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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
17歳の肖像
2010年11月24日 (水) | 編集 |
知識として理解しようとした17歳。

17歳の肖像POSTER

イギリスの女性ジャーナリスト、リン・バーバーの回想録を映画化した本作。主人公のジェニーを演じたのは、撮影当時22歳の女優、キャリー・マリガン。その童顔と透明感のある佇まいで、無邪気な少女から憂いのある女性へ成長していく姿を見事に演じている。ジェニーと恋に落ちるデイヴィッドを演じたのはピーター・サースガード。少女を騙すあやしい男を、どこか一途さもある愛すべき魅力的なキャラクターに仕上げている。“スウィンギング・ロンドン”以前の60年代の閉塞感のあるイギリスがリアルに感じられる、ビターな青春物語だ。

あまり面白くなさそうな雰囲気のポスターで、
なんとなく観たが、予想以上に、面白かった。
図式や数式とかぶる学生生活の場面、素敵なオープニング画面から始まります。

聡明な少女には、退屈すぎた。
言葉や式のように、すべてを、パッパッと理解できると思ってた。
まだ見ぬ憧れのパリ、心に響くサウンド、
流れ込んでくるスピードに、17歳が、追いついてなかったのだ。

そんな彼女の前に、違う日常が、ひょっこり現れた。
違う教科書には、知らないことが、いっぱい。
でも、憧れのメッキは、はがれ落ちるスピードも速い。
彼女は、文字のない教科書を、読んだような気になっていた。
あっけない。あっけなすぎる。

知識、感情、体、ちぐはぐな彼女に、あまりにも苦い体験。

彼女自身の中に、新しい価値を放つ魅力が芽生えていたことに、まだ、気づいてなかった。学ぶことは、すぐ近くに、いっぱい。方程式のように明快でなく、近道も存在してなかったんだ。

17歳の肖像PHOTO1

振り返った時だけ、人には見えます。
肖像は、自分の後ろに、描かれていくみたいだが、
前をみる自分には、見えないですね。
でも17歳は、思い出ではない、この肖像を輝かせるためには、
そのあと、どう生きるか、ということも、大切なことですね。

17歳の肖像という日本語タイトルが、素敵だと思う。原題は、教育という意味らしいが、そんなタイトルじゃ、観る気しない。ジャーナリストらしい原作で、たぶん、活字で読むと、うざそうだが、映像になると、すごく面白いですね。それは、主演キャリー・マリガンが、魅力的だったからのように思えます。幼くも見えるし、大人な感じにも見えてしまう、不思議な雰囲気が、ばっちりでした。共演者の方々も、どっちつかずな雰囲気で、うまかったですね。

17歳の肖像 AN EDUCATION 2009年【英】100分
監督:ロネ・シェルフィグ 脚本・製作総指揮:ニック・ホーンビィ
出演:キャリー・マリガン(ジェニー)/ピーター・サースガード(デイヴィッド)/ドミニク・クーパー(ダニー)/ロザムンド・パイク(ヘレン)/アルフレッド・モリナ(父)/カーラ・セイモア(母)/エマ・トンプソン(校長)/オリヴィア・ウィリアムズ(先生)
★★★★☆(4.0)
2009年サンダンス映画祭観客賞受賞
17歳の肖像 コレクターズ・エディション [DVD]
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