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カティンの森/KATYN
2010年05月16日 (日) | 編集 |
“思うだけでは何の意味もない”

カティンの森イメージ

本作は、自らの父親もこの事件の犠牲者の1人であるポーランドのアンジェイ・ワイダ監督が、歴史的犯罪に光を当てるとともに、国家の欺瞞に翻弄される犠牲者家族の苦悩を描き出す。
1939年9月17日、ドイツ軍に西から追われる人々と、ソ連軍に東から追われた人々が、ポーランド東部ブク川の橋の上で出くわす象徴的なシーンより始まります。

第二次大戦下、ナチス・ドイツとソ連の両方から侵略され、両国に分割占領されたポーランド。そんな中、ソ連の捕虜となったポーランド人将校のうち1万数千名の行方が不明となり、後にソ連によって虐殺されていたことが判明する。1940年春に起こった「カティンの森」事件と呼ばれる虐殺は、ソ連の支配下にあった冷戦時代のポーランドにおいて語ることの許されないものであった。

次々と登場人物が出てくるので、途中、とまどったんですが、翻弄され続けてきた当事者には、なにもわかるわけがない。そういうものであろうと、わかってくる。これは、事件を中立的に伝えたいわけでなく、生々しい声、叫びたくても叫べなかった魂を描いている作品なのだ。

登場人物の一人、アグニェシュカは、殺された兄のため、
1940年にカティンで悲劇的な死を遂げた、という一文を墓碑に刻む。
彼女は捕らえられても、意志を曲げることはない。

映し出される、無惨に叩き割られた墓碑。
意味なく殺された上に、なおも侮辱され続ける。
このシーンだけでも、
製作者や苦渋をしいられてきた人のくやしさ、怒りが伝わってきます。

堪え難き屈辱に、耐え忍んできた遺族や人々の気持ちが、ぶつけられている。

カティンの森 KATYN 2007年【ポーランド】122分
監督・脚本:アンジェイ・ワイダ
原作:アンジェイ・ムラルチク カティンの森 (集英社文庫)
出演:マヤ・オスタシャースカ/アルトゥール・ジミエウスキー/マヤ・コモロフスカ/ヴワディスワフ・コヴァルスキ/アンジェイ・ヒラ/ダヌタ・ステンカ/ヤン・エングレルト/アグニェシュカ・グリンスカ/マグダレナ・チェレツカ/パヴェウ・マワシンスキ/アグニェシュカ・カヴョルスカ/アントニ・パヴリツキ/クリスティナ・ザフファトヴィチ
★★★★★
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カティンの森ポスター
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