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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
武田双雲さんトークライブ フェリシモ神戸学校
2008年12月30日 (火) | 編集 |
これは、先月、聞きにいったものですけど、
やっと書けた。
年内になんとか書きとめたかったのでアップ。

11月の神戸学校。今回は、有名どころの方、登場です。
武田双雲さん。
武田さんは、2009年大河ドラマ「天地人」のタイトルを書かれてる方です。

天地人ロゴ
(NHKドラマホームページより使わしていただきました)

神戸学校とは,、震災以降、経験と言葉の贈り物として、フェリシモがおこなっているトークライブです。武田さんが来たところで、書の話なんて、ひとつもありません。その方が、日々感じてることをお話してくれるだけです。そこが、この贈り物の素敵なところですね。

武田双雲さん(書道家)/2008年11月15日/エスパスフェリシモホール
~志は大きく、でもとらわれない 自由、そして日々のしあわせ~


しゃべる、しゃべる、めちゃくちゃ、よーしゃべる方でした。

2008/11/15神戸学校
(写真は、神戸経済新聞 2008-11-19の記事より使わしていただきました)

成りきってみる、みたいなお話が印象的でしたね。
「歌手になりたい」「モテたい」とか、人はいろいろ思ったりするんですけど、それを考えてる限り、その位置にずーっと、とどまっているわけで、それじぁ、いつまでたっても夢の位置には到達できないやん、と武田さんは、考えるようです。
で、どうするかというと、
なってしまう、ということ、らしいです。
グローバルに活動する書家になりたい、そしたら、それになってしまえということです。なってしまえば、その人としての振る舞い、その人の考え方をするようになりますよね。外国記者からの取材もあるでしょう。

武田さんが英語を話せるか話せないのかわからないんですが、記者から質問があったかのように英語で真剣に、一人、家で、やりとりをしてるそうです。
なりきりごっこでなく、なりきる、
それを、本気で、やってしまうのがすごい。
奥様も(^◇^;) あきれるほど、らしいんですけど。
武田さんの並外れた集中力とイメージ力を持って成せる技かもしれませんけど、それは、武田さんの常に明るく楽しい考え方から、きてるものだと思います。
聞いてるみんなを、明るくさせるような方でした。

書籍を購入すると、
武田双雲さんに、自分の名前を書いていただけるので、
書いていただきました、私の名を。
うれしい (^O^)、話も笑いっぱなしだったし、行ってよかったです。
フェリシモさん、ありがとう。


記事とは関係ないですが、
ちなみに、
NHK大河ドラマ『天地人』は、2009年1月4日スタートです。NHKページ
妻夫木聡演じる直江兼続という方は、どんな人か全然知らないんですけど、
内容は、
上杉謙信を師と仰ぎ、兜に「愛」の文字を掲げた兼続は、その波乱の生涯を通じて、民・義・故郷への愛を貫きました。「利」を求める戦国時代において「愛」を信じた兼続の生き様は、弱者を切り捨て利益追求に邁進する現代人に鮮烈な印象を与えます。大河ドラマは、失われつつある「日本人の義と愛」を描き出します。
だ、そうです。

武田双雲さんは、日本のたからものは『和』だと、書かれました。

常に自己の意識を、全体の流れに調和させる能力が、ずば抜けて高いというような意味です。日本人は、目に見えないものを見るのが好きなんじゃないかな、と思いますが、何かそこに形というものを感じるんじゃないかと思います。

暗雲漂う2008年を吹き飛ばし、希望ある2009年にしたいものですね!


今年のブログは、この記事で年内は最後になるかな。
読んでいただきありがとうございました。
みなさん、よいお年をお迎えください。

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K-20 怪人二十面相・伝
2008年12月29日 (月) | 編集 |
さすが、明智君。よく見破ったな!
諸君、また会おう!(ヒラリ)
ふははっははっ。

あっ、
待て~~~っ!二十面相~~~~~~~!!!

こんな絵が浮かぶんじゃないでしょうか。
みんなよく知る、怪人二十面相。

K-20

時は1949年。舞台は帝都。
第二次世界大戦が回避された日本では、華族と呼ばれる富裕層が幅をきかせ、富める者は富み、貧しい者はさらに貧しくなるというおかしな社会となっていた。その富裕層から美術品や骨董品を鮮やかに盗み出す“K-20”こと怪人二十面相が世間を騒がせていた。


いやぁ~、面白かったです。
図書館にあった江戸川乱歩の少年探偵シリーズは、よく読んでました。表紙と中の挿絵も、不気味で好きでしたね。
映画も、大正ロマンのような舞台で、建物自体も美しいし、出てくる小道具や美術が凝っていて、すんなり世界へはいっていけました。この作品は、美術的にすごく楽しかった。

K-20ネコ3
とぼけキャラ。金城武。こんなイメージ

違う!オレは二十面相じゃない。
サーカスの曲芸師・遠藤平吉(金城武)は、罠にはまり濡れ衣をかけられます。潔白を証明するため二十面相に闘いを挑んでいきます。
金城武は、日本語のしゃべり方が変なんですが、素直に物事を受け入れる、たんたんとした役なので、そんなに気にならないかな。アクションは、本人がおこなっている部分もあるらしく、なかなか、かっこいいです。
建物から建物へ飛び移るアクションシーンがあって、これはパルクール(道具なしに自分の肉体のみで障害を乗り越えていくスポーツ)というもので、専門家によるスタントですけど、このシーンは、見応えあります。
金城武A

そこまでだ!二十面相!
宿敵、名探偵・明智小五郎(仲村トオル)も当然、登場。ただ、彼は華族で、いやーな雰囲気の明智小五郎です。鮮やかな名推理を見せるわけでもなく、どこが名探偵なのか、さっぱりわからないんですけど、気取った明智が、まじめにしゃべればしゃべるほど面白くなる。
小林少年も登場しますが、同じく金持ちのボンボンで、めっちゃいやな感じ。少年探偵団もブルジョアでブレザー着てたりして。

良家の子女のたしなみです。
怪人二十面相に狙われる羽柴家の令嬢、羽柴葉子(松たか子)。松たか子は、お嬢様って感じはしないんだけど、無邪気なボケ担当。

大正ロマンのような舞台で、この三人を中心に話が進む、これが、観てて楽しいのよ。怪しげな面白さに引き込まれていってしまう雰囲気かなー。

K-20サブ1

からくり師・源治(國村隼)という便利グッズや秘密兵器を作ってくれる味方キャラが平吉についてるのが、大きな特徴。なんとなくシリーズ化されそうな内容で、今後、出てくる秘密兵器も楽しみ。続編が出来たら観にいきたいです。

ただ、『K-20』というタイトルが、あまり、いいと思ってないんですよね。内容的には“真説二十面相奇談”で、どうもK-20という響きがいやだなぁ。できたら次回はタイトルをしゃれたものに変えて欲しいなと個人的に思っています。


『K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝』 2008年【日】
アクション
監督/脚本:佐藤嗣麻子
出演:金城武(遠藤平吉)/松たか子(羽柴葉子)/仲村トオル(明智小五郎)
/國村隼(源治)/高島礼子(菊子)/本郷奏多(小林少年)/シンスケ(今井悠貴)/益岡徹(浪越警部)/鹿賀丈史(謎の紳士)
私の感想:★★★★☆ 

原作:北村想 
怪人二十面相・伝 (小学館文庫)
怪人二十面相・伝〈PART2〉 (小学館文庫)

K-20 怪人二十面相・伝 公式ガイドブックK-20 怪人二十面相・伝 公式ガイドブック
K-20製作委員会

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K-20 怪人二十面相・伝 公式ガイドブック。怪人二十面相から懐かしの少年探偵まで映画の外側の情報まで詳しく掲載。


◎映画パンフレットには、舞台セットの制作話やデザイン、本編に出てくる小道具の紹介があって、なかなか面白かったですよ。今回は、ワイヤーでなく重力のあるアクションシーンを目指したらしく、そのあたりの監督さんインタビューも興味深い。

ウェールズの山
2008年12月24日 (水) | 編集 |
たいへん素敵な伝説でした。

305メートルは山で、
299メートルは山でないなんて。
背の低い男は“子供”で、
小さな犬は“猫”か?
山は山だ。俺たちの山だ。

ウェールズの山IMG

クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、
と、いう言葉がありますが、
そう、高さが、たいへんな問題になってくる事件がある村で起こるのです。

20世紀初頭のサウス・ウェールズ。
ある日、測量技師2人が、村にある山の測量にやってきたそうな。
測ってみると、299メートル。
305メートルないので、“山”でなく“丘”と言われてしまう。
たったの6メートル。

それは困る。
村人にとって、この山は他民族の侵入を防いできた誇り高き山で、
この山があるからウェールズなんです。
丘ならばイングランドになってしまう。
こうなったら、
あと6メートル、土を盛ろうじゃないか、と村の集会で決まります。
ここから先が、おかしくて、
もう一度、測量させるため、あの手この手の、ひきとめ作戦が始まります。

他の人から見ると、ばかばかしい、どっちでもいいやん、と言われるのかもしれないけど、この地を愛し、この山を愛する村人には、ゆゆしき大問題なのです。

村人たちの団結力に笑わされ、あったかーい気持ちになれる映画です。
この話は脚本・監督であるC・マンガーが、生まれ育ったウェールズの南部で、幼い頃聞かされた実際の伝説“丘を上り、山から下りてきたイングランド人”(原題)が元になっているそうです。

ウェールズの山測量1

『ウェールズの山』1995年【英】
The Englishman Who Went Up a Hill But Came Down a Mountain
監督:クリストファー・マンガー
出演:ヒュー・グラント/タラ・フィッツジェラルド/コルム・ミーニイ/イアン・マクニース/イアン・ハート
私の感想:★★★★★ ほのぼの。
ドラマ
ウェールズの山 [DVD]

地球が静止する日
2008年12月21日 (日) | 編集 |
キアヌが大阪に降り立った!
映画「地球が静止する日」に主演した米俳優、キアヌ・リーブス(44)が同映画の公開初日の19日、大阪市中央区の大阪府庁を訪れ、橋下徹大阪府知事(39)と対面した。
地球を救うために人類を滅ぼす宇宙からの使者を演じるキアヌは橋下知事から「霞ヶ関もぶっ壊して」と何度も頼まれ、「知事にお任せします」と苦笑い。
(2008年12月20日の記事、SANSPO.COM様より引用しました)


全世界的に不安な状況になった時期での公開になりました。
クラトゥに日本の浄化をぜひお願いしたい、と思う今日この頃、
『地球が静止する日』を観てきました。
これは、オリジナル版DVDも観てたので、楽しみにしてました。

映画のキアヌは、セントラルパークに降り立ちます。

キアヌNY

謎の球体から異星人らしき謎の生命体が・・・
その時、軍の一人が発砲してしまい、謎の生命体に、けがを負わせてしまう。施設に運ばれたを生命体を調べて医者が驚く。人間の組織形状と同じなのだ。

この人間型生命体が、キアヌ・リーブス。無表情なのがぴったりの役ですね。
目を覚ました彼は、クラトゥと名乗り、全世界の代表たちに話があるという。
しかし、ここはアメリカだったのだ。合衆国こそ、世界の代表だといわんばかりに、国防長官レジーナ(キャシー・ベイツ)は、尋問により彼の目的・正体を明らかにしようとする。

合衆国の態度に、あんたとはやっとられんわと思ったクラトゥは、ヘレン博士(ジェニファー・コネリー)の助けを受け逃亡。
話を聞いてるうちに、クラトゥの目的が次第にわかってくる。

彼は、地球を守るために来たのだ。

そういえば、歌に歌われたりする、私たちの地球、って変ですよね。
クラトゥさんは、ここを大いに指摘したかったらしい。
地球が静止する日IMG

これほどの堅い意志を持ってやって来たクラトゥさんが、
この後、
あらっ?、というほど、簡単に、
破壊活動の中止を決めちゃうんですよね。
こんな、あっさりと考えを変えたらあかんと思うわ。
人類が変わったところで、地球は守れるわけではない。
あくまでも地球のダメージを、遅らせることができるだけなのだ。
ヘレン博士と亡き夫の連れ子ジェイコブの愛情を見て、クラトゥの考えが人間的に変わってくる話にしたかったのでしょうが、そのあたりは、ぜんぜん描けてなかったですね。

リメイクにおいて、冒頭のハードなSF要素を入れるため、ヘレンを民間人から政府関係者の設定に変えたのが、まずかったと思います。彼女が科学者として、母親として、どっちつかずの希薄な立場となりました。軍の動きと親子の動きを切り離した方がわかりやすいし、結局、彼女に、私たちは変われる、という陳腐なことを言わすことになってしまってますよね。母親のみの気持ちなら、私は子供の命を守りたいという言葉が出てくることになるかなと思います。
普通の一般人ヘレンが自分の目で見た価値観で行動するのが、オリジナル版の良さなんだけどなぁ。リメイクは、そのあたりを置き忘れてしまってるような気がします。

地球が静止する日CG
今日は、このへんで、かんべんしといたるわ。
という感じでもなかったし。
全世界の人々に対して危機感を伝えるところがないので、
まったくメッセージ性のない映画になってしまいました。


新ゴート
この物語に出てくる守護神ゴート。
私は、このゴートが、どのようにリメイクされてるのか、
すごく楽しみだったったんですけど、
結果、ペプシマン・・・だった。
これは、すごく残念。
ペプシマン
オリジナルに出てきた呪文「クラトゥ・バラタ・ニクト」は、サービスとしてのみ登場。

地球が静止する日《リメイク》 2008年【米】
The Day the Earth Stood Still
SF
監督:スコット・デリクソン 「エミリー・ローズ」
出演:キアヌ・リーヴス(異星人クラトゥ)
   ジェニファー・コネリー(ヘレン博士)
   ジェイデン・スミス(息子ジェイコブ)ウィルスミスの息子さん
   キャシー・ベイツ(レジーナ国防長官)
原作:ハリー・ベイツ「来訪者」/「主人への告別」(創元SF文庫)
地球の静止する日 (角川文庫)
地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)
★★☆☆☆ 

地球の静止する日地球の静止する日
ロバート・ワイズ監督

商品詳細を見る
異星人が各国の代表に伝えたい事とは?この謎を軸に引っ張っていくサスペンスドラマ。背景に大きなメッセージを感じさせる作り方が見事です。


→オリジナル版『地球の静止する日』の感想はこちらへ

スキャナー・ダークリー
2008年12月16日 (火) | 編集 |
土にはえる“死”を見た。
大地に、はえていた。
青く大地を覆ってた。
友達にプレゼントしよう。
感謝祭の日に。

スキャナー・ダークリー

近未来のアメリカでは、物質Dというドラッグが蔓延していた・・・
潜入捜査官ボブ・アークター(キアヌ・リーヴス)が主人公。

実写映像にペインティングを施したアニメ的映像の映画です。
フィリップ・K・ディックの原作ということで最後まで見れましたが、
まったく知らないで見たら、途中で観るの、やめてしまったかもしれない。
アニメ風になってるのは、ドラッグによる現実離れした世界の表現のためと、本編に出てくる“スクランブル・スーツ(人物を特定されないための特殊な服)”の表現のためだと思いますが、ジャンキーの怪しげな会話の応酬が続き、飽きてしまいます。
見始めは、このアニメ画面に慣れてないので、観てて不思議な感じがするんですけど、だんだんこのアニメ画面に魅力がなくなってくるんですね。実写を撮ってわざわざアニメ風に変えるという手間のいれようはわかるんですけど、これだけの長さの作品にするには、きつい感じがしてしまいました。

私は、この原作は読んでないのですが、
おそらく原作に近い物語なのだろうなと思います。
自分は、自分なのか、
他の作品と同じく、自己への問いかけという物語になります。

麻薬捜査の秘密上、潜入捜査官と上司はお互い顔を知らないようになっています。ジャンキーの集まる家は密かにモニター監視されていて、潜入捜査官もひっくるめ、容疑者の一人として見られています。
ある日、潜入捜査官は、上司より自分自身を見張れと命令されます。
普通なら、おかしな話なのですが、潜入捜査を進めているうちにドラッグ中毒になっている彼には、現実か幻覚か、わけがわからなくなってきてしまうんですね。
やがて、自分自身を破滅させていくことになってしまいます。

物語としては面白いんですが、暗い単調な進行にめげそうになってくるので、この作品は、ディックファン向き。今まで映像化された娯楽路線じゃ、いやって方に向いてるかなと感じます。

ディック映像化作品は、おそらく、以下で全部と思うんですけど
今回、「スキャナー・ダークリー」観て、全部観ることができました。
●ブレードランナー(1982年)「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
●トータル・リコール(1990年)「追憶売ります」
●スクリーマーズ(1996年)「変種第二号(人間狩り)」
●クローン(2001年)「にせもの」
●マイノリティ・リポート(2002年)「マイノリティ・リポート」
●ペイチェック 消された記憶(2003年)「ペイチェック」
●スキャナー・ダークリー(2006年)「スキャナー・ダークリー」
●NEXT-ネクスト-(2007年)「ゴールデン・マン」


『スキャナー・ダークリー』 A Scanner Darkly 2006年【米】
SF
監督:リチャード・リンクレイター
出演:キアヌ・リーヴス(男優)ボブ・アークター
   ウィノナ・ライダー(女優)ドナ・ホーソーン
   ロバート・ダウニーJr(男優)ジム・バリス
   ウディ・ハレルソン(男優)アーニー・ラックマン
私の感想:★★☆☆☆ 地味かな。
原作:フィリップ・K・ディック 「スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)」

◎関連記事 原作フィリップ・K・ディックの映画
クローン 
スキャナー・ダークリー
NEXT-ネクスト-

スピード・レーサー
2008年12月15日 (月) | 編集 |
スピード・レーサー

アニメの実写化が、最近バンバン出てくるので、これもかいなと、
思って観たが、面白いやん、これ。
色彩の洪水。
スピード感あふれる原色キラキラの3Dアニメ映像がすごく楽しい。
この日本アニメが好き好きでたまりませんねん、敬愛して作った、という気持ちが伝わりますね。

で、見終わった後、
「マッハGoGoGo」のオープニングを見てみたんだけど、
オリジナルの方がだんぜん、おしゃれだなと思ってしまった。



アフリカ象を、ビューンと飛び越えて、くるっと振り返るところが、すごくかっこいい。マシンのジャンプ音とパォーという象の鳴き声がはいってくるところが、なんともいえませんね。すごく雄大で夢のある絵になってます。車で引かれた線が赤と黄のチェッカーフラッグに変わって、最後のポーズも決まるところも、すごくおしゃれ。


『スピード・レーサー』 Speed Racer 2008年【米】
アクション
監督:ウォシャウスキー兄弟
出演:エミール・ハーシュ/クリスティーナ・リッチ/ジョン・グッドマン/スーザン・サランドン/ベンノ・フユルマン
私の感想 ★★★☆☆ 目がチカチカするよ。

ある愛の風景
2008年12月10日 (水) | 編集 |
「申し訳ないよ、でき損ないが生き残って」
わかっている、俺が死んだらよかったんだ、と自分に言いきかすかのように
務所帰りの弟ヤニックは言う。
父の自慢だった優秀なエリート兵士の兄が戦死したのだ。
父の目が顔が、彼に突き刺さる。

ある愛の風景2
ある愛の風景

軍人ミカエルは、妻サラと二人の可愛い娘の幸せな家庭。幸せな日々を送る彼に、戦渦のアフガニスタンへの派遣が命じられる。歓送会が催され、両親と弟ヤニックも集まり一同が久しぶりに顔を揃えた。両親にとって自慢の息子ミカエルとは対照的な独り身の弟ヤニックは、刑務所帰りで定職もなく、家族からすっかり孤立していた。

それは、どにでもあるような平凡な風景に、ある日突然訪れます。
スサンネ・ビア女性監督による厳しく優しい目で、
妻、兄、弟、この三人の心の奥にはいっていく亀裂を見せていくような印象です。
この作品はイメージで書く方がいいかなと思うので、
その形にしてみます。
シーンを観ていて、みしっ、みしっ、と音を立て、
ひびがはいっていくように見えるんですよね。
次のシーンで、さらに亀裂が大きくなっていく様を見せていったりします。
少し、ひびがやわらいだりするところもあるのですが、
一度はいった、このひびは、修復できそうにはありません。
そういった移り変わりを、人物の表情を中心に、
心の動きそのものをストーリーにしてあるわけですね。
どうしたらいいんだろう、のようなつらく悲しい気持ちの画面の下に、
つながりや暖かいものを見せている、そんな映画に感じました。
うまく書けませんが、
登場人物の気持ち自体が画面で、表情は背景として存在している、というイメージに近いかなーと思います。

戦争に対する気持ちも込められていて、
最初に一同が揃う食事風景の場から語られていきます。
この場面はすべての登場人物が顔を揃え、それぞれの心情がよくわかるように出来てます。
明日から、戦地へ旅立つミカエルの任務の話になり、
娘が、「悪者を打つのよ。」と言い、
弟が、「見分けられるか。」と返します。
意味の深いセリフですね。
これは、後で兄に起こる出来事にも痛烈に関わってくるようなセリフになっていて、
話が進むにつれ、すごく響いてくるものでした。
娘さんも姉妹に設定されてて、痛いところで、娘さんの表情やセリフが効いてきます。
かなり、いきとどいた、繊細に家族の心情が語られてる映画だと思います。
“ある家族の風景”というタイトルの方が似合いそうな感じでした。


ハリウッドリメイクが決まってますが、
う~ん、どうでしょう。
この感覚が受け継がれるかどうかはわかりません。
画面を移植だけすると違う映画になるかなと思います。


ある愛の風景 BRODRE/BROTHERS 2004年【デンマーク】
ドラマ
監督:スサンネ・ビア「しあわせな孤独」
脚本:アナス・トーマス・イェンセン
出演:コニー・ニールセン(サラ)「ダラディエーター」
   ウルヒット・トムセン(兄ミカエル)
   ニコライ・リー・コス(弟ヤニック)
私の感想:★★★★☆ 
人の心の動きそのものがストーリー。よく出来た作品です。

ブラインドネス
2008年12月04日 (木) | 編集 |
ブラインドネス1

ひとりの男が、突然失明した。それは悪夢の始まりだった――。

政府は、増える失明患者に対し隔離政策をとるんだけど、
手のうちようのない病なので、施設に放り込んで、あとは、ほったらかし。
やっかい者は社会から切り捨ててしまう政策だ。
その後の
施設内のことは、省略。(ちょっと書いてたんだけど、いやになってきて)
観てて胸くそ悪い気持ちになっただけです。 よ。
施設内を通じて、国どうしの戦争、強い者による搾取、人間の欲望のようなことを感じとらせていく比喩的なお話なんだろうと思う。そして、死体ごろごろの外界、人間も犬の餌になる、生と死の世界を描いてる。

でも、どうなんだろう。
実際に施設に放り込まれて、
まず、わけわからない状態でしょ。病気?細菌兵器?死ぬの?
失明のみの症状である、ということは、誰にも、わからないですよね。
未知の状況で、生存しなければならない。
時間経過とともに、しなければならないことは、山のように出てくるわけで、
刻一刻、どんどん状況が、変化していくようになるんじゃないかなと思う。
漠然とした絶望モードで、ずぅーといるなんてことはないと思います。
映画で描かれる修羅場は、あくまでも目の見える立場の人の論理ですね。

ブラインドネスIMG

実は、この施設の中に、目の見える人間がひとりいて、それが主人公の女性だ。
異端者である彼女が、どう行動するかなんですけど、
う~ん、まったくの傍観者である。
彼女は、観客の目の代わりに存在にしてるだけみたいです。
彼女の目を通じて、
あー、音楽を聞いて、安心で優しそうな顔になるんだ、とか
なるほど、雨が降ると、うれしそうな顔になるんだ、みたいなこと、
を感じとれるのはたいへん良かった。
でも、実際は、彼女は、じっとしてることはできないと思う。

悪い方向だけを見せていくことによって、思考をそっちに向けてるのかな。
観客の視野幅をタイトルどおり、さえぎっていく映画みたいな雰囲気ですね。
カメラが180度違う方向へ回ってくれると、希望が沸くんだけどなぁ。
それは、しないんだろうな。
悪い材料ばっかり見せてさよなら~って、されたみたい。
残された私は、ぼぉーとした不快な気分のまま、どうもよろしくないですね。
人間て、こんな状態で、こんなとっぴなこと思いつくんだみたいなみたいなことをちょっぴりだけ描いてくれると面白いんじゃないかと思う。
何かしなければならないような気持ちを喚起させて終わって欲しかったです。

伊勢谷友介、木村佳乃の日本語が変なのがすごく気になったよ。

『ブラインドネス』 Blindness 2008年【日・ブラジル・カナダ】
ドラマ
監督:フェルナンド・メイレレス「ナイロビの蜂」
出演:ジュリアン・ムーア(女優)医者の妻
   マーク・ラファロ(男優)医者
   アリス・ブラガ(女優)サングラスの娘
   ダニー・グローヴァー(男優)黒い眼帯の老人
   ガエル・ガルシア・ベルナル(男優)バーテンダー・ 第三病棟の王
   伊勢谷友介(男優)最初に失明した男
   木村佳乃(女優)最初に失明した男の妻
原作:ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
私の感想 ★★★☆☆ 

13F
2008年12月03日 (水) | 編集 |
仮想空間、ヴァーチャル・リアリティをからめたSFサスペンスです。
原作はダニエル・F・ガロイ著『模造世界』というものらしいんですが、書かれた当時だと、ヴァーチャル・リアリティサスペンスとして面白いんだと思います。ただ、今の題材としては、古い感じがします。

13F

コンピュータソフト開発会社のオーナーが殺される事件が発生。この会社は、ヴァーチャル・リアリティの技術を使い、1937年のロサンゼルスを再現した仮想空間をコンピュータ内に作っていた。そこに勤める主人公に容疑がかかる。

現実世界から仮想空間世界の住人に、自分の意識をダウンロード。そこの住人として仮想空間を体験できる技術です。建物、行き交う人まで本物と区別がつかない、感触・匂いまで、再現されてます。
ちょっとすごすぎるんちゃう、そこまで、すごいヴァーチャル・リアリティ空間が作れるの?とか、思ってしまったんですが、SFですからね。そこは、すんなり受け入れて、物語の世界に入ってみました。

殺されたオーナーは、密かに仮想空間を行ったり来たりしてたことがわかってきます。誰でも、こんなもの作ったら、そこに行ってみたくなりますよね。
この殺人事件の謎をつきとめるためには仮想空間に、はいらなければならない。主人公も仮想空間へ足を踏み入れていきます。
仮想空間を1937年に設定して、画面上、現実世界との区別をつきやすくしているところが良い。同じ俳優さんが、現実の自分と1937年の自分を演じ分けるため、髪型、メイク、衣装を工夫しています。主役クレイグ・ビアーコと謎の女グレッチェン・モルは、1937年の雰囲気がよく似合ってますね。

当初、夢の空間として作成した仮想空間が、次第に現実世界とほぼ変わらなくなってきてるのが恐ろしいところです。住民もひとつの人格を持ち始めてきてしまう。自分の住む現実って、いったい何?夢なのか?現実なのか?考えだすとわけがわからなくなるんですが、こういう迷宮的な世界に、はいって楽しめる人は面白い映画だと思います。

13階という何の意味もないタイトルは、やめた方がよかった。
この日本語タイトルは失敗。タイトルは、もっと考えましょう。

『13F』 The Thirteenth Floor 1999年【米・独】
SF
監督:ジョセフ・ラスナック
製作:ローランド・エメリッヒ「インデペンデンス・デイ」
出演:クレイグ・ビアーコ/グレッチェン・モル/ビンセント・ドノフリオ
私の感想:★★★☆☆
原作:ダニエル・F・ガロイ 模造世界 (創元SF文庫)