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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
ハイテンション
2009年08月29日 (土) | 編集 |
逃げまどえ!


フレンチなホラー『ハイテンション』。
好きな作品ですけど、ヤフーなんかでは、たいへん評価が低いです。
これは、オチがついてる作品なので、そこを、つっこまれてしまうせいですね。
オチはおまけで、いいと思うんだけどなぁ、
それより主人公が逃げ回りながら追跡するスリルを楽しもう。

あらすじ:女子大生のマリーは親友のアレックスとともに、彼女の実家へと向かう。2人は都会の喧騒を逃れ、静かな田舎で試験勉強に励む予定だった。夜遅く、2人はアレックスの実家に到着する。だがその直後、謎の殺人鬼が現われ、手にした刃物でアレックスの両親と弟を次々と惨殺する。物陰に隠れ、必死で息を潜めるマリー。ところが、今度はアレックスが殺人鬼に捕まり、トラックで連れ去られようとしていた…。

ハイテンション1

冒頭のマリーとアレックスのドライブシーンからして、
他のホラーと一線を引くような、独特の雰囲気を醸し出す。
殺人鬼が現れてからも、ベッドをきれいに直し始めて、
何をしてるのかな?と思ってると、ベッドの下に潜り込む。
なるほど、彼女は、客人なので、痕跡を消し、透明人間になろうとしてたんだ。
じぃーと息をひそめる。見つかったら殺される、お願い、早く部屋から出ていって。

基本的には、登場人物が少なく、ほぼ主役マリー=セシル・ドゥ・フランスのひとり芝居。
彼女が、突然の状況に追い込まれ、あたふたする姿を観せる映画だ。
家の中の人は、無惨に惨殺され、お友達のアレックスが、殺人鬼の車で連れ去られてしまう。

ハイテンション2
ハイテンション3

待ってて、アレックス、今、助けるから!
恐いながらも、彼女は、追跡を諦めない。
いつしか、逆に追われ始め、スリリングなカーチェイスが始まる。
意を決した彼女は、最後の反撃に出るのだった。

監督はフランスの新鋭アレクサンドル・アジャ。
フランスのホラーは、陽気な部分はない。主人公は、かなり必死ですね、
この必死さが、たいへんいい映画で、ホラー&アクションとして面白い。

ハイテンション 2003年/フランス 91分
HAUTE TENSION/HIGH TENSION/SWITCHBLADE ROMANCE
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:セシル・ドゥ・フランス(マリー)/マイウェン(アレックス)/フィリップ・ナオン(殺人鬼)
★★★★☆
ハイテンション アンレイテッド・エディション [DVD]
ハイテンションPoster
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ダークネス
2009年08月27日 (木) | 編集 |
家族に迫る闇を描く。
これは『REC/レック』の監督さん、ジャウマ・バラゲロ作品ということで観てみました。スパニッシュホラーは、独特の恐さがあっていいですね。

ダークネスPOSTER

私、父が恐いの。と、娘レジーナは言う。
父マークは、神経症を患っていて、
これは、40年前の7人の子供の失踪事件に原因がある。
一人だけ、脱出し、助かった少年が父なのだ。

父の病気は、スペインに引っ越してから再発し始め、発作が起きると感情を押さえきれず、何をするかわからない。弟ポールも、ふさぎがちで、奇妙なことに、知らぬ間に体に傷が出来たりしている。おかしいと思って、母に相談するが、母は冷たく気にしすぎだと言うばかりだ。
この家に原因があると考えたレジーナは、
恋人と共に、この家の秘密を探り始める。

40年ぶりの日食の日が近づく、これも、何か関係があるのだろうか。

ダークネス01

何度も過去の事件のフラッシュバック映像が差し込まれたり、
家の電気が突然、消え停電になる、など、
ジャウマ・バラゲロ監督は、カットをすばやく切り替え、画面編集的に、
恐怖をあおっていくスタイルですね。

静かに忍び寄る深い闇の恐怖でなく、動き迫ってくる黒い闇の恐怖を描いています。
お父さんの病気が爆発し、この家に、たいへんなことが起きるかもしれないという不安要素が、この物語を加速させていきます。

ダークネス03

最初、アメリカに帰りたがっていた主人公レジーナが、怪現象とともに、家族に対する愛情を自覚していくのがポイントとなる話なんですけど、それが、監督さんのスタイルでは表現しにくいですね。ストーリーはうまく考えられていてホラーとしては楽しめますけど、まとまりきらない感じがしました。

ダークネス DARKNESS 2002年/スペイン/アメリカ 99分
監督:ジャウマ・バラゲロ
主演:アンナ・パキン/レナ・オリン/イアン・グレン/ジャンカルロ・ジャンニーニ
★★★☆☆
ダークネス [DVD]

ジャウマ・バラゲロ監督作品を調べてみた。
◎REC/レック (2007)監督/脚本
◎機械じかけの小児病棟 (2005)監督/脚本
◎ダークネス (2002)監督/脚本
◎ネイムレス 無名恐怖 (1999)監督/脚本


ダークネス02

チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道
2009年08月25日 (火) | 編集 |
これは真実のストーリー。(T_T)
命を懸けて子供たちを救った青年ジョージ・ホッグの、知られざる実話である。

チルドレン・オブ・ホァンシーポスター

1930年代の終わり、拡大する日中戦争の戦火が南京から黄石に迫りつつあることを知り、中国人孤児60名を連れてシルクロードを横断する逃避行をしたイギリス人ジャーナリストがいた。日本軍の銃弾を避けながら荒涼とした大地を渡り、極寒の雪山を越え、広大な砂漠で砂嵐に見舞われ、遂には山丹の寺院へと辿り着く。700マイルもの距離のほとんどを徒歩で進んだこの軌跡の旅は、のちに“小さな長征 ”(※「長征」とは、1934年から1936年に共産党が行った大移動)と呼ばれた…。


チルドレン・オブ・ホァンシー01

取材のため南京入りしたイギリス人ジャーナリスト・ジョージ・ホッグは、そこで日本軍が中国人を銃殺する光景を目撃してしまう。兵士に見つかり、殺される寸前のホッグは、中国人のゲリラ集団リーダー、チェンという男に助けられる。負傷したホッグが全治するまでに中国語を学べるようにと、黄石ある施設に赴く事を薦めるのだが、

ホッグを待ち受けていたのは、なんと何十人もの子供たち。
みんな孤児だった。

そこで、教えるとか学ぶとかでなく、一緒に生きるための生活を始めるんですね。
彼等との、ここでの生活が、長い時間、映し出されていきます。

しかし、平穏な暮らしも長く続きません。次第に、戦火が迫る。
彼は、安全な山丹まで、みんなと一緒に行こうと考えます。
その距離、1,000km以上。
荷物を手押し車とラバに乗せ、荒れた道を行くわけですから、
たいへんな道のりだったことと思います。
地図で見ただけでも、たいへんな距離です。

チルドレン・オブ・ホァンシー02

ただ、全体として、平坦で、あっさり目に感じてしまいますね。
イギリス人・ホッグさんは、この国とは、まったく関係ない人物で、そんな彼の心中の変化を、もう少し描いて欲しかったのと、チョウ・ユンファ扮するゲリラのリーダー、ミシェル・ヨー扮する商人などの人物も、どういった方なのか、少しわかりにくかったのは残念ですね。
事実なので、もう少しうまく作られてたらなぁ、とも感じました。

でも、これは、実在した人物の話で、
その当時、子供であった方が出てきて、ジョージ・ホッグ先生のことを語るシーンがあります。
幼かった当時は、状況もわからず、ただひたすら歩いただけなのかもわかりません。でも、今、ご高齢になり自分の生涯を振り返ってみて、ホッグさんの偉大さがわかるんだと思います。
実在の人物のコメントが、はいるのは、たいへん感動でした。

チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道
THE CHILDREN OF HUANG SHI
CHILDREN OF THE SILK ROAD
ESCAPE FROM HUANG SHI
2008/モンゴル/中国/ドイツ 125分 劇場未公開
監督:ロジャー・スポティスウッド
脚本:ジェームズ・マクマナス/ジェーン・ホークスリー
出演:ジョナサン・リス・マイヤーズ/ラダ・ミッチェル/チョウ・ユンファ/ミシェル・ヨー
★★★☆☆ あっさり目だとか書いてますが、この作品は、(T_T) 泣けますよ。
チルドレン・オブ・ホァンシー 遥かなる希望の道 [DVD]
チルドレン・オブ・ホァンシー04

予告編をどうぞ


-less [レス]
2009年08月21日 (金) | 編集 |
GEOさんの旧作100円レンタル、10/31まで延長されたようです。(^▽^)/
TSUTAYAさんの100選100円レンタルも悪くないけど、GEOさんの方が魅力的。
GOE100円キャンペーン



深い森の中、道端に赤ん坊を抱えた白いドレスの女が・・・

-less [レス]poster

デイヴィッド・リンチから影響を受け、この作品を撮った、と自ら語る新進気鋭の若手監督コンビ、ジャン =バティスト・アンドレアとファブリス・カネパが仕掛ける究極のデッドエンド・スリラー。デビュー作ながら世界各国の映画祭で高く評価された。

クリスマス・イブの夜。
毎年恒例の親戚の家でのクリスマスパーティーに、ハリントン一家は車を走らせていた。
ただ、今年に限って、近道をしようと、お父さんは、森の中の道を抜けようとする。
行けども行けども果てしなく道が続くばかり。
やがて、道端に赤ん坊を抱えた白いドレスの女が立っているのを見つける。

人も通らないような夜道に、謎の女が立ってるだけで恐ろしいですね。(°□°;)
不審に思ったが、見過ごすわけにも行かず、車に乗せて、
電話のありそうな小屋まで戻ることにする。

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そして、第一の犠牲者が!
娘の恋人が、怪しげな黒い車に連れ去られ、死体となって発見される。
娘はパニック、弟、両親は、車に乗り、森を抜けようとするが、
走っても、走っても、車は、悪夢のような森から抜け出すことはできない。

-less [レス]01

家族は、恐怖と焦りにかられ、だんだんおかしくなり出し、
心の中に抱えているものを、口走りったり、おかしな行動をとり始めたりする。
笑えるような笑えないようなもので、そのあたりは、あまり面白くなかったなぁ。
隠してた秘密告白大会みたいなものだった。

長女が精神分析医の実習生で、彼女が見る悪夢であったのかなという作品でした。

-less [レス] DEAD END 2003年 アメリカ/フランス 85分
監督・脚本:ジャン=バティスト・アンドレア&ファブリス・カネパ
レイ・ワイズ(フランク・ハリントン)/アレクサンドラ・ホールデン(長女マリオン)/リン・シェイ(妻ローラ)/ミック・ケイン(次男ハリントン)/ビリー・アッシャー(マリオンの恋人ブラッド・ミラー)/アンバー・スミス(白いドレスの女)
★★★☆☆
-less[レス] [DVD]
-less [レス]02

プライマー
2009年08月19日 (水) | 編集 |
あれっ、タイムマシンが出来ちゃった。
80センチ×50センチ×50センチの“箱”。
それは、ふたりのエンジニアが偶然つくりだしたタイムマシンだった。

primer_poster

解説:エンジニア出身の新人シェーン・カルースが監督・脚本・主演を務め、低予算ながら2004年度のサンダンス映画祭でカルト的人気を集め審査員大賞を受賞したSFサスペンス。タイムマシンを発明した2人の若者が、時空のパラドックスが引き起こす予期せぬトラブルに巻き込まれていくさまを、パズルのように複雑な筋立てと構成で描き出す。

アーロンとエイブは、ガレージで超伝導を利用した重力軽減装置の箱を研究していたのだが、偶然、時間の進み方が違う箱が出来てしまいます。
タイムマシンが目の前に現れたら、誰も、その好奇心をおさえることはできません。
皆、考えることは同じみたいで、お金を儲けてやろうと考えます。
今まで、ケチって、ケチって、地味~に研究開発してきたのだから。

彼らは、上昇する株を買いつけるため、過去に戻ります。
過去に戻ると問題点があって、そこには過去の自分自身というものが存在していて、
この作品中では、もうひとりの自分をダブルと呼びます。
そんなダブルは、自分自身と同じ人間なわけで、考えることは同じです。いつしか、ダブルも、密かにタイムトリップをしているのではないかと疑わしくなってきます。より過去に戻ってダブルを出し抜いてやろうとしますが、ダブルもその一枚上をいこうとすると考えます。

primer_02

結局、ダブルが増えてるのか、今、画面に映ってるのはオリジナルなのかダブルなのか、わけがわからなくなってきます。お互い、相手に対して疑いを持ち始め、片方は何度も時間を行き来してるようで、体にも変調が出てきたりしています。
時系列も違うし、説明もなく、お互いの動きがまったくわからないので、
正直、私には、よくわからなかった。
パズル的なので、ちょっと、めんどくさいも感じもしますね (^_^;)

まぁ、画面の整合性に着目すると、むずかしい映画に感じられますけど、
この二人の行動は、単純ですよ。
金儲けしたい、気に入らない奴をぶんなぐりたい、相手を始末したら何とかなるかも、
とか考えてるだけ。
不安と困惑、お互いに信用できなくなる破綻を、複雑な構成で表現していると観ればいいんじゃないかと思います。渋い画面で、混乱する人物の雰囲気は、うまく演出できていますね。

プライマー PRIMER 2004【米】77分
監督・脚本:シェーン・カルース
出演:シェーン・カルース(アーロン)/デヴィッド・サリヴァン(エイブ)
★★★☆☆
プライマー [DVD]

primer_01

サラエボの花
2009年08月16日 (日) | 編集 |
これは愛についての映画である

サラエボの花01

解説:1992年からの3年間で死者20万人、難民・避難民200万人以上を生んだボスニア紛争。セルビア人勢力に制圧されたサラエボ・グルバヴィッツァ地区では「民族浄化」の名のもと、兵士が住民女性への集団レイプを繰り返した。その結果、父を持たない多くの子供が生まれた。被害を受けた女性たちは、心に傷を抱えたまま今もサラエボに暮らしている。事実を口にすることもできず、苦しい日々を送るシングルマザーのエスマ(ミリャナ・カラノヴィッチ)と、父の顔を知らず育った娘・サラ(ルナ・ミヨヴィッチ)。母娘の日常を静かにとらえつつ、女性たちが受けた深い傷と、人間の愛情の深さを浮かび上がらせる。

私のお父さんはシャヒード(殉教者)じゃないの?
母エスマはボスニア政府からもらう援助金とお針子の仕事だけでは生活できず、夜のクラブでウェイトレスの仕事を始める。シャヒードの遺児は、証明書を提出すれば修学旅行の費用が免除される。それを知ったサラは、証明書をエスマにせがむが、母は証明書をとってくれない…

すべてを越える母の愛の強さを描いた物語だ、
と強く感じる。
ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで生まれ育ったヤスミラ・ジュバニッチ監督が、母となり、今、思うことから生まれてきている映画。怒りではなく、母の愛。これを思いきり作品にぶつけてきてるのが感じられ、胸をえぐられる。
彼女たちが受けた傷は、生涯、癒えることはないし、子供たちまで、苦しみを背負う。
言葉もなく分かり合う母子の姿に、未来の光を信じたい。

ご覧になる方は、この物語の背景を少し知ってから観た方がいいと思います。
サラエボの花公式HP http://www.albatros-film.com/movie/saraebo/

サラエボの花 Grbavica 2006年/ボスニア・ヘルツェゴビナ/95分
監督・脚本:ヤスミラ・ジュバニッチ
出演:ミリャナ・カラノヴィッチ(エスマ)/ルナ・ミヨヴィッチ(サラ)
2006年ベルリン国際映画祭 金熊賞(グランプリ)受賞
★★★★★
サラエボの花 [DVD]

サラエボの花ポスター

30 MILES
2009年08月15日 (土) | 編集 |
30_MILES_Poeter

クルマのトラブルから荒野で独り助けを求める男アーニー。偶然そこを通りかかった黒人男性アンソニーは、事情を聞き、ロードサービスを呼ぼうとするが、近くの修理工場まで乗せていってくれと頼まれる。やむなく、アーニーを乗せて、車を出すのだが・・・
と、いう具合に始まります。

乗せた男は、助けてあげようとしてるのに、ものすごい偉そうな態度をしてくる。話をしてると、怒ったり、すねたり、ものすごいやっかいそうな男。いったい何が起きるのかと思わせ、引っ張っていく映画で、超低予算での製作ですね。

(ネタばれ)

この作品、サスペンスかと思い、最後まで観てしまうんですね。結局、最後まで、車中二人の会話劇だけで続けてしまうとは。やっと着いたと思ったら、実はガス欠だというところで、いらっ~と怒りになってきます。人生に絶望したアーニーが、保険金目的で、アンソニーを怒らせ拳銃を撃たすよう仕向けたシナリオだったんですけど、この話では面白くないですね。どちらも怪しげにみえるとか、それなりのサスペンスにして欲しかったなぁ。
でも、怪訝に思いながら、最後まで観れましたので、脚本は良いと思います。


30 MILES 原題:30 MILES 2004【米】80分 劇場未公開
監督:ライアン・ハーパー/脚本:クリフ・ゴーバー
出演:ローレンス・ヒルトン=ジェイコブス/ラスティ・グレイ
★★★☆☆
30MILES [DVD]

ミラーズ
2009年08月13日 (木) | 編集 |
ミラーズ_ポスター

同僚を誤って射殺し、停職処分になって以来、アルコールにおぼれ、妻のエイミー(ポーラ・パットン)や子どもからも見放されている元警官のベン(キーファー・サザーランド)。妹アンジェラ(エイミー・スマート)のアパートに寝泊りする彼は、火災に遭ったデパートの夜警の仕事中、鏡に触れたことから不可解な現象に襲われ始める。

監督は、フランス人監督アレクサンドル・アジャ。『ハイテンション』『ヒルズ・ハブ・アイズ』のようなホラーを期待して観たのが、いけなかった。がっかり (^_^;) 「24」のキーファー・サザーランドを主役に作ったハリウッドアクションでした。

火災跡のデパートは、おおがかりに作られていて、この無気味なセットの中を進みながら、数々の奇怪な現象が起こっていくところは、観応えありました。
後半は、捜査というか拳銃をふりかざし突き進むアメリカ映画です。自分の家族を助けたいだけで、ご高齢の修道女さんを拳銃で脅かすのには、あきれた。
お風呂場で妹さんが殺されるグロいシーン、鏡が割れる大爆発シーン、モンスターとの肉弾戦、と見せ場たくさんのサービスてんこ盛りでした。お金をかけて、派手派手なだけだった。

ミラーズ MIRRORS 2008年/アメリカ 111分
監督・脚本:アレクサンドル・アジャ
キーファー・サザーランド/ポーラ・パットン/エイミー・スマート
★★☆☆☆

※鏡を扱ってる作品ではブロークンの方が無気味でしたね。
ミラーズANDブロークン

悪魔と天使
2009年08月10日 (月) | 編集 |
TSUTAYAに行くと、なんだか、興味を、そそられるパッケージが。
見ると、おっー、エドワード・ファーロング!
T2以来、彼の出演映画は観たことなかったので、この人どうしてはるんやろーと、
あの人は今、みたいな感じでレンタル。

エドワード・ファーロング悪魔と天使Poster
ここまで忠実に再現?してるパッケージも珍しい。スーツまで似せてある ( ̄□ ̄;)!!

三人の男の出現とともに、田舎町の人々の病気やけがが治るという奇跡が起こり始める。そんな中、自らを「神の使者」と名乗るブランドン(エドワード・ファーロング)が出現。妻を殺害され、信仰を捨てた元牧師トラビスが、その謎を探っていくサスペンスで、タイトルどおり、ブランドンが、悪魔か?天使か?というお話です。

エドワード・ファーロングはT2のジョンを演じた俳優さんです。
地道に映画には、出演されてるみたいですね。→ allcinema.net
エドワード・ファーロング Edward Walter Furlong(ウィキペディアより引用)
1991年に映画『ターミネーター2』で子役として映画デビュー。
一時期麻薬・アルコール中毒となる。特に、麻薬中毒に関しリハビリが義務付けられ、『ターミネーター3』降板の原因にもなる。『アメリカン・ヒストリーX』で復帰するが、2004年夏、映画『Jimmy and Judy』撮影中に、スーパーでロブスターを逃がそうとして逮捕される。
2006年初めに、映画『Jimmy and Judy』の撮影で知り合った女優のレイチェル・ベラと結婚。同年の9月21日に、レイチェルとの間に第1子のイーサン・ペイジ・ファーロングが誕生する。しかし2009年7月6日に妻のレイチェル・ベラがロサンゼルス地裁に離婚申し立てをしたので離婚へと進んでいる。


エドワード・ファーロング悪魔と天使01

エドワード・ファーロング、悲しい顔は似合うんだけど、「神の使者」とあがめられる役ですから、もっと体型を絞り込んで挑んで欲しかったですね。過去の苦しみを持つ男なので、ぽっちゃり型では、ちょっと、はまりにくい。内容的には、悪くない作品ですよ。

悪魔と天使 The Visitation 2006年/アメリカ 103分
監督:ロビー・ヘンソン
エドワード・ファーロング/ケリー・リンチ/マーティン・ドノヴァン
★★★☆☆
悪魔と天使 [DVD]

ディスクも本家「天使と悪魔」に合わしてありました。う~ん、無意味なもの、つくってますね。こういうものを作るとB級映画がバカにされてしまい、よくないですね。もっと、B級の意地を伝えるものにして欲しいですね。
悪魔と天使DVD表

正体不明 THEM ゼム
2009年08月07日 (金) | 編集 |
うーむ、まさに正体不明だ。
実際にルーマニアで起こった実話を基に描くフランス・シチュエーションスリラー。
『ソウSAW』を凌ぐ恐怖!『ディセント』を超える衝撃!とパッケージに書かれてたので、つまんないんだろうなと思いきや、そんなことはない、レベルは高いですよ。

正体不明THEM_Poster

あらすじ:街から離れた林の中の屋敷で暮らす教師のクレモンティーヌと夫で作家のリュカは、自然に囲まれた屋敷での生活を気に入っていた。ところがある夜、無気味な反復音と共に“奴ら”が現れた。

監督はハリウッド版『theEYE【アイ】』にも抜擢されたダビッド・モロー&グザヴィエ・バリュ。血の出る場面や意外なストーリーを期待すると、面白くないといわれる作品かなと思います。撮影の工夫で恐怖を演出していて、ホラー映画の基本みたいなものを体験させてくれますね。

木々が、急にざわざわと揺れたり、扉の向こうに、影が見えたりすると、
どきっとし、凍りつくようなイメージがありますよね。
どんどん、自分の想像が、かきたてていくような恐怖。
グロテスクな映像というのは、確かに気持ち悪いんですが、与えられているもの、確認できるものに対しては、人間は恐れをいだかないんだと思います。わからないからこそ、恐い。

そういう精神的恐怖をあおられるイメージで観ていくと、この作品は、めっちゃ恐いですよ。

正体不明THEM_01

ほとんどセリフはなくて、撮影テクニックで話をつないでいってます。
最初は、窓の外に光がちらちら、テレビが急についていたり、目覚ましが急になったり、いかにもオカルトちっくな雰囲気。やがて、家の中に何者かがいるという気配を見せ始め、二人が逃げ始めるんですが、まぁ、二人で住むには広すぎるお屋敷で、この広さが恐いんですね。けがを負わせられ、部屋に追い込まれると、ドンドンッと扉が外から叩かれます。

そのあと、屋根裏部屋のビニールカーテン越しの攻防、何か潜んでそうな森の気配、気味の悪い薄暗い地下道、と、場所が変わっていくのは、うまいですね。得体の知れないものに、夫婦が、どんどん追いつめられる恐怖は、うまく撮られてます。(°□°;)

お金かけずに作ってる、手堅い秀作。
公開時は『THEM ゼム』で、DVDは『正体不明 THEM(ゼム)』というタイトルに変わったようです。

THEM ゼム 2006年【仏】77分 DVD名:正体不明 THEM (ゼム)
監督:ダビッド・モロー、グザヴィエ・パリュ
出演:オリビア・ボナミー/ミヒャエル・コーエン
★★★★☆
正体不明 THEM (ゼム) [DVD]

正体不明THEM_03

ちなみに、この映画は、「エクソシスト」のW・フリードキン監督を怖がらせた
最強ホラー映画13本の中に選ばれています。
(以下、2008年10月30日[eiga.com 映画ニュース]様より引用)
 ハロウィン前夜、エンターテインメント・ウィークリー誌が、ホラー映画の金字塔とも言うべき「エクソシスト」(73)のウィリアム・フリードキン監督が、「見るたびに悪夢にうなされたような気分になれる」と太鼓判を押したホラー映画13本を紹介している。
 フリードキン監督がよく見る悪夢とは、「誰かが自分を殺そうと追いかけてくる」というリアルなものらしいが、それを反映したラインナップになっているようだ。最近のいわゆるホラー映画は面白くないと言うなか、ミヒャエル・ハネケ監督の「ファニーゲーム」とダビッド・モロー&グザビエ・パリュ監督の「THEM/ゼム」というヨーロッパ系の2作品を高く評価している。

▽「サイコ」(60)アルフレッド・ヒッチコック監督
▽「エイリアン」(79)リドリー・スコット監督
▽「ローズマリーの赤ちゃん」(68)ロマン・ポランスキー監督
▽「悪魔のような女」(55)アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督
▽「鬼婆」(64)新藤兼人監督
▽「サスペリア」(77)「サスペリア2/紅い深淵」(75)ダリオ・アルジェント監督
▽「肉屋」(70)クロード・シャブロル監督
▽「ファニーゲーム」(97)ミヒャエル・ハネケ監督
▽「THEM/ゼム」(06)ダビッド・モロー&グザビエ・パリュ監督
▽「謎の下宿人」(44)ジョン・ブラーム監督
▽「らせん階段」(46)ロバート・シオドマク監督
▽「悪魔のいけにえ」(74)トビー・フーパー監督

半分ほど、未見ですが、恐怖映画が並んでますね。
「鬼婆」「肉屋」とか、タイトルだけでも震えがきそう。

セントアンナの奇跡
2009年08月06日 (木) | 編集 |
1983年、ニューヨークで、定年間近の真面目な黒人郵便局員が、客を射殺する不可解な事件が発生。犯行に使われた銃は、古いドイツ製のルガーだった。さらに彼の部屋からは、行方不明になっていた歴史的に重要なイタリアの彫像も発見される。その謎を解く鍵は、第二次大戦中のイタリア・トスカーナにあった――。

セントアンナの奇跡POSTER2

↑この映画のイメージ、文章じゃなく画像一発で。
様々な国、人種間の問題を提示し、人と人だからこそ、わかりあいミラクルは起こりえるんだ、というお話です。
画像だけで、この映画はあらわせたし、これでいいかなと思ったけど、
もう少し、書いときます。

この物語は、以下の事実を含んで作られてます。
◎バッファロー・ソルジャー 第2次世界大戦中、最も過酷な最前線であるイタリアのトスカーナに派遣された第92歩兵師団、黒人だけで組織されていた。
◎セントアンナの大虐殺 イタリアのトスカーナのスタッツェーマ市を、反パルチザンの掃討作戦をしていたドイツ軍300人が襲撃、市民560名を皆殺しにする。1943年末期から44年にかけて、ドイツ軍は「掃討作戦」として、イタリア各地で民間人を虐殺した。
◎女神の彫像 イタリア・フィレンツェのサンタ・トリニータ橋に設置された彫像4体の一つ、プリマヴェーラ(春)の頭部。1944年にドイツ軍が橋を爆破したことから行方不明になっていた。


歴史的背景を知らずに観たので、
この小さな村は、イタリア内じゃないんだろうか?敵はドイツ軍でアメリカ兵は味方?パルチザンって何者?不思議な少年のファンタジーも加わってきて、よくわからないなーと思いながら観てました。
結局、ドイツ人だ、黒人だ、ファシストだ、と区別してみるのが問題ということだから、わからなくても、よかったんですね。(^_^;)

でもちょっと時間が長いかなー。眠気で意識がとびそうになりました。
映画の日に観てかなり満席で、おとなりの方は、途中、爆睡でした。

セントアンナの奇跡Lady
ドイツ軍は、女性のアナウンス作戦で、戦意を喪失させようとしていたんですね。
当時のイタリアの状況というのは、かなり複雑なんですね。この機会にいろいろわかりました。

セントアンナの奇跡Last
かなりリアルな戦争描写の後、奇跡は起こるというもので締めくくられるラストは良かったです。

セントアンナの奇跡 MIRACLE AT ST. ANNA 2008年【米/伊】163分
監督:スパイク・リー
原作/脚本:ジェームス・マクブライト(原作本「Miracle at St.Anna」)
デレク・ルーク(オーブリー・スタンプス二等軍曹)/マイケル・イーリー(ビショップ・カミングス三等軍曹)/ラズ・アロンソ(ヘクター・ネグロン伍長)/オマー・ベンソン・ミラー(サム・トレイン上等兵)マッテオ・シャボルディ(アンジェロ少年)/ルイジ・ロ・カーショ(アンジェロ大人)/ヴァレンティナ・チェルヴィ(レナータ)
★★★☆☆ 原作を書かれた方が脚本を書かれてたんですね。

セントアンナの奇跡POSTER

逆転法廷
2009年08月03日 (月) | 編集 |
陪審員は、今、テレビをご覧のあなた。そう、あなたなのです!
もし、テレビで裁判を行うことになったら・・・

逆転法廷img01
日本版パッケージは『ジョーズ』のロイ・シャイダーになってますね。

フロリダ州知事が、犯罪抑制のため、“市民の評決”というテレビ番組放送を決定。
これは、裁判を3時間の公開生中継でおこない、それを観た視聴者の電話投票で、評決を決めるというものです。その翌日、死刑執行も有料生中継されるという。
えっー、そんな、無茶な。( ̄□ ̄;)!!

有名女性のレイプ殺害事件を扱うもので、
ほとんど、弁護士さんショー。
検察側弁護士は、いかに被害者女性が良き人間で皆に愛されたか、いかに容疑者が非道か、悲しみや怒りの表情で訴えます。一方の被告側弁護士は、被害者女性の性癖を暴露し、この事件が事故による死亡であると訴えようとします。
証言者の顔が映るのも問題あるし、途中、重要証拠が突然、出てくるのも怪しすぎる。

この続きはCMの後で!
って、はいるけど、公的番組に特定スポンサーがついてるのもおかしいのよね。
裁判を3時間で終わらせようとするのもおかしいし。

実際に、こういうことが行われると、いかに作為的になっていくかを暴き出し、メディア問題を唱える作品です。ありきたりといえばありきたりで、面白くない部分もあります。“朝まで陪審員”とか“弁護の鉄人”とか、こんな番組が出来たら、どうなるんだろうと思いながら観てました。

逆転法廷 CITIZEN VERDICT 2003/アメリカ 劇場未公開
監督:フィリップ・マルチネス
アーマンド・アサンテ/ジェリー・スプリンガー/ロイ・シャイダー/ギデオン・エメリー/エイドリアン・ギャレイ/ラングレー・カークウッド/ブレンダン・ポレカット
★★★☆☆
逆転法廷 [DVD]

屋敷女
2009年08月02日 (日) | 編集 |
クリスマス・イブの夜。
出産を控えた一人暮らしの妊婦宅に、謎の女が侵入し襲いかかる。

屋敷女01

妊婦さん、ハサミ、想像しただけでも恐すぎる。
ひぃ~~、こんな恐ろしいもん観れん、と思って、なかなか観れなかったですね。

で、今回、観てみたわけですが、
お話としては、ダークホラーテイストに、もってきてありました。
黒い服の女を演じてるのは、『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』のベアトリス・ダル。狂気の奥にある悲しみを感じさせてくれます。
これは、恐い。この暗い雰囲気がなんともいえない作品だと思いますよ。

妊娠中のフォト・ジャーナリスト、サラは、幸せいっぱいの妊婦さんではありません。4ヶ月前の交通事故で、夫を失い、精神的に不安定な状態で、臨月を向かえています。
まわりの人もすごく心配してくれてるんだけど、ほっといて、一人にしておいて、みたいな態度なんですよ。それも無理からぬことなのかもしれないけど、あまり、赤ちゃんが欲しくないのかなという雰囲気なのです。この彼女の暗い気持ちの冒頭が、最後につながっていきます。

屋敷女02

クリスマス・イブの夜、この暗~いサラの家に、黒い服の女が侵入。眠るサラに、ハサミを振りかざし襲いかかかります。間一髪、逃れた彼女は、バスルームに一人、立てこもります。
彼女を心配してる人や、不審に思った警察官が、家を訪ねてきて、何か起こるのかなと思いますが、全然、そんなことは起こりません。
あっという間にやられ、あたり、一面、血の海。
暗い画面で、血の量が、ハンパじゃないので、見た目として恐いです。

この家の中、精神的にも、肉体的にも、彼女は、ひとりになるんですね。
孤立無援となった時、子を持つ母の強さの本能が出てきたように動き出します。黒い服の女との対決の中、たいへんなことが起こります。
これから先の恐ろしい出来事は、もう私には、書けない・・・
愛情から生まれた狂気を感じさせる、哀しい終焉をむかえることになりました。


屋敷女 A l'interieur 2007年【仏】83分
監督: ジュリアン・モーリー/アレクサンドル・バスティロ
脚本: アレクサンドル・バスティロ
ベアトリス・ダル(黒い服の女)/アリソン・パラディ(サラ)
★★★★☆
屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]屋敷女 アンレイテッド版 [DVD]
(2009/01/07)
監督: ジュリアン・モーリー/アレクサンドル・バスティロ出演:ベアトリス・ダル/アリソン・パラディ

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