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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
きみにしか聞こえない
2008年04月29日 (火) | 編集 |
私は、この学校で唯一、ケータイを持ってない女子高生だ。
鳴らないケータイほど、持っててつらいものはない。

きみにしか聞こえない_ポスター

そんなひとりぼっちの主人公のつぶやきから始まります。
ある日、拾ったおもちゃのケータイに
突然、電話がかかってきます・・・

原作は、乙一。
原作では、主人公の女子高生側からのみ描く話なのですが、
映画ですので、両者が出てくる展開になりますよね。

きみにしか聞こえない


孤独に悩む女子高生・相原リョウに届いた声は、
シンヤという耳が不自由で、話すことができない青年の心の声でした。

自由に話せて、それを聞いてもらえる人がいる。
人の話に、うんうんとうなずくことができる。
シンヤにとっては、ほんとうれしい出来事だったと思うんです。
そんなシンヤの素直な言葉によって、
相原リョウは、少しづつ成長していきます。

風景もきれい撮られていて、
原作をかなり上回った出来となっています。
ピアノという音の要素を加えてるのもなかなかですね。


ネットで調べていると、この作品は、
「君にしか聞こえないCALLING YOU」ラジオドラマとして
作られたことがあるみたいでした。
この作品は、画面なしで、声だけでもいけそうですよね。
聞いてみたいなと思います。


『きみにしか聞こえない』
青春
監督:荻島達也 出演:成海璃子/小出恵介/片瀬那奈
私の感想:★★★☆☆ 原作を生かして、きれいに仕上がりました。
◎関連記事→GOTH[ゴス]
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デビルズ・バックボーン
2008年04月28日 (月) | 編集 |
デビルズ・バックボーン

「バンズ・ラビリンス」がよかったので、同監督の前作を観てみた。
スペイン内戦時の人里離れた孤児院でのお話。
新しく孤児院に連れてこられたカルロス少年は、霊のような人影を見るようになる。
カルロス少年にあてがわれたベッド、12番に秘密があるのだろうか。

死者が出てくるのでホラーかなと思ってみると、
肩透かしをくいます。

掻き消されていく弱き者の声、
みたいな不条理な悲しき世界を描いているものなんでしょうか。
どういう観点で観たらいいのかよくわかりませんでしたが、
「バンズ・ラビリンス」も、スペイン内戦を題材としてます。この圧政が民衆に落とした暗い影みたいなものを両作品を観て感じます。

『デビルズ・バックボーン』 The Devil's Backbone(El Espinazo del diablo)
2001年【スペイン】
ホラー][ドラマ
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:エドゥアルド・ノリエガ/マリサ・パレデス/フェデリコ・ルッピ/フェルナンド・ティエルブ
私の感想:★★★☆☆ ホラーと見せかけ、どうも違うようだ。
ちなみにヤフー映画評では(★★★☆☆3.86点)でした。

パンズ・ラビリンス
2008年04月21日 (月) | 編集 |
パンズ・ラビリンス

あなたは、地底にある魔法の国の姫。人間は仮の姿なのです。と、
迷宮の案内人パンに告げられるオフェリア(イバナ・バケロ)。

王国に戻るためには、3つの試練を乗り越えなければならない。
彼女は、迷宮へ足を踏み入れていきます。

1944年のスペイン内戦終結後のフランコ政権下。
オフェリアは、大尉と再婚した母と共に、赴任先へ移り住むことになります。
父親である大尉は、レジスタンスを掃討する非情な人間で、好きになれません。
つらい現実と彼女の迷い込む迷宮がシンクロされながら描かれていきます。
ですので、
迷宮を旅し、次々と不思議な体験を重ねるようなファンタジーではないです。

暗く不気味な迷宮世界で、
オフェリアにあるのは不安な表情、
哀しい笑顔だけです。

彼女に課せられる試練とは、彼女なりの現実との“闘い”であり、
レジスタンスたちの“闘い”を映し出してるものなんですね。
現実と迷宮をうまく交差させていて、
迷宮に出てくる怪物も不気味なのですが、
現実の大尉の方がよっぽど恐いように見えてきますね。

痛々しく暗い場面で展開するお話の最後に、
パァーっと明るくきらびやかな画面が初めて拡がるところが効果的で、
ほっとするんですが、
それは同時に哀しい場面でもあります。

すごくよく出来てますね。

『パンズ・ラビリンス』 Pan's Labyrinth(El Laberinto del Fauno)
ファンタジー
2006年【メキシコ・スペイン・米】
監督/脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:イバナ・バケロ/ダグ・ジョーンズ/セルジ・ロペス/アリアドナ・ヒル
私の感想:★★★★★ 
不思議の国のアリスかと思って観たが、違いました。


フェリシモ神戸学校 2008/4
2008年04月20日 (日) | 編集 |
今回のゲストは、東洋文化研究家アレックス・カーさんの講演でした。
フェリシモ神戸学校~経験と言葉の贈り物
「私たちが私たちであるために ~ほんとうの日本の姿とは?」
2008年4月19日/エスパスフェリシモホール

神戸学校アレックスカー

日本は近代化に失敗した国。
「世界でも有数の美しい自然環境、アジアで最も豊かな文化遺産、先進国でも屈指の優秀な教育制度や高度なテクノロジーを誇る日本。日本はすべてを手に入れながら、いったいなぜ落とし穴にはまってしまったのだろうか?」
犬と鬼―知られざる日本の肖像より)


アレックスさんの思うところを語ってくれるのかと思ってましたが、
・日本の美しい自然
・コンクリートで無残に固められた河川・山肌
・箱もの建造物
・なんの計画性もなく無秩序に建てられた街
たくさんのスライドを見せる内容でした。
ちょっと、ひょうし抜けしました。


以下↓ アレックスさんが、語っていたこと。思ったこと。

●日本は、建設業に従事してる人間の割合が、他の国より多いらしい。
そして、日本がこの先、世界に提供できるものは“観光”、景観ということでした。
なんとなく日本=技術というイメージがあった私は、ちょっと、びっくり。
アレックスさんのいう観光とは、従来あるようなアホな観光ではないです。
日本中、どこへ行っても、悲しくなるぐらい無秩序で同じような街並。
従来の国のシステムが生み出してきた結果だと思いますが、
このまま続けていくと、街が殺されていってしまいますよね。
景観が人を育てていくし、そこに暮らし・文化も生み出されてくると
いうことなんだろうと思います。

●日本の住居
日本の家の“演出”的な造りが好きだと言ってました。
玄関からのアプローチ、ふすまの向こうのように奥へ奥へいざなうような造り。
なるほど“演出感”はありますね。
私は、障子戸なんかを見て演出的だなぁと思います。
障子ってぼんやりと向こうのシルエットが映るでしょ。
庭の木々が映って、さわさわと揺れると、
あー風が出てきたな、と室内より風情を感じることができるんですね。
日本人らしい
遠回しに感じる心・遊び心みたいなものでしょうか。

●私たちには何ができるのでしょうか?
質問コーナーの用紙に、多く書かれてた質問のようでした。
アレックスさんは、
美しいものが無くなっていく、変わっていくことに、怒らないといけない。
それは、好きだから、愛してるからこそ、
そういう感情が生まれてくるのだと。
日本人は、自分の住む街を愛してないのではないか、と。
そして中途半端な観光地へは行くな。
自分の目で見て感じる美しいものを捜しなさいということでした。


神戸学校で講演される方たちには、
何か信念のような、確たる価値観が存在してますね。
その価値観が人の心を打つんだと思います。


バイオハザード III
2008年04月19日 (土) | 編集 |
バイオハザード3

結局、ウイルス拡散を食い止めることはできず、
世界は荒野となってしまった時より始まります。

荒野には、ゾンビうようよ。
少数の人間が、必死に生き延び、さまよっている。
という絶望的な状況です。
ストーリーをうまく作れば、緊迫感出ると思うのですが、
ミラ・ジョヴォヴィッチ、強い!というところを見せたいのかな。
登場人物たちもあまり描かれません。
無数のゾンビ軍団をやっつけまくるだけの映画。

ただ、太陽の下(メキシコロケ)でのゾンビとの闘いは、
恐さがなく、パッとしません。
ミラ・ジョヴォヴィッチの衣装も、
ウエスタン風みたいなもので、魅力がなかったです。

『 バイオハザード III』 Resident Evil: Extinction
アクション
監督:ラッセル・マルケイ
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ/オデッド・フェール/アリ・ラーター/イアン・グレン
私の感想:★★★☆☆ きわめて普通。
ちなみにヤフー映画評では(★★★☆☆3.18点)でした。

『 バイオハザード』 Resident Evil
監督:ポール・W・S・アンダーソン
脚本:ポール・W・S・アンダーソン

『 バイオハザードII アポカリプス』 Resident Evil: Apocalypse
監督:アレクサンダー・ウィット
脚本:ポール・W・S・アンダーソン

遠い空の向こうに
2008年04月16日 (水) | 編集 |
遠い空の向こうに

1957年10月5日。
ソ連の人工衛星スプートニクを見た高校生ホーマーは、
“ロケットを飛ばしたい”という夢を抱きます。
まさに夢物語で、
主人公に、ロケットに対する知識なんてものは、ありません。
もちろん、お金もありません。
おそらく、誰もが、
何を夢みたいな話を。と言います。

その高校生は、
のちに、NASAのロケット・エンジニアとなり夢を実現します。
ホーマー・ヒッカムの自伝小説『ロケット・ボーイズ』を基にした映画なのです。
これが実話だというのが泣かせる。
アメリカに夢があった・・・、そんな映画でもあります。

この映画で感慨深いのは、
田舎炭坑町での恩師ライリー先生との出会いでしょう。
人生にとっての必然性だったのか、
お互いに呼び寄せあったものなのか、
この出会いがなければ、ホーマー少年たちの成功はなかったように思えます。
人生においての出会いって不思議ですよね。

どこまでもどこまでも高く上がっていくロケットに
気持ちを乗せて行ける映画です。
原題は、OCTOBER SKY、ROCKET BOYSの文字遊びだそうです。

(以下、ネタばれ)
ライリー号と書かれたロケットが最後、大きく空へ打ち上げられます。
ぐんぐん、ぐんぐん上昇するロケット、
病床にあるライリー先生は、病院の窓からそのロケットを見るんですね。
感動です。
これは映画の演出で、実際にライリー先生は見れなかったのかもしれない。
でも、ライリー先生の目には、
空高く上がっていくロケットが、はっきり見えたでしょうね。


『遠い空の向こうに』 OCTOBER SKY
ドラマ
監督:ジョー・ジョンストン
出演:ジェイク・ギレンホール/クリス・クーパー/ローラ・ダーン
私の感想:★★★★☆ 思いはどこまもどこまでも大空へ。
ちなみにヤフー映画評では(★★★★☆4.62点)でした。

日本沈没
2008年04月14日 (月) | 編集 |
TVで再び観て、う~やっぱり、むごすぎと思ったので書いてしまいました。

ひどいリメイクであきれました。
特撮で大爆破シーンを入れたい、という考えのみで作ってますよね。

前作とは、時代が変わってるわけですから、現在の世界情勢をふまえた上、
日本とは。日本人とは。のようなものも、問い掛けていくべきでしょう。
今の時代に地球を破壊し、生き延びるなんて・・・
そんな脚本を考えることがおかしい。
そもそも、この壮大な物語に、大特撮シーンなんて不要じゃないのかな。

監督は『ローレライ』の樋口真嗣。
特撮・アニメ出身のせいなのか、アニメっぽい画面構成と間延びした空気です。
窓辺の逆光や抱擁シーンに挿入歌を延々と流すのは完全にアニメパターン。
実写としての絵じゃないですね。
この監督さんは、“人物を描いてる”のでなく“場面を描いてる”んでしょうね。

樋口監督は、インタビューで、旧作の印象について、
「災害が起きても『何もしない方がいい』という人物がいるなど、
どこかあきらめムードが漂っていた」
と、おっしゃってます。

そんなふうにしか見えないらしい。…( ̄▽ ̄;
もし、日本という国が無くなり、その時、何を思うのか、
考え抜いた末の意見として出てきてるわけやん。
阪神淡路大震災においても、人々は、あきらめたりしてないよ。
想像力、なさすぎ。
架空の情景づくりをして遊んでる方には、この作品の監督は、はなから無理。

『日本沈没』 2006年【日】
ドラマ
監督:樋口真嗣
出演:草薙剛/柴咲コウ/豊川悦司/大地真央
私の感想:★☆☆☆☆ 邦画の将来は暗い。
ちなみにヤフー映画評では(★★☆☆☆2.49点)でした。

犯人に告ぐ
2008年04月06日 (日) | 編集 |
犯人に告ぐ

連続児童殺人犯に対し、警察側が打った手は、
なんと“劇場型捜査”!
テレビ生放送に担当刑事が出演。画面を通じ、犯人に呼びかけるという手です。
小説ならでは世界。
なんか、面白そう、と原作は読んでいました。
小説は、サスペンスではなく、人間ドラマです。

主人公刑事は、かつて、誘拐事件の犯人逮捕に失敗。
誘拐された子供は数日後、遺体で発見されるという最悪の結果となり、
そのことが心の重荷となっています。
そんな彼が、劇場型捜査担当者に祭り上げられます。

犯人を追いつめていくようなサスペンスではなく、
主人公の気持ちをいかに描くかが主体となっているんだろうと思います。
あくまでも“劇場型捜査”は物語進行上の舞台です。
突飛な舞台アイデアを持ってくることによって、
理不尽な組織圧力に翻弄され、悪戦苦闘する主人公が引き立つわけです。
映画では、主人公の刑事は、被害者児童と同じような年の子を持つ父親。
家庭でのいさかいなども物語にからんでくるように設定されています。

でも、
映画は、原作の雰囲気を壊すことなく作ろうとして、
えらく地味になってしまいました。
映画は映像だから原作どうりに作らなくともいいと思う。

観る側の気持ちとしては、
児童連続殺人犯は許せない存在なわけです。
テレビ視聴者である私は刑事さんの思いきった作戦に驚きと
犯人が挑発により暴走しないだろうかと不安を持つわけですよ。
刻一刻変わる展開を見守る立場として映画を観たい気持ちがあるわけで。
原作をアレンジしてサスペンス的に観せても良かったんじゃないかなぁと思います。
家庭のいさかいの部分に関しては、
奥さん役の松田美由紀の演出が、地味すぎ。
心臓病を持つ奥さんは、自分の命をかけて生んだ子供なんですよ。
自分の子供に危険がおよぶかもしれん捜査なんて、すぐやめろ、と
いう気持ちになると思うんだけどな。
感情なく存在してるだけだった。

全体に渋く抑え目に作ろうという狙いはわかるけど、
登場人物の気持ちをもっと表現する場面を作ればメリハリが効くんじゃないかな。


『犯人に告ぐ』 WOWOW劇場用映画レーベル「WOWOW FILMS」第1弾作品
サスペンス
監督:瀧本智行
出演:豊川悦司/石橋凌/小澤征悦/笹野高史/松田美由紀
私の感想:★★★☆☆ 地味な展開がもの足らない印象、惜しい。
ちなみにヤフー映画評では(★★★☆☆3.69点)でした。