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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
インシテミル 7日間のデス・ゲーム
2010年10月17日 (日) | 編集 |
『リング』の中田秀夫監督ということで、楽しみにしてました。

インシテミル7日間のデス・ゲーム_綾瀬はるかTOP
※ヤブシネマージュ様→綾瀬はるかスペシャルインタビュー

いんする 【淫する】とは
度をすごして物事に熱中する。耽溺する。おぼれること。
例:「酒色に淫する」「賭博に淫する」「書に淫する」など

淫してみる、をカタカナに変換して「インシテミル」です。
だから、いかにもな、思わせぶりの物語。
熱中しすぎて、本質を見失ってはいけません。(ーー;)

インシテミル7日間のデス・ゲーム_綾瀬はるか

インディアン人形、まだらの紐、片平なぎさがミステリーマニア主婦だったり。
本格ミステリの盛り上がりを想像させます。が、違う。
カタチだけの密室に、カタチだけの人物が集まり、
カタチだけの事件が起こります。
ただの形式世界の中へ、インしてみましょう。

(ネタばれ的に加筆しました。10/18)

時間が経つまで、じっーとしておきたいですが、いきなり、第1の殺人が起こります。
うむを言わさず解決しろと言うかのように、最初から、主催者側の圧力が強い。普通、武器を渡され、手当あり、といわれ、はい、そうですかと、人を殺さないでしょう。この空間は密室じゃないので、参加者以外の侵入者と思い込みたいですね。見ず知らずの人間に踏み込みたくないし、疑いをかける自分が、うしろめたいもん。
犯人をはずしても、ペナルティがないので、推理する必要なんてない。なんとなく犯人が欲しいだけ。探偵のつもりで言ってないのに、多数決を強要されるからね。犯人には、ボーナスがつくし、いったん、この場を解決しておこうという異様な方向に流されてしまうかもですね。
ただ、犯人がこんな扱いをされるとは予想してないので、びびると思うわ。

いったん、落ち着くと、あらゆる可能性を考え始めて、疑心暗鬼に陥っていきますよね。武器の所有が、疑いを増長させる。第2の殺人で、参加者は、苛立つが、そこに、前回の実験結果情報をもたらす参加者が出現する。この人が、真実を言ってるかどうかわかりません。
でも、ガードと主催者が、参加者共通の敵である、という認識になることは、大きいですね。いかに、自衛するか、手段をとっていく方向になるわけだけど、またしても、犠牲者が……

心理描写は、ドキドキと観れますね。
こういった展開かと思うと、恐~いモニター目線の正体って、これですか?っていう安直さだし、殺害者も、もろばれに殺人現場を見せてきたり。これでいいんだろうか、というような、かなり変わった展開をみせる。

ただ、一気に、生存者を削り過ぎじゃないかな。
人数が減って、急に緊張感がなくなってしまいましたね。
犠牲者の誰かが生きているのでは?、この施設からの脱出方法はあるのか?とか、
なにか、工夫は欲しいところでした。

ホラー監督らしく、狂気の人が襲いかかってくるシーンをクライマックスに持ってきたかったのでは、と思いますが、かんじんの終盤が盛り上がりに欠けたのは残念です。特に、第1の殺人の真相、この事件の発端である解き明かしを、あっさりと流してしまってる脚本は、もったいないですね。

それにしても、
なんで、あの人が、リムジンに乗って行ってしまったんだろ( ゚д゚)ポカーン
楽しんで観れましたけど、なんかスッキリしないですね。


あらすじ:時給11万2,000円という怪しい求人広告を見て、暗鬼館へと集まった男女10人。バイトの内容は、7日に渡る心理学の実験。24時間監視されながら7日間を過ごすこと。そして、個室にはそれぞれ異なる凶器が置かれ、何も起きずに7日間経過するか、生存者が2名になるまで暗鬼館に残らなければならない。しかし早速2日目に銃殺による死者が出てしまい、彼らは疑心暗鬼に陥っていく。

プロダクション「ホリプロ」創業50周年記念
インシテミル 7日間のデス・ゲーム 2010年【日】107分(パンフ700円)
監督:中田秀夫 脚本:鈴木智 原作:米澤穂信 インシテミル (文春文庫)
★★★☆☆(3.5)

インシテミル7日間のデス・ゲーム_キャスト
メンバーを見ても、誰が生き残りそうか、わかってしまいそうですね。(^▽^)

Room1……関水美夜(石原さとみ)トラウマを持つWEBデザイナー
Room2……渕佐和子(片平なぎさ)ミステリーマニア主婦
Room3……結城理久彦(藤原竜也)貧乏フリーター
Room4……須和名祥子(綾瀬はるか)謎の美人元OL
Room5……岩井荘助(武田真治)無口なはみだし者
Room6……橘若菜(平山あや)結婚が命のネイリスト
Room7……大迫雄大(阿部力)統率力のある研修医
Room8……真木雪人(大野拓朗)最年少の単独プレーヤー
Room9……西野宗広(石井正則)リストラにあえぐ中年
Room10…安東吉也(北大路欣也)アル中の元社長

※原作本とは、内容が変わってました。関連記事→本:インシテミル/米澤穂信

関連書籍 片平なぎさが読んでいたのは「闇に消える女(上)」?
この映画では、『そして誰もいなくなった』で、参加者の死を暗示し、『まだらの紐』で、就寝中の恐怖を連想させてます。
◎クリスティ そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
◎コナン・ドイル まだらの紐 ドイル傑作集 1 創元推理文庫
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