2009年06月30日 (火) | 編集 |
ロックとユーモアとちょっぴりの反抗心を胸に
イラン出身でパリ在住のマルジャン・サトラピの半自伝的グラフィック・ノベルを、アニメ映画化。イラン革命に始まるイランの激動の現代史を、一人の少女の成長物語に重ね、生活者の目線から皮肉とユーモアを織り交ぜヴィヴィッドに描き出す。

1978年のイラン。9歳の少女マルジはブルース・リーが大好きな元気な女の子。パパとママとおばあちゃんに囲まれ、何不自由ない生活を送っていた。しかし、革命が起きてイスラム政権が誕生すると生活は一変、反政府主義者として投獄されていたアヌーシュおじさんが戻ってくる一方、風紀は厳しく取り締まられ、さらには、イラン・イラク戦争も勃発してしまう。それでもマルジはパンクを愛し自由な心を失わない。しかし、そんなマルジの反抗心旺盛な言動は、自由主義の母をも不安にさせる。そして両親はついに、マルジを混乱のイランから遠ざけるためウィーンへと留学させることを決意する。

日本では、よくわからないイランの世情が描かれてて興味深いというのもありますが、
なにより絵が魅力的!観て、すごく斬新でした。
白黒をうまく使ったアニメ表現の動きが楽しい。
普通のカラーアニメ作品だと、人物の動きの描写ですけど、これは、気持ちの描写です。マルジの気持ちが、どよーんとなったら、くらーい雰囲気に、怒りとなると、激しい画面になる。
この画面の変化が面白い。
スクリーンでの見え方を、3年間リサーチしながら、何度も制作し、
この作り方に、たどり着いたらしいです。
常に公正明大であれ、が口癖のマルジのおばあちゃんが、すごく素敵な人でした。
ペルセポリス PERSEPOLIS 2007【仏】1時間35分
監督/脚本:マルジャン・サトラピ 、ヴァンサン・パロノー
音楽:オリヴィエ・ベルネ/原作:マルジャン・サトラピ
★★★★☆
第60回(2007年)カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞
ペルセポリス [DVD]
イラン出身でパリ在住のマルジャン・サトラピの半自伝的グラフィック・ノベルを、アニメ映画化。イラン革命に始まるイランの激動の現代史を、一人の少女の成長物語に重ね、生活者の目線から皮肉とユーモアを織り交ぜヴィヴィッドに描き出す。

1978年のイラン。9歳の少女マルジはブルース・リーが大好きな元気な女の子。パパとママとおばあちゃんに囲まれ、何不自由ない生活を送っていた。しかし、革命が起きてイスラム政権が誕生すると生活は一変、反政府主義者として投獄されていたアヌーシュおじさんが戻ってくる一方、風紀は厳しく取り締まられ、さらには、イラン・イラク戦争も勃発してしまう。それでもマルジはパンクを愛し自由な心を失わない。しかし、そんなマルジの反抗心旺盛な言動は、自由主義の母をも不安にさせる。そして両親はついに、マルジを混乱のイランから遠ざけるためウィーンへと留学させることを決意する。

日本では、よくわからないイランの世情が描かれてて興味深いというのもありますが、
なにより絵が魅力的!観て、すごく斬新でした。
白黒をうまく使ったアニメ表現の動きが楽しい。
普通のカラーアニメ作品だと、人物の動きの描写ですけど、これは、気持ちの描写です。マルジの気持ちが、どよーんとなったら、くらーい雰囲気に、怒りとなると、激しい画面になる。
この画面の変化が面白い。
スクリーンでの見え方を、3年間リサーチしながら、何度も制作し、
この作り方に、たどり着いたらしいです。
常に公正明大であれ、が口癖のマルジのおばあちゃんが、すごく素敵な人でした。
ペルセポリス PERSEPOLIS 2007【仏】1時間35分
監督/脚本:マルジャン・サトラピ 、ヴァンサン・パロノー
音楽:オリヴィエ・ベルネ/原作:マルジャン・サトラピ
★★★★☆
第60回(2007年)カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞
ペルセポリス [DVD]

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2009年06月28日 (日) | 編集 |

1958年のドイツ、ベルリン。15歳のマイケルは21歳年上のハンナとの初めての情事にのめり込む。ハンナの部屋に足繁く通い、請われるままに始めた本の朗読によって、2人の時間はいっそう濃密なものになるが、ある日、ハンナは忽然と姿を消す。
1966年、大学で法律を学ぶマイケルは傍聴した法廷の被告席にハンナを見つける。裁判に通ううちに彼女が必死に隠し通してきた秘密にようやく気づき、衝撃を受けるのだった。(goo映画より)
(この作品は、ネタばれを含んで書きますので、未見の方はご注意ください。)

どちらかいうと、原作『朗読者』と合わせてさらに深く味わえる作品だと思います。絵的で、作品に働きかければ働きかけるほど、イメージがどんどん膨らんで、感想も変化していく物語ですね。
人それぞれに感想を持つ作品なので、思ったことを書くことにします。
ケイト・ウィンスレットを観て、あ~あなたがハンナさんでしたかって感じで、まさにピッタリだと思う。むずかしい役で、感情や心情を観客に伝えるような演技でなく、あくまでも察してもらう形にしないとだめなんです。目に力をいれた訴える顔ではなく、あいまいに感じさせる表情の作り方が、うまかったと思う。自分なりに、イメージはできてるんだろうなという感じで、彼女が理解しているハンナ像はたいへん良かったです。
ケイト・ウィンスレットの表情に、じっ~と注目して観てました。
1 青い空、夏の日
裸ばっかり出てきますね。ハンナを表現するには、裸がふさわしい。着飾ったりしない性格で、生真面目で率直な女性がハンナなんだと思います。この二人の年齢差は、戦争を体験してる世代と戦争を知らない世代の設定でもある。
マイケルは、無愛想な家庭より彼女の家にいる方が楽しかっただろう。ハンナは、マイケルのことが好きだと思うけど、どうせ自分は不幸、のような捨て鉢的な面はある。お互いに理解はないが、いっしょにいることが楽しかった夏の日なんでしょうね。
服装的にも、彼女の性格、心情はよく表現されていて、制服は、内面を隠そうとする姿だし、青空の広がる旅行シーンは、彼女の喜びを表現してると思う。聖歌隊の歌に涙したんだろうか、ここも素敵な場面だ。彼女の脆さでもあるんだろうなぁ。

2 収容所
マイケルが、収容所跡に行き、なんとか彼女を理解しようと努めるところがいいですね。ハンナという存在が、彼の人生に大きな意味を持ってきます。理解しようとしても、当時に生きてない彼には、彼女を理解できない悔しさがある。
今、行われている裁判は、戦犯を誰かに決めて過去をしまってしまおうとするもので、弁解をしないで正直に話す彼女が重い罪を受けてしまいます。反感を買うかのように制服を着て出廷する彼女も悲しいです。
彼女の意志を尊重した彼は、彼女とともに罪をも引き受けような人生を歩み始めます。

3 朗読者
マイケルはハンナを忘れたことはなかった。しかし、じっとしているということは、ナチという漠然としたものとして彼女をも、ひとくくりにし閉じ込めることと同じになってしまう。彼のできることは彼女のために再び朗読をすることだった。彼女に向かうことで、静かだったマイケルが息を吹き返したかのように、朗読シーンは、激しく映し出される。
彼女は、マイケルの朗読により、すごく変わっていくことになる。彼女にとって、今まで図形にすぎなかった文字を読み、学んでいく。ハンナは、マイケルに自分を理解してもらいたくなったんだと思う。原作には、彼女が文字を読めるようになり、最初に読んだ本が収容所の書物であるということが書かれている。文字を学ぶことは、彼女の苦しみにもなっていったと思います。
ハンナは面会で、
戦争も含め彼女を理解しようと苦しみ続けたマイケルの心を知る。
あの頃以上に彼を深く愛していた彼女は、
坊やの気持ちの彼でいて欲しかったし、接して欲しかったのでは、と思う。
彼女は、文字の書かれた書物を踏み台にし命を絶つ。
そして、彼への記述を残していない。缶にも文字は書かれてなかったような。
わかりにくいんだけど、
マイケルの知るハンナとして自殺したんだろうか。
彼女らしい最後であるけど、
このようにしか生きれなかったハンナの姿が、哀しすぎる。

映画の解釈は、ハンナはマイケルの心を解放するために自殺したというところなのかな。マイケル自身が一歩を踏み始めだしたようなとところで終わりです。
◎原作は、あまりにもハンナの気持ちがわかりにくすぎて、最終的に、読者である私自身が、傍観者的な思いに突き放されて、読み終えることになる。しみじみとタイトルの深さがわかる。
◎パンフレットは、きれいに作られてました。最後の方の数ページは、写真と飾りの英文で構成されています。英語のわからない私には、英文が、ただの図形&飾りに見えてしまい、ちょっぴり、ハンナの気持ちになってしまいます。
◎日本タイトルの『愛を読むひと』は変ですね。予告に平井堅のイメージソングをつけるのは、ひどいわ。この作品につけようと思う神経を疑うし、愛の映画と言えば平井堅という発想が単純すぎ。
●画像とまとめのページもありますので、よろしければどうぞ。→クリック
愛を読むひと THE READER 2009年/アメリカ
監督:スティーヴン・ダルドリー
ケイト・ウィンスレット(ハンナ)/レイフ・ファインズ(マイケル)/デヴィッド・クロス(若き日のマイケル)/
/ブルーノ・ガンツ(ロール教授)/レナ・オリン(イラナ・メイザー、ローズ・メイザー)/アレクサンドラ・マリア・ララ(若き日のイラーナ・メイザー)
★★★★☆
◎原作:朗読者 (新潮文庫)
◎愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕 [DVD]

2009年06月25日 (木) | 編集 |
ヴィジアルイメージ『朗読者』です。(ネタばれあり)
たくさん、集めたので(^▽^;)
静かに写真から心情を感じとりたい。(T_T)











彼女の後姿との再会。ハンナが振りかえるシーンがあったような。彼女は、マイケルの存在に、気づいていたのでしょう。



朗読を聴いている時、面会時、マイケルを想う彼女の顔は若々しい。年齢的に違和感のあるメイクにしてあるのはケイトの表情を活かすため、気持ちの表現のためだろうか。
映画ならではのハンナの心情と秘密を伺わせる一場面だ。普段、出かけることや外食をしたりすることがない彼女の緊張と戸惑いを感じてみたい。
まとめ
ハンナは、秘密を隠そうとするあまり、自分自身の心まで閉じこめて生きてきた女性であろうと思います。原作本に書かれている火事の時、収容所の鍵を開けるかどうか判断するところは、たいへん象徴的な出来事です。彼女が守ったのは、世の秩序ではなく、自分を律する秩序でしょう。
読み書きを知り、彼女の心は解放されましたが、過去の亡霊、つまり記憶から逃れることはできなくなります。死者は私を理解すると彼女は述べるのですが、記憶が感情を持ち始めた今、彼女には、生きる術がなかったのではないでしょうか。
たくさん、集めたので(^▽^;)
静かに写真から心情を感じとりたい。(T_T)











彼女の後姿との再会。ハンナが振りかえるシーンがあったような。彼女は、マイケルの存在に、気づいていたのでしょう。



朗読を聴いている時、面会時、マイケルを想う彼女の顔は若々しい。年齢的に違和感のあるメイクにしてあるのはケイトの表情を活かすため、気持ちの表現のためだろうか。
映画ならではのハンナの心情と秘密を伺わせる一場面だ。普段、出かけることや外食をしたりすることがない彼女の緊張と戸惑いを感じてみたい。
まとめ
ハンナは、秘密を隠そうとするあまり、自分自身の心まで閉じこめて生きてきた女性であろうと思います。原作本に書かれている火事の時、収容所の鍵を開けるかどうか判断するところは、たいへん象徴的な出来事です。彼女が守ったのは、世の秩序ではなく、自分を律する秩序でしょう。
読み書きを知り、彼女の心は解放されましたが、過去の亡霊、つまり記憶から逃れることはできなくなります。死者は私を理解すると彼女は述べるのですが、記憶が感情を持ち始めた今、彼女には、生きる術がなかったのではないでしょうか。
2009年06月22日 (月) | 編集 |
運命が 沈んでいく。
DVDパッケージが、あまりよくないぞ (°□°;)
B級潜水艦アクションに間違われるかも。『ドレスデン、運命の日』みたいなパッケージにした方がいいのに。これは、事実をベースに戦争を批判するドイツ作品です。

第二次世界大戦末期、1945年1月30日22時18分。
避難民1万人を乗せたドイツの大型客船ヴィルヘルム・グストロフ号は、ゴーテンハーフェン(現ポーランドのグディニャ)の港から出航後、ソ連潜水艦S-13から放たれた魚雷により撃沈されました。
この日のバルト海の水温はマイナス10℃からマイナス16℃にまで下がっており海上には氷が漂っていました。犠牲となった人数は、9,343名。ほとんどが一般市民で、半分以上が子供です。生存者は1,216名(ドイツ語版では1,252名)だけだったそうです。
犠牲者数の多さから海事史上最大の事故とされ、犠牲者の数だけでも、この事件の凄惨さがわかります。

劣勢のドイツ軍は、戦える者は少年でも誰でもいい、という状況まで追いつめられてきていたんでしょうか。ヴィルヘルム・グストロフ号で、訓練兵と武器を、キースというところまで、運びたかったんですね。あせる軍部のせいで、護衛艦を一隻もつけずに、強引に、この船を出航させ悲劇を生みます。
港にあふれるできるだけ多くの人を避難させようとしたケディング船長は、司令部の意向を押し切り、1万人近くの避難民を乗船させます。洋上に出てからも、安全のため、浅瀬を進もうと船を動かすんですが、途中からUボートを指揮する偉いさんなのか、この軍人の指示で、沖へ進路を変更させられます。
途中、“掃海艇が向かっている、衝突に注意しろ”と無線がはいり、航海灯をつけようとします。航海灯をつければ敵に場所を教えることになり危険だと、ケディング船長は反対するのですが、軍部は、聞き入れません。
この灯りが、ソ連潜水艦に、この船の位置を教えることになり、魚雷攻撃を受けます。
この無線は、誤報であったと言われていて、
作品内では、ソ連に家族を取られたドイツ無線士によるものとなっています。

助けようと船に乗せた避難民のほとんどが、凍りつく海に投げ出され命を落とすことになります。
港に、引き上げられた無数の遺体が並ぶ光景、この状況でも、軍部は責任を感じず、奇跡的に助かった避難民の少年までをも兵として戦地へ送ろうとします。最後のケディング船長の怒りは、戦争への怒りを代弁しているものですね。

シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~
DIE GUSTLOFF/SHIP OF NO RETURN: THE LAST VOYAGE OF THE GUSTLOFF
2008年/ドイツ 102分
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー「スターリングラード」「秋のミルク」
脚本:ライナー・ベール
ケディング…カイ・ヴィージンガー「ドレスデン、運命の日」
エリカ…ヴァレリー・ニーハウス
ハラルド…ハイナー・ラウターバッハ「ドレスデン、運命の日」
リリー…ダーナ・ヴァヴロヴァ「スターリングラード」
ヨハンセン…ミハエル・メンドル「ヒトラー ~最後の12日間~」
★★★☆☆
シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~ [DVD]

DVDパッケージが、あまりよくないぞ (°□°;)
B級潜水艦アクションに間違われるかも。『ドレスデン、運命の日』みたいなパッケージにした方がいいのに。これは、事実をベースに戦争を批判するドイツ作品です。

第二次世界大戦末期、1945年1月30日22時18分。
避難民1万人を乗せたドイツの大型客船ヴィルヘルム・グストロフ号は、ゴーテンハーフェン(現ポーランドのグディニャ)の港から出航後、ソ連潜水艦S-13から放たれた魚雷により撃沈されました。
この日のバルト海の水温はマイナス10℃からマイナス16℃にまで下がっており海上には氷が漂っていました。犠牲となった人数は、9,343名。ほとんどが一般市民で、半分以上が子供です。生存者は1,216名(ドイツ語版では1,252名)だけだったそうです。
犠牲者数の多さから海事史上最大の事故とされ、犠牲者の数だけでも、この事件の凄惨さがわかります。

劣勢のドイツ軍は、戦える者は少年でも誰でもいい、という状況まで追いつめられてきていたんでしょうか。ヴィルヘルム・グストロフ号で、訓練兵と武器を、キースというところまで、運びたかったんですね。あせる軍部のせいで、護衛艦を一隻もつけずに、強引に、この船を出航させ悲劇を生みます。
港にあふれるできるだけ多くの人を避難させようとしたケディング船長は、司令部の意向を押し切り、1万人近くの避難民を乗船させます。洋上に出てからも、安全のため、浅瀬を進もうと船を動かすんですが、途中からUボートを指揮する偉いさんなのか、この軍人の指示で、沖へ進路を変更させられます。
途中、“掃海艇が向かっている、衝突に注意しろ”と無線がはいり、航海灯をつけようとします。航海灯をつければ敵に場所を教えることになり危険だと、ケディング船長は反対するのですが、軍部は、聞き入れません。
この灯りが、ソ連潜水艦に、この船の位置を教えることになり、魚雷攻撃を受けます。
この無線は、誤報であったと言われていて、
作品内では、ソ連に家族を取られたドイツ無線士によるものとなっています。

助けようと船に乗せた避難民のほとんどが、凍りつく海に投げ出され命を落とすことになります。
港に、引き上げられた無数の遺体が並ぶ光景、この状況でも、軍部は責任を感じず、奇跡的に助かった避難民の少年までをも兵として戦地へ送ろうとします。最後のケディング船長の怒りは、戦争への怒りを代弁しているものですね。

シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~
DIE GUSTLOFF/SHIP OF NO RETURN: THE LAST VOYAGE OF THE GUSTLOFF
2008年/ドイツ 102分
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー「スターリングラード」「秋のミルク」
脚本:ライナー・ベール
ケディング…カイ・ヴィージンガー「ドレスデン、運命の日」
エリカ…ヴァレリー・ニーハウス
ハラルド…ハイナー・ラウターバッハ「ドレスデン、運命の日」
リリー…ダーナ・ヴァヴロヴァ「スターリングラード」
ヨハンセン…ミハエル・メンドル「ヒトラー ~最後の12日間~」
★★★☆☆
シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~ [DVD]

2009年06月21日 (日) | 編集 |
あの「SAW4」の製作メンバー、ブレッド・サリヴァン監督が手がける
戦慄のソリッド・スリラー。

ジグソウさん製の風合いを醸し出すパッケージだが・・・
これを撮ったブレッド・サリヴァンは、『ソウ4』の編集をされてる方のようで、パッパッと画面が動いたり、素早く画面チェンジが行われたりして、画面の観せ方に凝ったものは感じさせます。
古びた屋敷に越してきた、女子大生のダニエル。その夜から、屋敷では不可解な現象が起こり始めます。彼女は、精神を病んでおり、姉アナは、彼女の妄想ではないかと疑います。そのうちダニエルは、導かれるように隠し部屋を発見。そこで、もともと、この家は、ある催眠術師のもので、ここで、殺人鬼エドガー・クロウに対して呪いの儀式をおこなった、ということがわかってきます。
ここらへんまでは、心理ホラーとして面白いんですが、
後半、かんじんの椅子が出てきてからが、あまり面白くなかったかな。
椅子が、話にあまり関係ない ( ̄ロ ̄lll)
それは、まぁ良しとしても、話が展開し出すと、やっぱり編集出身の方なのかなー。
野外のシーンが、あまり迫力なくて、これでは編集しても恐くならない感じがしました。室内シーンは悪くない。抑えめのオカルトとして楽しめますね。
パニック・チェア THE CHAIR 2007/カナダ 89分
監督:ブレット・サリヴァン 『ソウ4』編集を担当
脚本:マイケル・カペルポ
アラナ・チザム/ローレン・ロイ/ニック・エイブラハム/ポール・ソーレン
★★★☆☆
パニック・チェア [DVD]
戦慄のソリッド・スリラー。

ジグソウさん製の風合いを醸し出すパッケージだが・・・
これを撮ったブレッド・サリヴァンは、『ソウ4』の編集をされてる方のようで、パッパッと画面が動いたり、素早く画面チェンジが行われたりして、画面の観せ方に凝ったものは感じさせます。
古びた屋敷に越してきた、女子大生のダニエル。その夜から、屋敷では不可解な現象が起こり始めます。彼女は、精神を病んでおり、姉アナは、彼女の妄想ではないかと疑います。そのうちダニエルは、導かれるように隠し部屋を発見。そこで、もともと、この家は、ある催眠術師のもので、ここで、殺人鬼エドガー・クロウに対して呪いの儀式をおこなった、ということがわかってきます。
ここらへんまでは、心理ホラーとして面白いんですが、
後半、かんじんの椅子が出てきてからが、あまり面白くなかったかな。
椅子が、話にあまり関係ない ( ̄ロ ̄lll)
それは、まぁ良しとしても、話が展開し出すと、やっぱり編集出身の方なのかなー。
野外のシーンが、あまり迫力なくて、これでは編集しても恐くならない感じがしました。室内シーンは悪くない。抑えめのオカルトとして楽しめますね。
パニック・チェア THE CHAIR 2007/カナダ 89分
監督:ブレット・サリヴァン 『ソウ4』編集を担当
脚本:マイケル・カペルポ
アラナ・チザム/ローレン・ロイ/ニック・エイブラハム/ポール・ソーレン
★★★☆☆
パニック・チェア [DVD]

2009年06月20日 (土) | 編集 |
クリント・イーストウッドの娘、女優アリソン・イーストウッドの初監督作品。

妻の病に目を背け現実逃避していた鉄道技師が、不慮の事故で出会った少年と家族のような交流を重ねることで次第に絆が芽生え再生していく姿を描く。
ケヴィン・ベーコンが出てる作品って、好きだわー。
静かな静かな物語(T^T)で、
この静かさが、お父さんイーストウッドゆずりみたいで、上品なんですよね。

レールズ&タイズ RAILS & TIES 2007/米 101分 劇場未公開
監督:アリソン・イーストウッド
脚本:ミッキー・レヴィ
音楽:カイル・イーストウッド/マイケル・スティーヴンス
出演:ケヴィン・ベーコン(トム・スターク)/マーシャ・ゲイ・ハーデン(ミーガン・スターク)/マイルズ・ヘイザー(ディヴィ・ダナー)
★★★★☆
レールズ&タイズ [DVD]

妻の病に目を背け現実逃避していた鉄道技師が、不慮の事故で出会った少年と家族のような交流を重ねることで次第に絆が芽生え再生していく姿を描く。
ケヴィン・ベーコンが出てる作品って、好きだわー。
静かな静かな物語(T^T)で、
この静かさが、お父さんイーストウッドゆずりみたいで、上品なんですよね。

レールズ&タイズ RAILS & TIES 2007/米 101分 劇場未公開
監督:アリソン・イーストウッド
脚本:ミッキー・レヴィ
音楽:カイル・イーストウッド/マイケル・スティーヴンス
出演:ケヴィン・ベーコン(トム・スターク)/マーシャ・ゲイ・ハーデン(ミーガン・スターク)/マイルズ・ヘイザー(ディヴィ・ダナー)
★★★★☆
レールズ&タイズ [DVD]
2009年06月17日 (水) | 編集 |
打ち切り決定ですかぁ( ̄□ ̄;)!!

アメリカでシーズン2が放送されていたSFドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』の打ち切りが決定した。
フォックス局のエンターテイメント部門の会長であるケヴィン・レイリーが明らかにしたもので、「打ち切りに対してお詫びするつもりはありません。この番組には多大な支援をしましたし、放送スケジュールも、ある程度いいものを確保しました。十分努力した上で、次に移行する時期だと判断しました」とのコメントも出されている。
打ち切りの最大の理由は、視聴率の大幅な低下が原因と見られる。高視聴率でスタートした同ドラマは、シーズン1を通じて平均1100万人の視聴者を獲得する堅調ぶりを見せたが、シーズン2では視聴者が500万人前後まで落ち込んでいた。また、シーズン2については、「とにかく視聴者が食いついてこなかった。最も驚きだったのは、18歳から49歳までの視聴者の数がどうしようもなく悪かったこと」といったコメントが、同局の内部者から寄せられている。
2009年6月2日海外ドラマNAVI様より引用)
http://dramanavi-news.cocolog-nifty.com/news/2009/06/post-0b77.html
このシリーズ、派手さはないなりに面白かったけどな。1stシーズンのみ観てるけど、サラ視点で描く一人の母親ドラマとして完結させれば良かったのに。視聴率の問題ということになってるが、話が行き詰まってしまったのかな?(-_-#)
T1001型とか本家の真似をしようとしたのが失敗か、
低予算の意地で、独自のターミー色を出して欲しかったな。
区切りがついてないのは残念ですね、2ndリリースされたばかりなのに(T_T)
◎関連記事
→ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ Vol.4・VOL.5
→ターミネーター4/TERMINATOR SALVATION

アメリカでシーズン2が放送されていたSFドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』の打ち切りが決定した。
フォックス局のエンターテイメント部門の会長であるケヴィン・レイリーが明らかにしたもので、「打ち切りに対してお詫びするつもりはありません。この番組には多大な支援をしましたし、放送スケジュールも、ある程度いいものを確保しました。十分努力した上で、次に移行する時期だと判断しました」とのコメントも出されている。
打ち切りの最大の理由は、視聴率の大幅な低下が原因と見られる。高視聴率でスタートした同ドラマは、シーズン1を通じて平均1100万人の視聴者を獲得する堅調ぶりを見せたが、シーズン2では視聴者が500万人前後まで落ち込んでいた。また、シーズン2については、「とにかく視聴者が食いついてこなかった。最も驚きだったのは、18歳から49歳までの視聴者の数がどうしようもなく悪かったこと」といったコメントが、同局の内部者から寄せられている。
2009年6月2日海外ドラマNAVI様より引用)
http://dramanavi-news.cocolog-nifty.com/news/2009/06/post-0b77.html
このシリーズ、派手さはないなりに面白かったけどな。1stシーズンのみ観てるけど、サラ視点で描く一人の母親ドラマとして完結させれば良かったのに。視聴率の問題ということになってるが、話が行き詰まってしまったのかな?(-_-#)
T1001型とか本家の真似をしようとしたのが失敗か、
低予算の意地で、独自のターミー色を出して欲しかったな。
区切りがついてないのは残念ですね、2ndリリースされたばかりなのに(T_T)
◎関連記事
→ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ Vol.4・VOL.5
→ターミネーター4/TERMINATOR SALVATION
2009年06月16日 (火) | 編集 |
ジョージ・A・ロメロ監督によるリビング・デッドシリーズ第3作「死霊のえじき」をもとに再構築したものらしいんですが、オリジナルは観てないので、違いはわかりません。

舞台は米コロラド州レッドヴィル。24時間にわたる「検疫隔離演習」の名目で、軍が田舎町を隔離する。そして住民が次々と謎のウイルスに感染。ゾンビと化して人を襲い始める。生き残った伍長・サラ(ミーナ・スヴァーリ)と仲間は、州外へ決死のサバイバルを試みる。ところが、たどり着いた基地は廃墟となっており、意外な真実が待っていた──。
町中にうようよするゾンビに追いつめられていく恐怖ではなく、ゾンビメイクした敵が出て来るサバイバルゲーム風ですね。ゾンビの動きは速いですよ。天井を這って進んできたり、病院の窓をガシャーン割って飛び降りたり、俊敏です。
主人公サラ伍長役ミーナ・スヴァーリが、まったく軍隊の伍長らしくなく強そうでもないのが、この作品のテイストを現してます。脈絡なく、おもしろおかしく話は進みます。
勝手に職務中に、実家へ寄って、母の具合が悪いことに気づき病院へ連れていきます。病院内の患者がゾンビ化し閉じ込められてからも、拳銃に弾丸はいれてないとか言うマイペースぶりです。
後半、おとぼけで危機感のない彼女が、なぜか急に目覚めたように非情になり、弟の目の前で母親を轢き殺したり、新兵バドが、ゾンビになっても、菜食主義者だったので人を襲わなかったりします。

「アメリカン・ビューティー」のミーナ・スヴァーリ。ゾンビくんのあこがれ。
デイ・オブ・ザ・デッド DAY OF THE DEAD 2008/アメリカ 85分
監督:スティーヴ・マイナー
ミーナ・スヴァーリ/ヴィング・レイムス/ニック・キャノン/マイケル・ウェルチ/スターク・サンズ/アナリン・マコード
★★★☆☆
デイ・オブ・ザ・デッド DTSスペシャル・エディション [DVD]

舞台は米コロラド州レッドヴィル。24時間にわたる「検疫隔離演習」の名目で、軍が田舎町を隔離する。そして住民が次々と謎のウイルスに感染。ゾンビと化して人を襲い始める。生き残った伍長・サラ(ミーナ・スヴァーリ)と仲間は、州外へ決死のサバイバルを試みる。ところが、たどり着いた基地は廃墟となっており、意外な真実が待っていた──。
町中にうようよするゾンビに追いつめられていく恐怖ではなく、ゾンビメイクした敵が出て来るサバイバルゲーム風ですね。ゾンビの動きは速いですよ。天井を這って進んできたり、病院の窓をガシャーン割って飛び降りたり、俊敏です。
主人公サラ伍長役ミーナ・スヴァーリが、まったく軍隊の伍長らしくなく強そうでもないのが、この作品のテイストを現してます。脈絡なく、おもしろおかしく話は進みます。
勝手に職務中に、実家へ寄って、母の具合が悪いことに気づき病院へ連れていきます。病院内の患者がゾンビ化し閉じ込められてからも、拳銃に弾丸はいれてないとか言うマイペースぶりです。
後半、おとぼけで危機感のない彼女が、なぜか急に目覚めたように非情になり、弟の目の前で母親を轢き殺したり、新兵バドが、ゾンビになっても、菜食主義者だったので人を襲わなかったりします。

「アメリカン・ビューティー」のミーナ・スヴァーリ。ゾンビくんのあこがれ。
デイ・オブ・ザ・デッド DAY OF THE DEAD 2008/アメリカ 85分
監督:スティーヴ・マイナー
ミーナ・スヴァーリ/ヴィング・レイムス/ニック・キャノン/マイケル・ウェルチ/スターク・サンズ/アナリン・マコード
★★★☆☆
デイ・オブ・ザ・デッド DTSスペシャル・エディション [DVD]
2009年06月14日 (日) | 編集 |
テレビ放送してたので、再び観てみました。やっぱり、面白いね、ターミネーター!
『T4』の予告編も、ダダンダダンダン♪シュワちゃん再び!みたいな雰囲気に変わってましたね。( ̄ロ ̄lll)
サラ・コナーと未来から来たカイル・リースとの間に出来た息子ジョンこそ、未来での機械との戦争で人類を導く指導者だった。機械たちは、ジョンの暗殺を目論み、再び1994年ロサンゼルスにターミネーターを送り込んでくる。

この作品は、やっぱり、リンダ・ハミルトンのサラ・コナーが、いいですね。シュワちゃん、T-1000型に負けてない、狂気を持ったサラが魅力的ですね。
ダイソンだけ未来のために犠牲になってしまって、なんか、かわいそう、と思うねんな。
ターミネーター2 TERMINATOR 2: JUDGMENT DAY
1991/米 137分 (6/13TV再放送で鑑賞)
監督:ジェームズ・キャメロン
アーノルド・シュワルツェネッガー(T-800型ターミネーター)/リンダ・ハミルトン(サラ・コナー)/エドワード・ファーロング(ジョン・コナー)/ロバート・パトリック(T-1000型)/アール・ボーエン(ドクター・シルバーマン)/ジョー・モートン(マイルズ・ベネット・ダイソン)
ターミネーター2 ダブル・エディション [DVD]
新しい未来に変わったが、審判の日は止められず『T4』になってるわけですね。
※あまり関係なさそうだけど、一応『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』では、2011年4月19日にスカイネット起動。その2日後、審判の日が訪れる、ということになっている。
『T4』の予告編も、ダダンダダンダン♪シュワちゃん再び!みたいな雰囲気に変わってましたね。( ̄ロ ̄lll)
サラ・コナーと未来から来たカイル・リースとの間に出来た息子ジョンこそ、未来での機械との戦争で人類を導く指導者だった。機械たちは、ジョンの暗殺を目論み、再び1994年ロサンゼルスにターミネーターを送り込んでくる。

この作品は、やっぱり、リンダ・ハミルトンのサラ・コナーが、いいですね。シュワちゃん、T-1000型に負けてない、狂気を持ったサラが魅力的ですね。
ダイソンだけ未来のために犠牲になってしまって、なんか、かわいそう、と思うねんな。
ターミネーター2 TERMINATOR 2: JUDGMENT DAY
1991/米 137分 (6/13TV再放送で鑑賞)
監督:ジェームズ・キャメロン
アーノルド・シュワルツェネッガー(T-800型ターミネーター)/リンダ・ハミルトン(サラ・コナー)/エドワード・ファーロング(ジョン・コナー)/ロバート・パトリック(T-1000型)/アール・ボーエン(ドクター・シルバーマン)/ジョー・モートン(マイルズ・ベネット・ダイソン)
ターミネーター2 ダブル・エディション [DVD]
新しい未来に変わったが、審判の日は止められず『T4』になってるわけですね。
※あまり関係なさそうだけど、一応『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』では、2011年4月19日にスカイネット起動。その2日後、審判の日が訪れる、ということになっている。
2009年06月12日 (金) | 編集 |
これは楽しみにしてたので、再放送録画で復習、気合い入れて観に行きました。
う~ん、ドラマ版に比べると、ちょっと、もの足りないかな。
ぷちハゲタカショック(^^)が起こった。期待値が、跳ね上がりすぎてたか・・・

あの日、走り去った赤い車・・・
実体のない幻の車を追い求めたのが、劉一華という男なのか。
貧しき日の彼が、本当に乗りたかった車とは、何だろう。
その車で、目指したのは、どこなんだろう。
彼は、誰だったんでしょうか。

残留孤児三世を名乗る赤いハゲタカ・劉一華。冷徹な彼の裏に見え隠れする、複雑な心情から、日本が描かれます。
貧しきところから這い上がってきた劉からしてみれば、日本は生ぬるく見えるだろうし、幼き日のあこがれが、このありさまでは苦々しく思うことになるだろう。劉の素性が、次第にわかってくるにつれ、彼の熱き思いと悲しさというものがわかってきます。這いつくばり金を拾う姿から彼の鬼気せまる生き方を感じさせます。
彼が、ひとりで、金のある悲劇から金のない悲劇まで、表すかのようで玉山鉄二=劉一華、良かったですね。
これに対抗するホワイトナイトが鷲津政彦。大森南朋が、めがねをかけ、鷲津に変身~っ(^O^)、ピシッと出て来るだけで、おー、出てきたと、うれしくなりますね。今回は、劉が熱い役なので、鷲津はクールな役。
敵対的TOB価格も、130円、140円、170円、なんじゃそりゃー(°□°;)と、どんどんつり上がるダイナミックな買収合戦。形勢不利と見える中、彼の冷静に描くシナリオの真意は、まったく別次元のところにありました。
劇場版は、冷ややかな目で成り行きを見守る鷲津でした。
鷲津の思うところと、劉の思うところは、ほぼ等しいところにあり、それを、音楽とセリフでパシッと決めてくれます。やっぱり、音楽が、かっこいいなー。ドラマを観ておられる方なら、それぞれの登場人物の心情は十分理解でき、ハゲタカワールドに浸れると思います。

ここから先は、ドラマファンゆえに厳しく書きますけど、リーマン破綻など、現実を追いかけることに目を向けてしまって、バタバタした、スッキリしないものになってしまったんじゃないでしょうか。スタンレーブラザーズの株価暴落がクライマックスかのような演出も、妙な気がしました。
こういうスケールの大きな話って、もともと、僕ら一般人の生活と、かけ離れがちになりますよね。リーマン破綻を実感し、身に沁みるのも、破綻後、かなり経ってからになるわけで、物語を観客にうまく近づけきれてないなと感じます。しかも、今回は、ドラマ版三島由香ように、経済世界を観客と密接させる役割のような人物がいないのも、痛いですね。
リアルでなくリアル感。
そこを十分練った人間ドラマで、不変の価値観を訴えていって欲しいと思います。
さらに、ハゲタカは続いて欲しい(^^)
ハゲタカ 2009/日本 134分
監督:大友啓史
大森南朋(鷲津政彦)/玉山鉄二(劉一華)/高良健吾(守山翔)/栗山千明(三島由香)/松田龍平(西野浩)/柴田恭兵(芝野健夫)/中尾彬(飯島亮介)/遠藤憲一(古谷隆史)
★★★☆☆
◎ハゲタカ オリジナル・サウンドトラック
◎映画ハゲタカ オリジナル・サウンドトラック
◎映画 ハゲタカ(2枚組) [DVD]
ハゲタカエンディングテーマ
Emiiy Bronte 「Riches I hold in light esteem」
エミリ・プロンテ 富は問題にならず
訳詩 平井正穂 岩波文庫「イギリス名詩選」平井正穂編より
Riches I hold in light esteem,
And Love I laugh to scorn
And lust of Fame was but a dream
That vanished with the morn
And if I pray,the only prayer That moves my lips for me
Is‘Leave the heart that now I bear,
And give me liberty.’
Yes,as my swift days near their goal,
Tis all that I implore
Through life and death,a chainless soul,
With courage to endure!
富なんてものは問題にもならない、
恋だって、考えただけで吹き出したくなる。
なるほど、名誉欲か?そういえば、昔夢見たこともあったが、
日が射すと忽ち消える朝露みたいなものだった。
もし私が祈るとすれば、自然に
口をついて出る祈りはたった一つの祈りだ。
「今の私の心をこのままそっとしておいてくれ、
そして、ただ自由を私に与えてくれ」という祈りだ。
嘘ではない。…光陰矢の如しで、どうやら私の終わりも近い、
そこで私が求めるものは、ただ、
何ものにも囚われない一人の人間として、勇気をもって、
生に堪え、死に堪えてゆく、ということだけだ!
う~ん、ドラマ版に比べると、ちょっと、もの足りないかな。
ぷちハゲタカショック(^^)が起こった。期待値が、跳ね上がりすぎてたか・・・

あの日、走り去った赤い車・・・
実体のない幻の車を追い求めたのが、劉一華という男なのか。
貧しき日の彼が、本当に乗りたかった車とは、何だろう。
その車で、目指したのは、どこなんだろう。
彼は、誰だったんでしょうか。

残留孤児三世を名乗る赤いハゲタカ・劉一華。冷徹な彼の裏に見え隠れする、複雑な心情から、日本が描かれます。
貧しきところから這い上がってきた劉からしてみれば、日本は生ぬるく見えるだろうし、幼き日のあこがれが、このありさまでは苦々しく思うことになるだろう。劉の素性が、次第にわかってくるにつれ、彼の熱き思いと悲しさというものがわかってきます。這いつくばり金を拾う姿から彼の鬼気せまる生き方を感じさせます。
彼が、ひとりで、金のある悲劇から金のない悲劇まで、表すかのようで玉山鉄二=劉一華、良かったですね。
これに対抗するホワイトナイトが鷲津政彦。大森南朋が、めがねをかけ、鷲津に変身~っ(^O^)、ピシッと出て来るだけで、おー、出てきたと、うれしくなりますね。今回は、劉が熱い役なので、鷲津はクールな役。
敵対的TOB価格も、130円、140円、170円、なんじゃそりゃー(°□°;)と、どんどんつり上がるダイナミックな買収合戦。形勢不利と見える中、彼の冷静に描くシナリオの真意は、まったく別次元のところにありました。
劇場版は、冷ややかな目で成り行きを見守る鷲津でした。
鷲津の思うところと、劉の思うところは、ほぼ等しいところにあり、それを、音楽とセリフでパシッと決めてくれます。やっぱり、音楽が、かっこいいなー。ドラマを観ておられる方なら、それぞれの登場人物の心情は十分理解でき、ハゲタカワールドに浸れると思います。

ここから先は、ドラマファンゆえに厳しく書きますけど、リーマン破綻など、現実を追いかけることに目を向けてしまって、バタバタした、スッキリしないものになってしまったんじゃないでしょうか。スタンレーブラザーズの株価暴落がクライマックスかのような演出も、妙な気がしました。
こういうスケールの大きな話って、もともと、僕ら一般人の生活と、かけ離れがちになりますよね。リーマン破綻を実感し、身に沁みるのも、破綻後、かなり経ってからになるわけで、物語を観客にうまく近づけきれてないなと感じます。しかも、今回は、ドラマ版三島由香ように、経済世界を観客と密接させる役割のような人物がいないのも、痛いですね。
リアルでなくリアル感。
そこを十分練った人間ドラマで、不変の価値観を訴えていって欲しいと思います。
さらに、ハゲタカは続いて欲しい(^^)
ハゲタカ 2009/日本 134分
監督:大友啓史
大森南朋(鷲津政彦)/玉山鉄二(劉一華)/高良健吾(守山翔)/栗山千明(三島由香)/松田龍平(西野浩)/柴田恭兵(芝野健夫)/中尾彬(飯島亮介)/遠藤憲一(古谷隆史)
★★★☆☆
◎ハゲタカ オリジナル・サウンドトラック
◎映画ハゲタカ オリジナル・サウンドトラック
◎映画 ハゲタカ(2枚組) [DVD]
ハゲタカエンディングテーマ
Emiiy Bronte 「Riches I hold in light esteem」
エミリ・プロンテ 富は問題にならず
訳詩 平井正穂 岩波文庫「イギリス名詩選」平井正穂編より
Riches I hold in light esteem,
And Love I laugh to scorn
And lust of Fame was but a dream
That vanished with the morn
And if I pray,the only prayer That moves my lips for me
Is‘Leave the heart that now I bear,
And give me liberty.’
Yes,as my swift days near their goal,
Tis all that I implore
Through life and death,a chainless soul,
With courage to endure!
富なんてものは問題にもならない、
恋だって、考えただけで吹き出したくなる。
なるほど、名誉欲か?そういえば、昔夢見たこともあったが、
日が射すと忽ち消える朝露みたいなものだった。
もし私が祈るとすれば、自然に
口をついて出る祈りはたった一つの祈りだ。
「今の私の心をこのままそっとしておいてくれ、
そして、ただ自由を私に与えてくれ」という祈りだ。
嘘ではない。…光陰矢の如しで、どうやら私の終わりも近い、
そこで私が求めるものは、ただ、
何ものにも囚われない一人の人間として、勇気をもって、
生に堪え、死に堪えてゆく、ということだけだ!
2009年06月07日 (日) | 編集 |
先行レイトショーで観てきました。
さすがに、ターミネーター人気ありますね。ほぼ満席でした。
今作品は、審判の日のあと、2018年の世界が舞台となる。

そこに、希望はあるのか、絶望という荒野が広がるだけなのか。
2003年、兄と警官二人を殺害した罪で死刑となったマーカス・ライトは、2018年の荒涼たる世界に、蘇ることになる。
なぜ?
自分はいったい何者なのか、何の目的で存在しているのか。
己を知った時のマーカスの絶望が悲しい。
呪われし者となったマーカスの魂は救われるのか、これは、審判の日を向かえることができなかった、過去から来た男の物語でもあろう。
う~ん、すごい世界に変わりました。素晴らしいです。
適当に作った『ターミネーター3』なんて、中途半端すぎ。こんなもんは、そくざにプチッと消去してしまおう。

過去と未来を知るジョン・コナーは、この終末世界の迷える人々を、希望へと導く予言者ともいえる存在かのようですね。マーカスと出会い、自分が知る未来と違いに戸惑っていきますが、母サラの教えに従い、自分の心に従っていきます。
もう機械と人間、どっちが勝つかのレベルではない、まず人間として行動できるか、心の戦いの先にこそ道が開けることを熱く示す。勝利しか考えない人間は吹っ飛んでいく。なんとなく、スカイネットというものが、人間としてのあり方を教えているかのようだ。
そして、未来と過去をつなぐ最も重要な人物が、カイル・リース。アントン・イェルチンが演じてますが、どうも、この人がサラと出会い、ジョンの父となる感じがしなかったなー。ものごごろついた時から、この世界しか知らない暗さは、欲しいんだけど、ジョンと雰囲気を変えないとややこしいからしかたないかな。カイルは、過去で憧れのサラと出会うが、住む世界が違いすぎて交わす言葉もないというのが、すごく切ないんだけどね。

この映画は、初めて見る未来の光景を描いており、これは見応えありますね。次々と戦闘場面の連続で、戦いしかないこの世界へ、叩き込んでいってくれます。T-600、T-700、T-800、バイク型モトターミネーター、へび型ハイドロボットなど目新しい機械、ターミネーターを生み出す工場の光景もすごいわ。
ファンの方へのオマージュ場面もたっぷり。あの方のCGや、これでもかと追いすがるT-800との死闘の場面も、きっちり描いてて楽しめました。
ターミネーター4 TERMINATOR SALVATION 2009年/米 114分
監督:マックG
脚本:ジョン・ブランカトー/マイケル・フェリス
クリスチャン・ベイル(ジョン・コナー)
サム・ワーシントン(マーカス・ライト)
アントン・イェルチン(カイル・リース)
ムーン・ブラッドグッド(ブレア・ウィリアムズ)
ブライス・ダラス・ハワード(ケイト・コナー)
ヘレナ・ボナム=カーター(セレナ・コーガン医師)
★★★★★ I'm John Connor。T3は消去せよ、というメッセージが、私のもとに。





◎ムービー・マスターピース T4 T-600 (1/6スケールフィギュア)
◎ムービー・マスターピース T4 T-700 (1/6スケールフィギュア)
◎T4 ベーシックシリーズ 3.75インチ ビークル/ハンターキラー
◎T4 ベーシックシリーズ 3.75インチ アクションフィギュア #07/T-600
◎T4 ベーシックシリーズ 3.75インチ アクションフィギュア #06/T-700
◎関連記事
→ターミネーター サルベーション ザ マシニマ シリーズ
→ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ Vol.1
さすがに、ターミネーター人気ありますね。ほぼ満席でした。
今作品は、審判の日のあと、2018年の世界が舞台となる。

そこに、希望はあるのか、絶望という荒野が広がるだけなのか。
2003年、兄と警官二人を殺害した罪で死刑となったマーカス・ライトは、2018年の荒涼たる世界に、蘇ることになる。
なぜ?
自分はいったい何者なのか、何の目的で存在しているのか。
己を知った時のマーカスの絶望が悲しい。
呪われし者となったマーカスの魂は救われるのか、これは、審判の日を向かえることができなかった、過去から来た男の物語でもあろう。
う~ん、すごい世界に変わりました。素晴らしいです。
適当に作った『ターミネーター3』なんて、中途半端すぎ。こんなもんは、そくざにプチッと消去してしまおう。

過去と未来を知るジョン・コナーは、この終末世界の迷える人々を、希望へと導く予言者ともいえる存在かのようですね。マーカスと出会い、自分が知る未来と違いに戸惑っていきますが、母サラの教えに従い、自分の心に従っていきます。
もう機械と人間、どっちが勝つかのレベルではない、まず人間として行動できるか、心の戦いの先にこそ道が開けることを熱く示す。勝利しか考えない人間は吹っ飛んでいく。なんとなく、スカイネットというものが、人間としてのあり方を教えているかのようだ。
そして、未来と過去をつなぐ最も重要な人物が、カイル・リース。アントン・イェルチンが演じてますが、どうも、この人がサラと出会い、ジョンの父となる感じがしなかったなー。ものごごろついた時から、この世界しか知らない暗さは、欲しいんだけど、ジョンと雰囲気を変えないとややこしいからしかたないかな。カイルは、過去で憧れのサラと出会うが、住む世界が違いすぎて交わす言葉もないというのが、すごく切ないんだけどね。

この映画は、初めて見る未来の光景を描いており、これは見応えありますね。次々と戦闘場面の連続で、戦いしかないこの世界へ、叩き込んでいってくれます。T-600、T-700、T-800、バイク型モトターミネーター、へび型ハイドロボットなど目新しい機械、ターミネーターを生み出す工場の光景もすごいわ。
ファンの方へのオマージュ場面もたっぷり。あの方のCGや、これでもかと追いすがるT-800との死闘の場面も、きっちり描いてて楽しめました。
ターミネーター4 TERMINATOR SALVATION 2009年/米 114分
監督:マックG
脚本:ジョン・ブランカトー/マイケル・フェリス
クリスチャン・ベイル(ジョン・コナー)
サム・ワーシントン(マーカス・ライト)
アントン・イェルチン(カイル・リース)
ムーン・ブラッドグッド(ブレア・ウィリアムズ)
ブライス・ダラス・ハワード(ケイト・コナー)
ヘレナ・ボナム=カーター(セレナ・コーガン医師)
★★★★★ I'm John Connor。T3は消去せよ、というメッセージが、私のもとに。





◎ムービー・マスターピース T4 T-600 (1/6スケールフィギュア)
◎ムービー・マスターピース T4 T-700 (1/6スケールフィギュア)
◎T4 ベーシックシリーズ 3.75インチ ビークル/ハンターキラー
◎T4 ベーシックシリーズ 3.75インチ アクションフィギュア #07/T-600
◎T4 ベーシックシリーズ 3.75インチ アクションフィギュア #06/T-700
◎関連記事
→ターミネーター サルベーション ザ マシニマ シリーズ
→ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ Vol.1
2009年06月05日 (金) | 編集 |
2008年サンダンス映画祭で話題をさらい、製作トム・クルーズ&監督デヴィッド・クローネンバーグによるリメイクも決定!スペイン・タイムスリップスリラー。

ある山荘にやってきたご夫婦。双眼鏡を眺めていたおじさんは、森の中に、裸の女性を見つけます。不信に思った彼は、森の中へ、足を踏み込んでいく。すると、そこに、倒れている全裸女性が。その時、謎の包帯男に、襲われます。
低予算のアイデア勝負もので、少しだらーとした雰囲気で始まりますが、ここで油断したらだめですよ。タイムスリップものなので、しっかり観ておきましょう。
はれー、こういうことだったの!という感じで、つながってきますから。

森の中に何か見えたぞ!

どうなってるんだ?

ただの通りすがりなのに。
おじさんが、ぼぉーとした雰囲気で、たいへんなことが起こりつつあるのに、
なんで、この人、緊迫感ないの、と、笑いながら楽しく観れます。
とぼけたようなシリアスなような微妙さが、味わい深くて、
えーっと思ってるうちに、事態がものすごく悪化していってしまいます。
低予算の味わいで成り立つ面白さだと思うので、ハリウッドリメイクでは、かなり改変していくでしょうね。クローネンバーグが、どうリメイクするのか、興味は、持てるけど、まったく違う雰囲気の作品には、なりそうです。
タイムクライムス LOS CRONOCRIMENES (英題 TIME CRIMES)
2007/スペイン/劇場未公開
監督・脚本:ナッチョ・ビガロンド
出演:カラ・エレハルデ(エクトル)/カンデラ・フェルナンデス(妻クララ)/バルバラ・ゴエナガ(森の中の女性)
★★★★☆ 包帯男の正体とは?
タイム・クライムス [DVD]

ある山荘にやってきたご夫婦。双眼鏡を眺めていたおじさんは、森の中に、裸の女性を見つけます。不信に思った彼は、森の中へ、足を踏み込んでいく。すると、そこに、倒れている全裸女性が。その時、謎の包帯男に、襲われます。
低予算のアイデア勝負もので、少しだらーとした雰囲気で始まりますが、ここで油断したらだめですよ。タイムスリップものなので、しっかり観ておきましょう。
はれー、こういうことだったの!という感じで、つながってきますから。

森の中に何か見えたぞ!

どうなってるんだ?

ただの通りすがりなのに。
おじさんが、ぼぉーとした雰囲気で、たいへんなことが起こりつつあるのに、
なんで、この人、緊迫感ないの、と、笑いながら楽しく観れます。
とぼけたようなシリアスなような微妙さが、味わい深くて、
えーっと思ってるうちに、事態がものすごく悪化していってしまいます。
低予算の味わいで成り立つ面白さだと思うので、ハリウッドリメイクでは、かなり改変していくでしょうね。クローネンバーグが、どうリメイクするのか、興味は、持てるけど、まったく違う雰囲気の作品には、なりそうです。
タイムクライムス LOS CRONOCRIMENES (英題 TIME CRIMES)
2007/スペイン/劇場未公開
監督・脚本:ナッチョ・ビガロンド
出演:カラ・エレハルデ(エクトル)/カンデラ・フェルナンデス(妻クララ)/バルバラ・ゴエナガ(森の中の女性)
★★★★☆ 包帯男の正体とは?
タイム・クライムス [DVD]
2009年06月03日 (水) | 編集 |
鏡の中の世界は、もう一人の見知らぬ<自分>を映し出す…
人のぬくもりを感じさない部屋に、一人ではいっていくと、
急に物音がして、ドキッー。( ̄□ ̄;)!! はぁ~、びっくりした。
なんか、恐かったわー。すごく不安な気持ちにさせるサイコスリラー。

父の家で、家族や恋人とともに父の誕生日を祝っていたロンドンのX線技師ジーナ(レナ・ヘディ)。すると、大鏡が突然激しく割れ落ち、その場にいたジーナら5人は「鏡が割れると7年間不幸が続く」という迷信を笑いながら口にする事態となる。翌日、ジーナは自分と同じ車を運転する自分の姿を見かけ、その後をつけるが……。
監督は、ファッション・フォトグラファーとして活躍するショーン・エリス。主演は「300」「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のレナ・ヘディです。どんな映像なんだろう?という興味で観てみました。
地下鉄の改札口、エスカレターの手すり等、すごい機械的で冷たい写真の連続のような場面から始まっていく。風景をアップで切り撮っていくフォトグラファーらしい映像ですねー。
部屋の中も、無機質なものが測ったように、そこに置かれているので、不自然な居心地の悪さを感じられる。人間の暖かさを拒絶したようなイメージを受けます。
映像が、わざとらしすぎて気持ち悪いと思いながら観てると、不可解な展開になってきて、いやおうなく画面に釘付けになってしまいます。静かな画面に集中し出すと、音で、ドキッと驚かせてくるので、めっちゃ恐い。油断できないぞ。
じーっと人物の後ろ姿を撮ってるところは、すごい不気味です。レナ・へディのお風呂場のシーンは、かなり不安をかきたてられる恐い撮り方してあります。
彼女の落ち着いた美しさが、この映画によく合ってました。
ブロークン THE BROKEN THE BRφKEN 2008/英・仏 88分
監督/脚本:ショーン・エリス
出演:レナ・ヘディ(ジーナ)/リチャード・ジェンキンス(ジーナの父)/ミシェル・ダンカン(ケイト)/メルヴィル・プポー(ステファン)/アシエル・ニューマン(ダニエル)
★★★☆☆
ブロークン [DVD]
(↓以下は、ネタばれですので、未見の方は、DVDを観た後、ご覧ください)
繰り返し観れるのが、DVD鑑賞のいいところです。
この作品は、絵解きパズルも楽しめるので、2度目はその点を楽しんで観ました。

・公衆電話や、ダイヤル式電話、針のエレベータ表示など、これは、過去の映像が混じっている意味かな。時間の違う映像で、ランダムに構成されている。
・最初のパーティシーンは過去だと思う。父は、停年後、大使館関係の仕事に移ると言っており、その後、米国旗がはためくビルで仕事をしている。

・右から左に鏡を拭く彼女、鏡の向こう側に、左から右に拭く彼女が居る。ぼぉーとした存在のもうひとりの彼女が、はっきり現れてきたイメージ映像ですね。

・何度も挿入される緑と赤の車の衝突シーンは、自分自身とぶつかったイメージ。これとは別に、赤の車のみで、エアバッグが開くシーンがある。事故の映像は、二種類あることがわかる。
・彼女と父が写ってる写真は、彼女が殺害された時に吹っ飛んでるので、その時に破損したのかな?この写真も記憶の混乱を表す重要アイテムでしたね。
・最後、彼女が見つめてるレントゲンは、彼女自身のもの。自分を確認してるんだけど、振り返った時の彼女の表情が悲しい。
ジーナは、もうひとりの自分に、すでに殺されていたわけですね。鏡の中の彼女が、事故を起こし、元の彼女が持つ記憶や夢を見てしまう物語でありましょう。
一応、絵解きをしてみましたけど、正解はないと思います。
フォトグラファー自身の撮るものも虚構であり現実でもありますからね。
でも、鏡に映る自分自身を壊すところを、想像すると恐いですね。
鏡に映るいやな自分を見るのも恐い。鏡が現実だと考えると自分が虚構なのか。わけがわからなくなる。SFとかホラーで割り切れない恐さがある。

お前は勝ったのだ 私は降参する
だがこれより先は お前も死んだ
この世に対し天国に対し 希望に対し死んだのだ
私の中にお前は生きていた
私の死でお前がいかに 自分を殺したかを見ろ
お前自身のものである この姿で見るがいい
エドガー・アラン・ポー『ウィリアム・ウィルソン』より
人のぬくもりを感じさない部屋に、一人ではいっていくと、
急に物音がして、ドキッー。( ̄□ ̄;)!! はぁ~、びっくりした。
なんか、恐かったわー。すごく不安な気持ちにさせるサイコスリラー。

父の家で、家族や恋人とともに父の誕生日を祝っていたロンドンのX線技師ジーナ(レナ・ヘディ)。すると、大鏡が突然激しく割れ落ち、その場にいたジーナら5人は「鏡が割れると7年間不幸が続く」という迷信を笑いながら口にする事態となる。翌日、ジーナは自分と同じ車を運転する自分の姿を見かけ、その後をつけるが……。
監督は、ファッション・フォトグラファーとして活躍するショーン・エリス。主演は「300」「ターミネーター・サラ・コナー・クロニクルズ」のレナ・ヘディです。どんな映像なんだろう?という興味で観てみました。
地下鉄の改札口、エスカレターの手すり等、すごい機械的で冷たい写真の連続のような場面から始まっていく。風景をアップで切り撮っていくフォトグラファーらしい映像ですねー。
部屋の中も、無機質なものが測ったように、そこに置かれているので、不自然な居心地の悪さを感じられる。人間の暖かさを拒絶したようなイメージを受けます。
映像が、わざとらしすぎて気持ち悪いと思いながら観てると、不可解な展開になってきて、いやおうなく画面に釘付けになってしまいます。静かな画面に集中し出すと、音で、ドキッと驚かせてくるので、めっちゃ恐い。油断できないぞ。
じーっと人物の後ろ姿を撮ってるところは、すごい不気味です。レナ・へディのお風呂場のシーンは、かなり不安をかきたてられる恐い撮り方してあります。
彼女の落ち着いた美しさが、この映画によく合ってました。
ブロークン THE BROKEN THE BRφKEN 2008/英・仏 88分
監督/脚本:ショーン・エリス
出演:レナ・ヘディ(ジーナ)/リチャード・ジェンキンス(ジーナの父)/ミシェル・ダンカン(ケイト)/メルヴィル・プポー(ステファン)/アシエル・ニューマン(ダニエル)
★★★☆☆
ブロークン [DVD]
(↓以下は、ネタばれですので、未見の方は、DVDを観た後、ご覧ください)
繰り返し観れるのが、DVD鑑賞のいいところです。
この作品は、絵解きパズルも楽しめるので、2度目はその点を楽しんで観ました。

・公衆電話や、ダイヤル式電話、針のエレベータ表示など、これは、過去の映像が混じっている意味かな。時間の違う映像で、ランダムに構成されている。
・最初のパーティシーンは過去だと思う。父は、停年後、大使館関係の仕事に移ると言っており、その後、米国旗がはためくビルで仕事をしている。

・右から左に鏡を拭く彼女、鏡の向こう側に、左から右に拭く彼女が居る。ぼぉーとした存在のもうひとりの彼女が、はっきり現れてきたイメージ映像ですね。

・何度も挿入される緑と赤の車の衝突シーンは、自分自身とぶつかったイメージ。これとは別に、赤の車のみで、エアバッグが開くシーンがある。事故の映像は、二種類あることがわかる。
・彼女と父が写ってる写真は、彼女が殺害された時に吹っ飛んでるので、その時に破損したのかな?この写真も記憶の混乱を表す重要アイテムでしたね。
・最後、彼女が見つめてるレントゲンは、彼女自身のもの。自分を確認してるんだけど、振り返った時の彼女の表情が悲しい。
ジーナは、もうひとりの自分に、すでに殺されていたわけですね。鏡の中の彼女が、事故を起こし、元の彼女が持つ記憶や夢を見てしまう物語でありましょう。
一応、絵解きをしてみましたけど、正解はないと思います。
フォトグラファー自身の撮るものも虚構であり現実でもありますからね。
でも、鏡に映る自分自身を壊すところを、想像すると恐いですね。
鏡に映るいやな自分を見るのも恐い。鏡が現実だと考えると自分が虚構なのか。わけがわからなくなる。SFとかホラーで割り切れない恐さがある。

お前は勝ったのだ 私は降参する
だがこれより先は お前も死んだ
この世に対し天国に対し 希望に対し死んだのだ
私の中にお前は生きていた
私の死でお前がいかに 自分を殺したかを見ろ
お前自身のものである この姿で見るがいい
エドガー・アラン・ポー『ウィリアム・ウィルソン』より
2009年06月01日 (月) | 編集 |
俳優さん一新、新しい幕開けのリ・イマジネーション作品。
ビギニング風だけど、カークやスポック、戦い方、スタートレックの持つイメージをすごく大事にした新シリーズですね。誰もが楽しめる作品になってました。(^O^)!


私は、スタートレックの熱烈なファンではないけど、テレビ版を少しと、劇場版は観てるので、なんとなくスタートレックはわかります。
パンフには、監督J・J・エイブラムスは、スタートレックのファンではなかった、と書いてあって、その点では、私もそれに近いイメージかな。面白い部分もあるし、うっおしい部分もあるのが、スタートレックだ。

まず、私がイメージするカーク船長といえば、わがままな人。
たいへん独断的で、はったりと脅かしだけで窮地をしのぐとんでもない奴で、船をまかせられるようなタイプではないのだ。この船が問題なく動いてるのは、副長スポックの論理的なヴァルカン人思考が加わってるからなんですよね。
肩書きに関係なく、それぞれが自分の持ち味を活かせる場、これがエンタープライズ号で、イメージとしては、良き従業員が集まったベンチャー企業、そこの変な社長さんがカークだろなぁ。
カークの性格を端的に表すのに、コバヤシマルの試験を持ってきてるのは、さすがと思い、うれしくなった。
コバヤシマルシナリオは『スタートレック2/カーンの逆襲』に出て来ていて、士官候補生の中で、この試験をクリアできた者は、歴代カーク一人だけなのです。
カークがなぜ、この難問を解けたか。
単純そのもので、彼は、試験の問題そのものを書き変え、自分の解答を正解としたからなんですね。そんなん、ずるい!とみんなは言うでしょう。
しかし、これこそカークなのです。無茶なごり押しの性格が、いやがられるけど、彼の発想に何かを期待してしまう不思議な存在なのです。
なんだか、カークのことを長く書いてしまった (°□°;)
スポックをフィーチャーしてる今作は、
これぞスタートレックよ、いう感じで、気に入りましたよ。
理知的なヴァルカン人から見ると、地球人って、がさつで感情的な種族として扱われてるんでしょうね。そんな中、サレクとアマンダの間に生まれた子が、スポックで、幼き日より、地球人の血を持つスポックはいじめにあってきたんですね。その境遇ゆえ、よりヴァルカン人としての振る舞いを強く意識して育ってきたのでしょう。ヴァルカン人は、感情を顔に出す事を美徳としないので、いっそう彼の奥にある葛藤が観ててつらいのよね。そんな彼が、カークといういやな地球人と出会います。どう見ても、スポックの方が船長として適任なのです。でも、論理的思考で縛られる自分とは違う何かを、カークの中に感じるわけなんです。彼は、いさぎよくカークを認め、地球人の感情を理解しようと努め、やがて、かけがえのない友になっていくんですよね。
それは、父が地球人である母をなぜ愛し、なぜ自分が生まれたのかを知っていくということにイコールしていくと思うんだけど、これは、今後のストーリー展開によりますね。ウフーラの存在も、大きなウエイトを占めていきそう。愛という感情で揺れるスポックも描かれていくのかな?
型にはまらない男カークの無茶で、さらにスポックが活きる新シリーズ、このぶつかり合いは面白そう。
他、マッコイ、スールー、チェコフ、そしてスコットと主要キャラのイメージが、かなり強く描かれてて、かなり楽しいものになってました。

レナード・ニモイが登場するのは、ほんと、サプライズでした。レナード・ニモイが、若き自分自身に、艦隊に留まり、エンタープライズ号の乗船を進言する場面は良かったです。スポックは、レナード・ニモイの役者人生においても、大きな意味を持つ役だったでしょうから、若き自分に語るイメージがダブり、なんか感激しましたね。
あと、音楽が変わってしまってるのが、すごく気になってたんだけど、
最後に、
宇宙……。それは人類に残された最後のフロンティア~
というナレーションとともに、♪初期のテーマ曲が流れた。ツボを押さえてくれてはるわ。すごく、ほっとしたというか、うれし~い気持ちで観終われた。
新シリーズは、パラレルワールド、たいへんよく似た歴史を持つ別の世界でのお話のようですね。この発想の作り方はいいね。これで、従来のイメージを払拭し、まったく新しい物語を展開できます。違う未来へ向けての発進!
新しい冒険の始まりは、ワクワクします。ワープ1で前進だ!(´▽`)

スター・トレック STAR TREK 2009/アメリカ 126分
監督:J・J・エイブラムス
脚本:ロベルト・オーチー/アレックス・カーツマン
クリス・パイン……ジェームズ・T・カーク
ザカリー・クイント……スポック
カール・アーバン……レナード・マッコイ
ゾーイ・サルダナ……ウフーラ
ジョン・チョー……スールー
アントン・イェルチン……チェコフ
サイモン・ペッグ……スコッティ
エリック・バナ……ネロ
ベン・クロス……サレク
ウィノナ・ライダー……アマンダ・グレイソン
ブルース・グリーンウッド……クリストファー・パイク
★★★☆☆
オリジナル版オープニング Star Trek Original Series Intro (HQ)
ビギニング風だけど、カークやスポック、戦い方、スタートレックの持つイメージをすごく大事にした新シリーズですね。誰もが楽しめる作品になってました。(^O^)!


私は、スタートレックの熱烈なファンではないけど、テレビ版を少しと、劇場版は観てるので、なんとなくスタートレックはわかります。
パンフには、監督J・J・エイブラムスは、スタートレックのファンではなかった、と書いてあって、その点では、私もそれに近いイメージかな。面白い部分もあるし、うっおしい部分もあるのが、スタートレックだ。

まず、私がイメージするカーク船長といえば、わがままな人。
たいへん独断的で、はったりと脅かしだけで窮地をしのぐとんでもない奴で、船をまかせられるようなタイプではないのだ。この船が問題なく動いてるのは、副長スポックの論理的なヴァルカン人思考が加わってるからなんですよね。
肩書きに関係なく、それぞれが自分の持ち味を活かせる場、これがエンタープライズ号で、イメージとしては、良き従業員が集まったベンチャー企業、そこの変な社長さんがカークだろなぁ。
カークの性格を端的に表すのに、コバヤシマルの試験を持ってきてるのは、さすがと思い、うれしくなった。
コバヤシマルシナリオは『スタートレック2/カーンの逆襲』に出て来ていて、士官候補生の中で、この試験をクリアできた者は、歴代カーク一人だけなのです。
カークがなぜ、この難問を解けたか。
単純そのもので、彼は、試験の問題そのものを書き変え、自分の解答を正解としたからなんですね。そんなん、ずるい!とみんなは言うでしょう。
しかし、これこそカークなのです。無茶なごり押しの性格が、いやがられるけど、彼の発想に何かを期待してしまう不思議な存在なのです。
なんだか、カークのことを長く書いてしまった (°□°;)
スポックをフィーチャーしてる今作は、
これぞスタートレックよ、いう感じで、気に入りましたよ。
理知的なヴァルカン人から見ると、地球人って、がさつで感情的な種族として扱われてるんでしょうね。そんな中、サレクとアマンダの間に生まれた子が、スポックで、幼き日より、地球人の血を持つスポックはいじめにあってきたんですね。その境遇ゆえ、よりヴァルカン人としての振る舞いを強く意識して育ってきたのでしょう。ヴァルカン人は、感情を顔に出す事を美徳としないので、いっそう彼の奥にある葛藤が観ててつらいのよね。そんな彼が、カークといういやな地球人と出会います。どう見ても、スポックの方が船長として適任なのです。でも、論理的思考で縛られる自分とは違う何かを、カークの中に感じるわけなんです。彼は、いさぎよくカークを認め、地球人の感情を理解しようと努め、やがて、かけがえのない友になっていくんですよね。
それは、父が地球人である母をなぜ愛し、なぜ自分が生まれたのかを知っていくということにイコールしていくと思うんだけど、これは、今後のストーリー展開によりますね。ウフーラの存在も、大きなウエイトを占めていきそう。愛という感情で揺れるスポックも描かれていくのかな?
型にはまらない男カークの無茶で、さらにスポックが活きる新シリーズ、このぶつかり合いは面白そう。
他、マッコイ、スールー、チェコフ、そしてスコットと主要キャラのイメージが、かなり強く描かれてて、かなり楽しいものになってました。

レナード・ニモイが登場するのは、ほんと、サプライズでした。レナード・ニモイが、若き自分自身に、艦隊に留まり、エンタープライズ号の乗船を進言する場面は良かったです。スポックは、レナード・ニモイの役者人生においても、大きな意味を持つ役だったでしょうから、若き自分に語るイメージがダブり、なんか感激しましたね。
あと、音楽が変わってしまってるのが、すごく気になってたんだけど、
最後に、
宇宙……。それは人類に残された最後のフロンティア~
というナレーションとともに、♪初期のテーマ曲が流れた。ツボを押さえてくれてはるわ。すごく、ほっとしたというか、うれし~い気持ちで観終われた。
新シリーズは、パラレルワールド、たいへんよく似た歴史を持つ別の世界でのお話のようですね。この発想の作り方はいいね。これで、従来のイメージを払拭し、まったく新しい物語を展開できます。違う未来へ向けての発進!
新しい冒険の始まりは、ワクワクします。ワープ1で前進だ!(´▽`)

スター・トレック STAR TREK 2009/アメリカ 126分
監督:J・J・エイブラムス
脚本:ロベルト・オーチー/アレックス・カーツマン
クリス・パイン……ジェームズ・T・カーク
ザカリー・クイント……スポック
カール・アーバン……レナード・マッコイ
ゾーイ・サルダナ……ウフーラ
ジョン・チョー……スールー
アントン・イェルチン……チェコフ
サイモン・ペッグ……スコッティ
エリック・バナ……ネロ
ベン・クロス……サレク
ウィノナ・ライダー……アマンダ・グレイソン
ブルース・グリーンウッド……クリストファー・パイク
★★★☆☆
オリジナル版オープニング Star Trek Original Series Intro (HQ)
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