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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
ジェリーフィッシュ
2009年09月12日 (土) | 編集 |
ひとりひとりに、天使がいる

Jerry_fish_Poster1.jpg

解説:それぞれに不器用な生き方ゆえに孤独感を抱えた登場人物たちが織り成す切なくも優しさに満ちた3つの物語が、静謐かつ瑞々しいタッチで綴られてゆくイスラエル映画。監督は、公私にわたるパートナーという作家エトガー・ケレットと作家であり詩人シーラ・ゲフェン。長編初監督作の本作は、2007年のカンヌ国際映画祭で新人監督賞(カメラドール)を受賞。観終われば誰もがやさしい気持ちになれる、そんな宝物のような作品が誕生しました。


心象風景を絵にしているような、不思議な作品。

ビンの中の舟は決して沈まない
埃にまみれることもない
見た目にも美しくガラスに浮かんでいる
この小さな舟に乗れる者はなく
行き先もわからず
外の風が帆を揺らすこともない
帆はないのだ・・・


劇中に登場人物が書くポエムが出てきます。
うまく言えない、思い出したくない、そんな気持ちを、人は、心の海に、そっと浮かべているのかもしれないですね。ビンの中にいれてある限り、誰にも触れられることはない、でも、誰か、このビンの中にあるものに気づいて欲しい、そんな願いも抱え、人は毎日を過ごしている。
永遠の海に漂うかのように思われた
ビンは、やがて、誰かの浜辺に、静かにたどりつく。
永遠の海なんてなかったのだ。この海はつながっている。

イスラエルの港湾都市テルアビブを舞台としており、
海、水、船など、水関係のモチーフを使って、
ある日、誰かが、そっと、孤独をすくいとってくれた、そんなイメージがあります。

Jerry_fish_1
美しい海辺の街テルアビブ。結婚式場で働く若い女性バティアは、どこからともなく現れた不思議な女の子に海辺で出会う。浮輪をつけたまま何もしゃべらない女の子は、なぜかバティアについてくる。警察に迷子の届け出はなく、バティアが週末だけ預かることになる。

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この海からやって来た女の子は、彼女の心が創り出した幻なのか、
現実なのか非現実なのか、よくわからない。
結婚式場で働いていた女性カメラマンと過ごす中、彼女は、過去との対面をしていくことになる。幼き日の思い出がおぼろげなバティアは、女性カメラマンの昔のフィルムを見せてとせがむ。

Jerry_fish_3
記憶の中に浮かぶ、あの夏の日のアイスクリーム売りのおじさん。
ポエムだから、全体に、不思議なイメージがある。


同時に、
・披露宴の事故で、海が見えるホテルに泊まるはめになった新婚さんと謎の女性。
・フィリピンから出稼ぎに来たヘルパーさんと、冷え切った関係の親子
の話も織りまぜて語られています。

出演者がすごく味のある方ばかりで、不思議な雰囲気の画面に仕上がってます。
特に、フィリピンのヘルパーさんと浮き輪の少女が、良かった。
ヘルパーさんは、まったくの素人さんだそうで、顔の表情がほとんど変わらず、
ものすごく不安そうな感じがよく出てる。
浮き輪の少女は、ヘルパーさん役の方とは、うって変わって、なんか自信満々。
この子役の女の子は、何の役かは理解していないけど、私が選ばれて当然という意識の高い子で、その強さがみなぎってて、不安なバティアを導く女の子にピッタリ。
強く主人公バティアの心を癒していってくれますね。

ジェリーフィッシュ Meduzot (くらげ)
JELLYFiSH 2007年【イスラエル・仏】 82分
監督:シーラ・ゲフェン/エトガー・ケレット
脚本:シーラ・ゲフェン
出演:サラ・アドラー(バティア)/ニコール・レイドマン(少女)/ゲラ・サンドラー(マイケル)/ノア・クノラー(ケレン)/マネニータ・デ・ラトーレ(ジョイ)/ザハリラ・ハリファイ(マルカ)
★★★★☆
ジェリーフィッシュ [DVD]
Jerry_fish_4
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