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プリズン211/第211号監房
2010年07月16日 (金) | 編集 |
スペインのアカデミー賞と呼ばれるゴヤ賞8部門受賞!
おっ、これは!と思い、観てみました。
◆作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、新人男優賞、助演女優賞、編集賞、音響賞

プリズン211/第211号監房DVD

刑務所の新任職員として着任したフアンは、職場で思わぬアクシデントに見舞われ、気を失ってしまう。その直後、凶悪犯が収容されている監獄で暴動が発生。気を失っていたファンは第211号監房に置き去りにされてしまう。フアンは、身を守るために囚人として振る舞うことにするが…

刑務所という特殊な舞台を利用して、社会派的ドラマを展開させてます。
ゴヤ賞受賞してるだけあって、渋い作品ですね。

囚人が、暴動を起こした目的は、脱獄のためじゃなく、待遇改善を狙ってのことなんですね。刑務所内にかかわらず、情報、武器など、欲しいものは、何でも手にはいる状態みたいで、それは、看守の中に買収されてる奴がいるということなんでしょうね。逆に、看守側も、手なづてた囚人を内通者として利用し、監獄内の動きを探ってるみたい。
今回の暴動も、テロリスト集団ETAの囚人情報を入手。彼らを人質として、自分達の要求を通そうとするものなのだ。

プリズン211/第211号監房PHOTO1

運悪く、この囚人暴動騒ぎに巻き込まれてしまったのがフアンで、
彼は、愛する奥さんが妊娠し、がんばらなければという気持ちで、この看守職を得たのだろう。
少しでも、やる気を見せようと、勤務開始前日に、見学に訪れたのだ。
それが、こんな目にあうなんて。
なぜか、第211号監房に置き去りにされて、囚人のふりをするしかなくなってしまう。

疑惑を受けつつ、フアンが近づいていく囚人のリーダーは、マラマドレという男。
マラマドレは、凶暴なだけのアホたれではない。
虐待され亡くなった囚人仲間のことを思っての要求行動のようなのだ。

政府との交渉に翻弄されていく中、この二人の、奇妙な緊張関係が、見ものですね。

プリズン211/第211号監房PHOTO2
怒りの声を上げていく弱者がフアンで、
その心情を黙って理解していってあげるのがマラマドレという感じ。
囚人、看守、テロリスト、その人物の立場がさまざまに変わっていくんです。
脚本は、面白く出来てます。


フアンの奥さん役のマルタ・エトゥラって、
助演女優賞を受賞するほどの出番はなかったように思えたけどなぁ。
それと、スペイン映画祭2009上映時は『第211号監房』というタイトルだったようです。パクリもんみたいに見えるDVDタイトルに変えなくてもいいのに。

プリズン211 Celda 211(作品賞) 2009年【スペイン】劇場未公開110分
監督:ダニエル・モンソン(監督賞)
脚本;ダニエル・モンソン、ホルヘ・ゲリカエチェバァ(脚色賞)
ルイス・トサル……………マラマドレ(主演男優賞)
アルベルト・アンマン……フアン(新人男優賞)
マルタ・エトゥラ…………エレーナ(助演女優賞)
★★★★☆(4.0)
プリズン211 [DVD]
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