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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
12ラウンド
2010年05月30日 (日) | 編集 |
12ラウンドの戦いのゴングが鳴らされた。
次々と仕掛けられるゲームを突破し、婚約者モリーを救出できるか!

12ラウンドIMG
劇場未公開だからって、あなどるなかれ。派手にやってくれるよ(^▽^)/

ニューオーリンズ市警のダニーは、FBIの追うマイルズを逮捕するが、その最中にマイルズのガールフレンドを死なせてしまう。復讐を誓ったマイルズは1年後に脱獄。ダニーの婚約者モリーを誘拐し、街の至る所に仕掛けをプロットし、12ラウンドにも及ぶ脅迫ゲームをダニーに突き付けてくる。

これは、主演が、プロレスラーのジョン・シナで、知名度が低いのと、内容的に、ダイ・ハード3っぽいので、劇場未公開なんでしょうね。監督は「ダイ・ハード2」のレニー・ハーリンで、ブルース・ウィルスやキアヌ・リーブス主演の映画を彷佛させるようなアクション巨編です。

タイムリミット内に、敵の指定した場所へ向かうために、
消防車で、ドッカン、ドッカン、あたりのものは、粉砕しまくり。
路面電車暴走、発電所爆発と、激しいですねー。
巨漢の男を助けるために、ぐいっと腕で男を引き上げるシーンもあり、
さすが、プロレスラーって感じも見せます。

「ダイ・ハード」や「スピード」が好きな方は、どうぞ。
かなり楽しめる1本だと思います。

12 ラウンド 2008年【米】劇場未公開110分
監督:レニー・ハーリン「ダイ・ハード2」
出演:ジョン・シナ/アイダン・ギレン/アシュレイ・スコット
★★★☆☆(3.5)
12 ラウンド (特別編) [DVD]
12ラウンドDVD
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戦場でワルツを
2010年05月28日 (金) | 編集 |
記憶の底をつきぬける。

戦場でワルツを_ポスター

元兵士のアリ・フォルマン監督が、自身の経験を基に製作した自伝的なドキュメンタリー・アニメーション。1982年にレバノンで起こったパレスチナ難民大虐殺についての友人たちの証言から、戦争がもたらす心の闇を暴き出し、カンヌ国際映画祭やアカデミー賞などで国際的にも賞賛された。

元兵士のアリ。
本人は、1982年にレバノンで戦争を体験しているはずだが、その記憶が無い。

自分が見る悪夢。
その原因を求め、さまざまな人たちに、当時の状況を訊ねまわっていくのだが。

これは、アニメーションで作品で、『スキャナー・ダークリー』のような
実写のようなアニメのようなタッチの絵で進みます。
語られて行く体験が、現実なのか幻想なのか、よくわからない内容なんですね。
犬を撃ち殺したり、海を泳いだり、たいへん不鮮明で抽象的だ。
人間の記憶が、悲惨な体験を、幻想かのように書き換えてしまっているらしい。


彼が、深い記憶の底に見るものが、衝撃的です。
監督さんが、どこまで記憶がなかったのかはよくわかりません。
けど、これほどの凄惨な体験を、自分が忘れようとしている事実、
ここにいきついた時の絶望のような衝撃だったんじゃないでしょうか。
なぜ、これを忘れ去ろうとしてしまっているのか。
決して、封印してはならないし、目をそむけてはならない。
自らの体験に向かい合っていく監督さんの気持ちが想像されます。

戦場でワルツを 2008年【イスラエル・フランス・ドイツ・アメリカ】90分
VALS IM BASHIR/WALTZ WITH BASHIR
監督・脚本・音楽・声の出演:アリ・フォルマン
★★★★☆(4.0)
戦場でワルツを 完全版 [DVD]

真夏のオリオン
2010年05月27日 (木) | 編集 |
潜水艦もの、なので、観てみましたが、
正直、日本の潜水艦映画って、ひどいですなぁ。
日本よ、浮上せよ!というより、現実より、浮遊した!という映画。

実は俺はオーケストラの指揮者になりたかったんだ! by 艦長・玉木宏

真夏のオリオンポスター

真夏のオリオンとは、艦長・倉本の恋人、志津子が彼に手渡したオリジナルの楽譜のタイトル。冬の星座であるオリオンが真夏に輝けば、それは船乗りにとって吉兆となるのだという。作品では、そんなオリオンが輝こうとする空の下、日本海軍イー77潜水艦と米国海軍駆逐艦の姿を描く。
池上司の「雷撃震度一九・五」を、福井晴敏がオリジナル要素を加えて映画用に脚色、篠原哲雄監督がメガホンを取った。


甘く、ロマンチックなタイトルで、気持ち悪いんですけど、楽しんでは観れます。
福井晴敏が原作・監修で、この方の話って、映像作品のつなぎ合わせ。本編に出てくる、左方向へターンとか、偽装を海上に射出とか、これは、過去の映画のシーンやん。映像発想なので、薄っぺらいんですよね。

でも、その薄さが、幸いしたという感じです。
玉木宏、北川景子という現代的な俳優が、戦時中の人に、まったく見えないんですよ。玉木宏は、帽子を、とったら長髪。北川景子なんて、モンペがオシャレに見える。スリルのない演出と絡み合い、現実離れした実写ファンタジーになりました。
たぶん、アニメ作品として製作した方が、似合いそうな作品だと思います。

ただ、今回、たまたま、うまくころんだだけで、
こういう実写大作を、毎年毎年、製作するのは、もう、やめて欲しい。

真夏のオリオン 2009年【日】
監督:篠原哲雄 出演:玉木宏、北川景子、堂珍嘉邦
★☆☆☆☆

奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~
2010年05月23日 (日) | 編集 |
幻影師があるので、奇術師!と、きたんでしょうけど……

奇術師フーディーニ~妖しき幻想~DVD2

こんなタイトルにしなくともよかったのに、と思います。
日本では「脱出王フーディーニ」って言われても、誰かわからないもん。
脱出王として、日本で有名なのは、引田天功さんですよね。
実在した人物ということも、かえって不利で、
この人には、興味ないなーと思いつつ借りてみました。

内容は、降霊ショーを行うメアリーとベンジーの母娘のラブサスペンスでした。
この二人に関わる人物として、奇術師フーディーニが、登場します。

キャステングは、渋いですよ。
母メアリーに、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
娘ベンジーに、シアーシャ・ローナン。
そして、奇術師フーディーニに、ガイ・ピアース。

奇術師フーディーニ~妖しき幻想~IMAGE

当時、降霊術が、すごく、はやっていたらしく、メアリーとベンジーも、生活のため、母娘で、インチキ降霊ショーを行っています。この母娘の住む街に、有名なフーディーニが、やってきて、他界した母の「最期の言葉」を言い当てた降霊術師には、高額の賞金を与えると発表します。

生活に疲れてきていたメアリーと心に闇を抱えるフーディーニ、お互いに惹かれあう二人の駆け引き。それに、霊的能力を持つ娘ベンジーの見る幻影が加わる。奇術映画としては「幻影師アイゼンハイム」みたいな華やかさがないですけど、なかなか面白くは観れました。

奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~ DEATH DEFYING ACTS
2007年【イギリス/オーストラリア】96分劇場未公開
監督:ジリアン・アームストロング
出演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/ガイ・ピアース/シアーシャ・ローナン
★★★☆☆(3.5)
奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~ [DVD]

メモリー・キーパーの娘
2010年05月22日 (土) | 編集 |
始まりは、たったひとつの嘘。

メモリー・キーパーの娘DVD
雪降る夜の向こうに、何かが映し出されるような原作本の表紙。

原作は、無名作家キム・エドワーズの処女小説で、当初は、まったく売れなかったそうですが、口コミ的に人気が高まり、爆発的なヒットになったそうです。1年以上、全米ベストセラーの上位を独占し続け、テレビ映画として製作されました。今の時代にあった小作品で、ドラマとして見応えはありました。

メモリー・キーパーとは、劇中に登場するカメラの商品名で、
彼の心のファインダーに映されていたものとは何だろう、という物語です。

それは、1964年のある大雪の夜の出来事でした。
医師デイヴィッドの妻ノラの陣痛が、早く始まり、急遽、自分の手で我が子を取り上げることになります。男女の双子が生まれたのですが、ある理由から、妻には女児が死産したと伝えます。

女児フィービーを施設へ送るように頼まれた看護師キャロラインは、施設を訪ねますが、施設の状態があまりにもひどい。こんなところに、この子を置いていけないと、その赤ん坊をわが子として育てる決心をします。

雪の日より、別れてしまった双子兄妹の運命。
その日より、25年にわたって描かれます。

メモリー・キーパーの娘写真

デイヴィッドは、幼き頃、病弱の妹を亡くしており、それを悲しむ母の姿が脳裏に焼きついてしまっていたんですね。彼にとって、その光景が、トラウマとなってしまっていたのでした。貧しい家から、苦学して、念願の医者になったんだろうと思う。
でも、裕福な育ちの奥さんには、彼の過去や心の傷は理解してもらえないし、自分のついた嘘に、縛られ続けてしまいます。写真を撮ることに没頭し、自分の思い描いた家庭とは違うものになっていってしまいます。

一方、キャロラインは、あの雪の日に、たいへん優しく理解のあるドライバーの男性とめぐりあうことになります。温かな家庭の中で、フィービーは、育てていくことになる。


設定としては、生まれたばかりの兄妹が、引き裂かれるもので、
こういうのは、昔からよくありますよね。
でも、これはね、劇的な運命の物語じゃなく、身近な世界なのが、いいんです。
いろいろ考えさせられてしまう部分があるし、
写真、記憶というものを絡めて、しんみりとした話に、なってます。
デイヴィッドが求め続けた写真は、
他の方が、受け継いでいくことになるような最後が、きまってますね。


※原作紹介のページで、冒頭の数ページ、立ち読みできます。NHK出版サイト

メモリー・キーパーの娘 2008年【米】90分劇場未公開(テレビ映画)
THE MEMORY KEEPER'S DAUGHTER
監督:ミック・ジャクソン
原作:キム・エドワーズ メモリー・キーパーの娘
出演:ダーモット・マローニー/エミリー・ワトソン/グレッチェン・モル
★★★★☆(4.0)
メモリー・キーパーの娘 [DVD]

縞模様のパジャマの少年
2010年05月20日 (木) | 編集 |
衝撃のラストにあなたは何を感じるか。

縞模様のパジャマの少年ポスター

第二次大戦下のドイツ、ベルリン。8歳の少年ブルーノは、ナチス将校である父の仕事の関係で、住み慣れた都会を離れ、殺風景な片田舎に建つ大きな屋敷に移り住む。友だちもおらず、すっかり退屈した彼は、禁じられていた林を抜けて有刺鉄線のフェンスに囲まれた「農場」に辿り着く。そしてフェンスの向こう側に縞模様の「パジャマ」を着た同い年の少年シュムエルを見つけたブルーノ。以来2人はフェンスを挟んで会話するのが日課となり、次第に奇妙な友情を育んでいく。

純真な少年を演じてる二人が、素晴らしかった。

縞模様のパジャマの少年img1

ラストに近づくに従い、
これは、まずいぞ、と思い始め、
まさか!となり、
そんなっ、がーーん!と打ちのされる最後を迎えます。

しばらく、茫然。
見終わって、なんでこんな最後に?!という気持ちが、うずまいたなー。
そのあと、DVD特典にインタビューがついてましたので、
それを観てるうちに、なんだか、悲しくなってきて (T_T)

インタビューで、
父役デヴィッド・シューリス、母役ヴェラ・ファーミガとも、
言葉なしに、複雑な心情表現を要求されるラストシーンは、
ものすごいプレッシャーだったと言ってますね。


ホロコーストの映画ですけど、そう感じるより、
なぜ、自分には「パジャマ」に見えないんだろうか、ということを考えてしまう。
「パジャマ」に見えない自分が、さみしい。
わかった気になってないか、自分で見て感じる冒険をしているか、
こんなものだということで目をつぶっていないか、
自分自身を、思い知らされてしまうような映画でもありますね。

すごく良く出来てるお話だと思います。
中・高校生ぐらいの方が観られても、いい映画かな。
戦争批判の映画であるとか、そういういっさいの先入観は捨てて、
自分の心が、どう感じるか、素直に受け止めてみると面白いと思います。

縞模様のパジャマの少年 2008年【英・米】95分
The Boy in The Striped Pyjamas
監督・脚本:マーク・ハーマン
原作:ジョン・ボイン 縞模様のパジャマの少年
出演:エイサ・バターフィールド(ブルーノ)/ジャック・スキャンロン(シュムエル)/アンバー・ビーティー(グレーテル)/デヴィッド・シューリス(父)/ヴェラ・ファーミガ(母)
★★★★☆(4.8)
縞模様のパジャマの少年 [DVD]
縞模様のパジャマの少年img2
鮮やかな画面が、よく効いていた。

パリより愛をこめて
2010年05月17日 (月) | 編集 |
トラヴォルタ炸裂!ズバーンと爽快!

パリより愛をこめて_ジョン・トラヴォルタ

アメリカ大使館員のリース(ジョナサン・リス・マイヤーズ)。
実は、CIAの見習い捜査官でもある。
彼が、あこがれてるのが、ジェームス・ボンドで、
だから、『パリより愛をこめて』なのだ。
愛をこめて悲しき銃弾を撃つことになるんですけどね。

初めて大口の仕事をまかされ、はりきる彼が組まされた相手は、
バズーカぶっ放す、いかれアメリカン野郎ワックス(ジョン・トラヴォルタ)。

トラボルタが、すごいのよ。
悪党は、顔出した途端に、殺されていく。
らせん階段のところで、悲鳴が上がるたびに、
一人づつ、ひゅーと落ちていくところは、面白かった。

パリより愛をこめて写真

さすが、リュック・ベッソンひきいるヨーロッパコープさん製作。
「96時間」のピエール・モレル監督で、スカッと気持ちよかった。
ハリウッドの「サブウェイ123激突」は、パッとしない作りだったからね。
今回のトラヴォルタは、めっちゃ、かっこよかったよ(^-^)

パリより愛をこめて From Paris with Love 2010年【仏】95分(パンフ700円)
監督:ピエール・モレル「96時間」
製作:リュック・ベッソン、インディア・オズボーン
出演:ジョン・トラヴォルタ、ジョナサン・リス=マイヤーズ、カシア・アナ・スムートニアック
★★★★☆(4.0)

パリより愛をこめてポスター

カティンの森/KATYN
2010年05月16日 (日) | 編集 |
“思うだけでは何の意味もない”

カティンの森イメージ

本作は、自らの父親もこの事件の犠牲者の1人であるポーランドのアンジェイ・ワイダ監督が、歴史的犯罪に光を当てるとともに、国家の欺瞞に翻弄される犠牲者家族の苦悩を描き出す。
1939年9月17日、ドイツ軍に西から追われる人々と、ソ連軍に東から追われた人々が、ポーランド東部ブク川の橋の上で出くわす象徴的なシーンより始まります。

第二次大戦下、ナチス・ドイツとソ連の両方から侵略され、両国に分割占領されたポーランド。そんな中、ソ連の捕虜となったポーランド人将校のうち1万数千名の行方が不明となり、後にソ連によって虐殺されていたことが判明する。1940年春に起こった「カティンの森」事件と呼ばれる虐殺は、ソ連の支配下にあった冷戦時代のポーランドにおいて語ることの許されないものであった。

次々と登場人物が出てくるので、途中、とまどったんですが、翻弄され続けてきた当事者には、なにもわかるわけがない。そういうものであろうと、わかってくる。これは、事件を中立的に伝えたいわけでなく、生々しい声、叫びたくても叫べなかった魂を描いている作品なのだ。

登場人物の一人、アグニェシュカは、殺された兄のため、
1940年にカティンで悲劇的な死を遂げた、という一文を墓碑に刻む。
彼女は捕らえられても、意志を曲げることはない。

映し出される、無惨に叩き割られた墓碑。
意味なく殺された上に、なおも侮辱され続ける。
このシーンだけでも、
製作者や苦渋をしいられてきた人のくやしさ、怒りが伝わってきます。

堪え難き屈辱に、耐え忍んできた遺族や人々の気持ちが、ぶつけられている。

カティンの森 KATYN 2007年【ポーランド】122分
監督・脚本:アンジェイ・ワイダ
原作:アンジェイ・ムラルチク カティンの森 (集英社文庫)
出演:マヤ・オスタシャースカ/アルトゥール・ジミエウスキー/マヤ・コモロフスカ/ヴワディスワフ・コヴァルスキ/アンジェイ・ヒラ/ダヌタ・ステンカ/ヤン・エングレルト/アグニェシュカ・グリンスカ/マグダレナ・チェレツカ/パヴェウ・マワシンスキ/アグニェシュカ・カヴョルスカ/アントニ・パヴリツキ/クリスティナ・ザフファトヴィチ
★★★★★
カティンの森 [DVD]
カティンの森ポスター

オックスフォード連続殺人
2010年05月15日 (土) | 編集 |
数学的謎解き (・∀・)
数学に弱いのに、私にわかるか?、と思いつつ観始めました。

オックスフォード連続殺人壁紙

オックスフォード大学内で繰り広げられる、数学的謎解きで連続殺人を暴く本格サスペンス。アルゼンチンから奨学金でオックスフォード大学に留学して来たマーティン。渡英したのも束の間、下宿先の未亡人の他殺死体を発見してしまう。一緒に第一発見者となった世界的数学者セルダム教授のもとには、謎の記号が書かれた殺人予告メモが届けられていた。その後も、謎のメッセージを伴う不可解な事件が続けて起き…。

次々に起こる連続殺人。
血気盛んな留学生が、数学の大先生を打ち負かし、
謎を解いてやると、ムキになりまくる話です。

この二人が数学的に謎を解いていってくれるのかなと思いきや、
ただの不毛な会話を続けていくだけなんですね。
言い負けしたくない人が、
自然科学や思想のように答えのないものを持ち出して、
証明できない、測れない、と言ってるだけなんですよ。
ミステリの結末も、はあ?、と言うもので、「無」の世界です。

連続殺人を背景におこなわれる数学風会話はカムフラージュで、
結局、人間の思考がいきつく先は、たわいもないこと、
これぞミステリーだと言うユーモアなんだと思います。
でも、
ボケ、ツッコミみたいな会話脚本じゃないので、これは観てて疲れる。

主演二人に魅力がなく、女優さんのがんばりで、話を、たもてた感じかなー。

オックスフォード連続殺人女優
下宿先の娘でチェリストのジュリー・コックスは、ぎょろとした目で、芸術家らしい気性の激しさが、よく出てた。マーティンが仲良くなる看護師ローナのレオノール・ワトリングは、ダイナミックなボディで、魅せてくれます。

オックスフォード連続殺人 2008年【スペイン/英/仏】107分劇場未公開
THE OXFORD MURDERS/Los crmenes de Oxford
監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
原作:ギジェルモ・マルティネス オックスフォード連続殺人 (扶桑社ミステリー)
出演:イライジャ・ウッド(マーティン)/ジョン・ハート(セルダム)/レオノール・ワトリング(ローナ)/ジュリー・コックス(ベス)/ジム・カーター(ピーターセン警部)
★★☆☆☆(2.5)ダヴィンチ・コード数学版を目指したな。
オックスフォード連続殺人 [DVD]

つぐない
2010年05月13日 (木) | 編集 |
13歳の少女ブライオニー。多感な少女の目に映ったものは……

つぐないイメージA

ブッカー賞作家イアン・マキューアンのベストセラー小説を『プライドと偏見』のジョー・ライト監督が映画化。1930年代、戦火が忍び寄るイギリス。政府官僚の長女セシーリアは、兄妹のように育てられた使用人の息子、ロビーと思いを通わせ合うようになる。しかし、小説家を目指す多感な妹ブライオニーのついたうそが、ロビーに無実の罪を着せ、刑務所送りにしてしまう。映像化は困難と言われた複雑な物語を緻密な構成でスクリーンに焼きつけた監督の手腕に注目。

おそらく原作は、みずみずしい少女の感性によって、
つむがれていくような感じかなーと思う。
いろんな形で理解できる不思議な雰囲気の話だけど、
少女の罪を問う映画ではないだろうな。

幻想のように映しだされる女性の遺体やダンケルク撤退のシーン。
現実の戦争で亡くなられた、すべての方に捧げるような物語なんだと思います。
その方の生きた証を残してあげたい、私にできることは、その方のためにストーリーをつけてあげること、といった趣旨で描かれてる作品でしょうね。
衝撃的なラストが、たいへん悲しいです。

つぐないイメージB

この物語の語りべとして登場するのがブライオニーで、
現実に存在しているのか、していないのか、
非常にミステリアスな雰囲気で演じられてて、
ブライオニーの位置づけが、この物語を、すごくいいものにしてます。
特に、少女時代のシーアシャ・ローナンが、
あどけなさ、残酷さ、も感じさせ、ばつぐんに良かったです。
作品のテイストが、すごい味わい深い。うまく作られてます。

つぐない ATONEMENT 2007年【英】123分
監督:ジョー・ライト
原作:イアン・マキューアン 贖罪〈上〉 (新潮文庫)
セシーリア役(キーラ・ナイトレイ)/ロビー役(ジェームズ・マカヴォイ)/ブライオニー役(シーアシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ)
★★★★☆(4.0)
つぐない 【VALUE PRICE 1800円】 [DVD]
つぐないDVDパッケージ

ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ セカンドシーズン最終回
2010年05月09日 (日) | 編集 |
セカンド・シーズンのテレビ放送、終了。

ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ最終回
まさにこんな感じ↑(^^)
よくわからんままに終わりです。
セカンドシーズンのあまりのグダグダな展開についていけず、
ほとんど観てませんでした (ーー;)

あらっ、最終回。ということで、ひさびさに観ましたけど、
中途半端にターミネーター路線を広げて、収集のつかない感じですね。
ジョン、サラ、キャメロン。キャスト的には、悪くなかったのに。
ロードムービーとか、青春ターミネーターとか、
別世界のドラマにした方が、面白かったような気がします。

◎関連記事→ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ、打ち切り決定!

ダウト ~あるカトリック学校で~
2010年05月08日 (土) | 編集 |
白か?黒か?

きつねさんか?たぬきさんか?

ダウト~あるカトリック学校で~ポスター

1964年、あるカトリック系学校に起こる疑惑にまつわる映画。
これは、この映画を観て、何を感じるか、どう考えるか、
疑惑がわき起こる自分の心を観るような作品かなと思います。

4人の人物が登場します。

ダウト~あるカトリック学校で~画像

シスター・アロイシス校長(メリル・ストリープ)
恐~い校長先生。彼女は、たいへん厳格な方で、規律が服を着て歩いてるよう。規律を守るためには、それを取りのぞかなければならない、というような考えを持つ。ただ、生徒から取り上げたラジオを勝手に自分が聞いてたりしてたけど、それは、どうなんだろ。
ある時、新任のシスター・ジェイムズから、ある黒人生徒が、フリン神父に呼ばれたあと、具合が悪そうで酒臭かったという報告を受ける。疑惑というものに、ぽっと火がつき、それが、異常なまでに燃え上がっていくのだが、途中から、フリン神父が嫌いだから、ここまで言うんだろうかとも疑問も感じてくる。

フリン神父(フィリップ・シーモア・ホフマン)
フレンドリーで開かれた教会、分かち合う家族でありたいという考えなのかと思えるが、実際のところ、どう考えてるのかわからない。フィリップ・シーモア・ホフマン、そのまんま、怪しげな人物。この学校に初めて受け入れた黒人生徒との関係を、疑われることになる。

新任のシスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)
全編を通じ、校長と神父の板ばさみとなって、出てるのが、新任のシスター。『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスが、演じてて、純心な役が、たいへんよく似合う。やってられないわ、という立場の人。

黒人生徒の母親(ヴィオラ・デイヴィス)

彼女は、母親としての考えを、切実に訴える。つまり、あなた方、二人の争いに自分の息子を巻き込まないで欲しい、息子を、暖かい目で見て守ってくれる人が必要だ、と。疑惑って?息子の将来のことを考えることが重要じゃないの?。直線上に置いた二人を、まったく違う視点から述べる重要人物。

もともと、これは、2005年のトニー賞、ピュリッツァー賞をダブルで受賞した名作戯曲『ダウト 疑いをめぐる寓話』の映像化です。抽象的な作品で、舞台役者の会話の間と、会場全体の空気を、楽しんでこそかなと思います。でも、映像の場合、役者さんの顔アップで、観れますからね。出演者の方が素晴らしいので、微妙な表情を、たっぷり堪能できます。

ダウト ~あるカトリック学校で~ DOUBT 2008【米】105分
監督・脚本:ジョン・パトリック・シャンリー
原作戯曲:ジョン・パトリック・シャンリー『ダウト 疑いをめぐる寓話』
メリル・ストリープ/フィリップ・シーモア・ホフマン/エイミー・アダムス/ヴィオラ・デイヴィス
★★★★☆(4.0)
ダウト ~あるカトリック学校で~ [DVD]

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
2010年05月08日 (土) | 編集 |
アナキン・スカイウォーカーの幼少時代の物語。

スター・ウォーズ エピソード1・ファントム・メナス_ポスター

テレビ放送してましたので、観てました。
やっぱり、面白いですねー。
リーアム・ニーソン演じるクワイ=ガン・ジンが、渋いです。
フレッシュなナタリー・ポートマンも観れました。


スター・ウォーズといえば、帝国の逆襲のポスターが、
最高にカッコいいですね。
日本人イラストレーター生頼範義(おうらいのりよし)さんが描いておられて、
この中には、夢、冒険、愛、すべてがある。


スター・ウォーズ帝国の逆襲ポスター

スターウォーズのテーマが聞こえてきそうです(^-^)

愛のむきだし
2010年05月06日 (木) | 編集 |
ヘンタイ、ばんざい!

愛のむきだしDVDパッケージ

解説:『紀子の食卓』でその才能を世界的に知らしめた園子温。本作は、実話をベースに上映時間237分の「真実の愛」を描く、無敵の純愛エンタテインメント超大作だ。主演のユウ役には、AAA(トリプル・エー)でメインボーカルを務める西島隆弘。ヒロインのヨーコ役には元Folderの満島ひかり。そして謎だらけの新興宗教団体教祖の右腕・小池役には、奥田瑛二の愛娘である安藤サクラ。

これは、もう理屈じゃない。
体の奥から、噴き上がる怒濤の愛の物語で、言葉じゃ書けない。
大長編劇画コミックを読むような感じで、
3時間57分という長さが、必要な作品ですね。

これは、満島ひかりの生身の体当たり演技に、つきるでしょう。
彼女が、女優として、鍛え上げられていくところを、
生々しく観ていくような迫力があります。
勢いがある作品ですねー。

愛のむきだし 2009年【日】3時間57分
監督:園子温
出演:西島隆弘/満島ひかり/安藤サクラ/渡部篤郎
★★★★☆(4.0) 愛のむきだし [DVD]

愛のむきだし満島ひかり
長セリフのシーンは、すざましかった!

◎満島ひかり主演 →プライド

THE WAVE ウェイブ
2010年05月05日 (水) | 編集 |
ドイツで製作されたというのが、興味深いですね。

THE WAVE ウェイブ DVDパッケージ

実在の事件をもとに、高校生たちが集団狂気にのめり込んでいった、
5日間の心理実験を描いたドイツ映画。

映画の基になったのは、1967年、カリフォルニアの高校のカリキュラムで行われた「ナチスの独裁政治を繰り返さないため、実際に独裁政治を行ってみる」という実験。1日だけのはずであったその実験は瞬く間に学校全体へ広がり、その集団は「ウェイヴ」と名付けられ、実験を始めた教師ですら制御できなくなっていた。


「独裁制」という選択授業でのお話。
現在のドイツで、独裁制なんてありえない、という生徒たちの意見を聞いた教諭。
そうかな。独裁制とは、どういうものなのか、実習で体験してみようということで、
自分が、指導者になって、独裁制の実習が始まります。

全員で、白いシャツを着たり、ウェイヴという集団名を名乗っていくうちに、
私個人ではなく、ウェイヴという集団のひとりとして、ものを考えるように変わり、自分の意志がなくなってくるみたいですね。白いシャツを着ている人間と、着ていない人間を区別しだし、他者を認めないという動きまで出てくる。

多くの学生は、集団としての一体感のノリなんですけど、普段、家に問題があったり、学校生活にうまくなじめないような生徒の中に、ウェイヴの異様な高揚感に、のめりこんでいってしまう者が出てきてしまいます。

悪気のない集団的暴力というのは、日常の学校や会社において、簡単に起こってしまいそうなことだけに恐ろしいですね。

THE WAVE ウェイヴ THE WAVE/DIE WELLE 2008年【ドイツ】108分
監督・脚本: デニス・ガンゼル
原作:ウィリアム・ロン・ジョーンズ/モートン・ルー
出演:ユルゲン・フォーゲル/フレデリック・ラウ/マックス・リーメルト/ジェニファー・ウルリッヒ
★★★☆☆(3.0)
ウェイヴ [DVD]

アイアン・ジャイアント
2010年05月03日 (月) | 編集 |
雑誌BRUTUS・12月1日号の「泣ける映画特集」で、第9位になっていて、
ほぉー、そんなにすごいのかと思い、観てみました。
うん、確かに、泣けるわ (T_T)

アイアン・ジャイアントDVDパッケージ

1957年10月、ソ連が初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功し、全米が揺れていた頃。スプートニクを横目に見ながら地球に落ちてきた巨大ロボットは、落ちてきた衝撃で記憶を失い森の中で目を覚ます。ロボットは心優しい少年・ホーガースと出会い、アイアン・ジャイアントと名付けられ社会や生命の仕組みを学んでいく…

レストランで働くお母さんと暮らすホーガース少年が、
ある日、宇宙から森に飛来した異星ロボットと出会うお話。

パッとしないデザインのロボットくん。
好奇心いっぱいの人なっつこい奴で、だんだん、かわいく見えてくる。
記憶が、まったくないので、子供みたいな奴なんですよ。
これは、ロボット本人が、
自分が何者なのか知らないということが、大きな特徴なのです。

少年と鉄人の交流がていねいに描かれていく中、
やがて、この鉄人が、己の作られた目的を知ることになります。
定番的に、超能力者やサイボーグもので、語られてきてる内容ですけど、
生まれてきた運命の悲しみを語るのではありません。

なりたいものに、なれるんだ、ということを学んだ鉄人は、
自ら、少年に示してくれます。(T_T)

少年の、夢、あこがれ、
そして、それを、かなえるのは、自分自身の強い思いなんだ、ということを、
さわやかに語ってくれる名作でした。

ノスタルジックな雰囲気が、いいですよ。

アイアン・ジャイアント THE IRON GIANT 1999年【米】86分
監督:ブラッド・バード
★★★★☆(4.0)
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アイアン・ジャイアント画像1


ちなみに、BRUTUS 12/1号、泣ける映画特集のランクは、こうなってました。
1位 道 La strada (54伊)
2位 グラン・トリノ(08米)  
3位 東京物語(53日)/悲しみは空の彼方に(59米)
4位 素晴らしき哉、人生!(46米)/ニュー・シネマ・パラダイス(89伊=仏)  
5位 エレファント・マン(80米=英)/ひまわり(70伊)
   パリ、テキサス(84西独=仏)/奇跡の海(96デンマーク)
6位 二十四の瞳(54日)/フレンチ・カンカン(54仏)/デッドゾーン(83加)
   キッズ・リターン(96日)  
7位 残菊物語(54日)/めまい(58米)/砂の器(74日)
   セントラル・ステーション(98ブラジル)
8位 赤い風船(56仏)/ルパン三世カリオストロの城(79日)
   ガープの世界(82米)/シザーハンズ(90米)
9位 サンライズ(27米)/裁かるジャンヌ(28仏)/翼にかける命(57米)
   ラブ・ストリームス(83米)/アイアン・ジャイアント(99米)


ミッドナイト・トレイン
2010年05月02日 (日) | 編集 |
何これ?
なんとなくピリッとこないけど、最後まで、目が離せなくなる。(^▽^)/
劇場大作では味わえない、珍品サスペンスが楽しめます。

ミッドナイト・トレインポスター

ある乗客の急死により、スタートする暴走列車の話です。
暴走といっても、暴走するのは人間の欲望ですよ。

それは、クリスマス・イブの日。
雪の中を突っ走る深夜特急・ナイチンゲール号の中で起こる。
巻き起こる騒動と低予算の雰囲気が、すごくマッチして、面白い。

突然、乗り込んできた乗客が、急死。
死因は、薬とウォッカの飲み合わせで、殺人事件ではない。
問題は、乗客が持っていた「箱」で、これを見たとたんに、
男性客、女性客、車掌、この三人の心が、よからぬ方向へ、
ガシャンと切り替わってしまうわけですね。
ネコババしてしまえ。と、いうことで、死体の処分に知恵を絞りはじめます。

ミッドナイト・トレイン写真1

中でも、医学生の女子、彼女の暴走っぷりが、すごくて、
メガネっ子からセクシー悪女、ついには女殺し屋となっていきます。

この「箱」が、人間の欲望を刺激するみたいで、
これに近づいた人間は、どんどん暴走列車化して、止まらなくなるのだ。

ミッドナイト・トレイン NIGHT TRAIN 2009年【米】91分劇場未公開
監督・脚本:ブライアン・キング
出演:ダニー・グローヴァー/リーリー・ソビエスキー/スティーヴ・ザーン
★★★☆☆(3.5)列車は、たぶん模型を使った撮影 (^▽^;
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