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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
必死剣鳥刺し
2011年01月19日 (水) | 編集 |
豊川悦司も、吉川晃司も、カッコいい。(・∀・)
今回は、かなり異色な剣です。

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藤沢周平の短編時代小説「隠し剣」シリーズの一編を、豊川悦司主演で映画化。天心独名流の剣の達人・兼見三左エ門は、海坂藩の藩政に良からぬ影響を与える藩主の妾を殺める。しかし処分は軽いもので、その腕を買われた三左エ門は藩主の命を狙う別家の帯屋隼人正(おびやはやとのしょう)殺害の命を受ける。一方、三左エ門と血のつながりのない姪・里尾は、密かに三左エ門に恋心を寄せていた。


鳥刺し。それは、必死必勝の剣で、
その剣が現れる時、遣い手は、半ば死んでいる、という。

妻が亡くなり、子もいない兼見三左エ門。一度は、世のため、我が身を捨てたのに。これでは、墓場から、引き戻され、生きながら殺されてると同じではないか。半ば死んでいる彼の、耐えに耐えた感情が爆発した時、必殺剣が炸裂する。苦しみに苦しみ抜いた者だけが使える、哀しい必殺剣ですね。

三左エ門が、語らない死人に近いので、亡き妻の姪である里尾は、言うときは、はっきり思ったことを言う、少し違った女性の役でした。ゾンビのような三左エ門に、せっせと、生きる活力を、運んでいくような強さを持ってますね。最後の壮絶なる斬り合いは、心変わりした三左エ門の、生きよう、生きようと、あらがう姿でもあったと思います。


全体に、あまりにも、現在と過去を、行きつ戻りつしすぎだったかなー。兼見三左エ門の翻弄されていく心情の表現だと思うけど、唐突に、時間の流れをぶちきるので、情緒感を欠いてしまいますね。構成的には、残念に思いました。

必死剣鳥刺し 2010年【日本】114分
監督:平山秀幸 脚本:伊藤秀裕、江良至
原作:藤沢周平『必死剣 鳥刺し』(隠し剣孤影抄 (文春文庫) 所収)
出演:豊川悦司、池脇千鶴、吉川晃司、戸田菜穂、村上淳、関めぐみ、小日向文世、岸部一徳
★★★☆☆(3.5)
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