格ミステリー・サスペンス。父の死の報せに、山間の寒村にやって来た青年が、やがて村人がひた隠す深い闇と対峙していく姿を、不気味かつ緊張感あふれるタッチで描き出していく。

父の死に、疑問を感じる主人公が、村を探っていき、危機にあうというお話。
宗教?がらみもあって、長時間作品ながら、興味深く観れました。

村のはじまりというのは・・・
死んだ父=ユ先生は、なんだか得体の知れない人物で、宗教家ではないんだが、一見、教えを説いてるような人なんです。罪を意識させることによって、人を恐怖に縛りつけていくといった感じかな。そうやって、人の心につけいっていくのが、たいへんうまい人なんです。
その才能に目をつけたのが、チョン・ヨンドク刑事。彼は、罪人を更正させる理想の村づくりの仲間に、彼を、引き入れます。しかし、チョン刑事は、自らの欲望を満たす村を作りたかっただけ。暴力による恐怖で人を支配し、長として、君臨したかっただけのようなのです。

精神的な恐怖支配と、肉体的な恐怖支配。
どっちもどっちで、お互いに相手の存在が必要だったみたいですね。
結局、勝っていたのは、どっちか?
ユ先生でも、村長でも、なかったということか。
目には目を。
終わりこそ、始まりだったみたいですね。

20年間も疎遠だった理由とか、よくわからん部分もありましたが、黒い部分が重要で、そのへんは、詳細は、どうでもいいもんなんでしょう。不気味な雰囲気で、なかなか面白かったです。

黒く濁る村 이끼 英題:苔/MOSS  2010年【韓国】2時間41分
監督:カン・ウソク、原作:ユン・テホ、脚本:チョン・ジウ
出演:パク・ヘイル(ユ・ヘグク)、チョン・ジェヨン(チョン・ヨンドク刑事・村長)、ユ・ソン(イ・ヨンジ)、ホ・ジュノ(ユ・モクヒョン)、ユ・ジュンサン(パク・ミヌク検事)、ユ・ヘジン(キム・ドクチョン)、キム・サンホ(チョン・ソンマン)、キム・ジュンベ(ハ・ソンギュ)
★★★☆☆(3.5)
黒く濁る村 [DVD]