2008年04月06日 (日) | 編集 |

連続児童殺人犯に対し、警察側が打った手は、
なんと“劇場型捜査”!
テレビ生放送に担当刑事が出演。画面を通じ、犯人に呼びかけるという手です。
小説ならでは世界。
なんか、面白そう、と原作は読んでいました。
小説は、サスペンスではなく、人間ドラマです。
主人公刑事は、かつて、誘拐事件の犯人逮捕に失敗。
誘拐された子供は数日後、遺体で発見されるという最悪の結果となり、
そのことが心の重荷となっています。
そんな彼が、劇場型捜査担当者に祭り上げられます。
犯人を追いつめていくようなサスペンスではなく、
主人公の気持ちをいかに描くかが主体となっているんだろうと思います。
あくまでも“劇場型捜査”は物語進行上の舞台です。
突飛な舞台アイデアを持ってくることによって、
理不尽な組織圧力に翻弄され、悪戦苦闘する主人公が引き立つわけです。
映画では、主人公の刑事は、被害者児童と同じような年の子を持つ父親。
家庭でのいさかいなども物語にからんでくるように設定されています。
でも、
映画は、原作の雰囲気を壊すことなく作ろうとして、
えらく地味になってしまいました。
映画は映像だから原作どうりに作らなくともいいと思う。
観る側の気持ちとしては、
児童連続殺人犯は許せない存在なわけです。
テレビ視聴者である私は刑事さんの思いきった作戦に驚きと
犯人が挑発により暴走しないだろうかと不安を持つわけですよ。
刻一刻変わる展開を見守る立場として映画を観たい気持ちがあるわけで。
原作をアレンジしてサスペンス的に観せても良かったんじゃないかなぁと思います。
家庭のいさかいの部分に関しては、
奥さん役の松田美由紀の演出が、地味すぎ。
心臓病を持つ奥さんは、自分の命をかけて生んだ子供なんですよ。
自分の子供に危険がおよぶかもしれん捜査なんて、すぐやめろ、と
いう気持ちになると思うんだけどな。
感情なく存在してるだけだった。
全体に渋く抑え目に作ろうという狙いはわかるけど、
登場人物の気持ちをもっと表現する場面を作ればメリハリが効くんじゃないかな。
『犯人に告ぐ』 WOWOW劇場用映画レーベル「WOWOW FILMS」第1弾作品
[サスペンス]
監督:瀧本智行
出演:豊川悦司/石橋凌/小澤征悦/笹野高史/松田美由紀
私の感想:★★★☆☆ 地味な展開がもの足らない印象、惜しい。
ちなみにヤフー映画評では(★★★☆☆3.69点)でした。
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