観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
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ぼくのエリ 200歳の少女
2011年02月26日 (土) | 編集 |
静まりかえった北欧の夜。

ぼくのエリ200歳の少女01

音なき音が、孤独な心に響いてくるといった感じだろうか。

ぼくのエリ200歳の少女03

ヴァンパイアの恐怖や哀しみと同時に、孤独な少年の切なくも美しい初恋を繊細に描ききり世界中で絶賛の嵐が巻き起こったスウェーデン発ヴァンパイア・ムービー。ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのベストセラー『モールス』を原作者自らの脚色で映画化。主演はカーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション。監督は、本国スウェーデンでテレビを中心に活躍してきたトーマス・アルフレッドソン。

ストックホルム郊外の小さな町。
12歳の少年オスカーは、夜、ひとり、ナイフを木に突き立てる。
孤独な少年の血への衝動が、招きよせたようにエリが現れる。
いじめっ子を、棒で叩いたあとの、少年の恍惚とした表情が恐い。

ヴァンパイアは、ひとりでは生きれない。
人間世界で生きていくために、庇護者を必要としており、
エリは、その人間に、受け入れて、もらわなければならない。
残酷なシーンを交えながら、
静かに、静かに、
生きることの過酷さを感じさせる、切ないお話ですね。

静寂の中でのプールのシーンが秀逸。
悲鳴すら聞こえてこない。二人の間に、雑音は存在しないのだ。

ぼくのエリ 200歳の少女 2008年【スウェーデン】115分
LAT DEN RATTE KOMMA IN/LET THE RIGHT ONE IN
監督:トーマス・アルフレッドソン 脚本:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト『モールス』 
MORSE〈上〉 MORSE〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
出演:カーレ・ヘーデブラント(オスカー)、リーナ・レアンデション(エリ)
★★★★★
ぼくのエリ 200歳の少女 [DVD]
ぼくのエリ200歳の少女02
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ちょんまげぷりん
2011年02月24日 (木) | 編集 |
ちょんまげぷりん02

タイトルが、面白いですね。ポスターも、凝ってます。

中村義洋監督が、荒木源の小説「不思議の国の安兵衛」を映画化。シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は180年前の江戸時代からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。


過去からやってきた人物が、現代文明に驚くといった趣向では、ござらぬ。
むしろ、驚くほど、順応性が高い。(・∀・)
奥のお役目を、てきぱきとこなし、スイーツ作りの才能を開花させていく。

これじゃ、ちょんまげパティシエやん、と思って観てたけど、
なるほどねぇ~、最後は、こうなるわけですか。
江戸時代から伝わる伝統の味。
生活スタイルは変われど、忘れてはならぬことがある、と指南してくれる。

コンテストは、テレビチャンピオン風でした。
『名代江戸阜凛(めいだいえどぷりん)』が、おいしそう。

ちょんまげぷりん 2010年【日】 108分
監督・脚本:中村義洋
原作:荒木源 ちょんまげぷりん (小学館文庫)
出演:錦戸亮、ともさかりえ、今野浩喜、鈴木福、佐藤仁美、忽那汐里、堀部圭亮、中村有志、井上順
★★★☆☆(3.5)
ちょんまげぷりん [DVD]
ちょんまげぷりん01

ヒア アフター
2011年02月23日 (水) | 編集 |
すべては関わりあい、つながっている。
これから先も。

ヒア アフター壁紙
3人の人物の物語。
■パリ……………………津波で死の淵を彷徨ったジャーナリスト、マリー
■サンフランシスコ……死者との対話に疲れきった霊能者ジョージ
■ロンドン………………双子の兄を亡くした少年マーカス


死後の世界のような予告編。こういう題材をイーストウッドさんは、どう描くんだろうと、鑑賞。セシル・ドゥ・フランスが出てるというのも楽しみでした。なるほど、死後の世界を感じさせ、描き出すのは、生者のドラマ。イーストウッドらしい、静かに進むテイストが、心地よい。

パリ、サンフランシスコ、ロンドン、普通に暮らしていたら、接点はなかっただろう。3人は、ある共通項を持っており、それぞれに、苦しんでいた。そんな3人が、他の世界からの働きかけがあったかのように、出会うべきして出会う。すべての世界はつながっているのだ。劇的でなく、自然と導かれていく3人を、見守っていく感覚で見れる映画でした。

ヒア アフターキャスト

私は、関西なので、阪神淡路大震災を体験しました。今、この瞬間、なにが起こっても不思議ではなく、あっけなく人は死ぬんだ、と思いました。
こういう状況になると、人間は、体ごと、切り替わるみたいで、なにかしなければならない、という気持ちに、突き動かされます。でも、自分は人の命を助けることができない、役に立たない、そういった無力感にも襲われました。
なので、マリーという方の気持ちは、なんとなくわかるような気がしました。

すごくイメージ的、感覚的に、演出されてる映画だと思います。
大津波で始まる冒頭、これは、あらがいようのない「恐怖」に押し流されてしまうイメージで、実際の災害というのは、こういうものです。
死をも体験した彼女は、現地の状況を知りつつ、さっさと帰ってしまった自分を責めることになってくる。口先の評論をしている自分の存在が、まったく無意味なものに思えてきて、ついに、彼女の看板すら消えていってしまう。なぜ、自分が生き返ったのか。私にできることは、体験を伝えることだ、と、それが使命かのように、本を書き始める。

ジョージが、つながっているのは、死者の世界かどうかはわからない。その人の持つ記憶かもしれないが、なにかが見えるんでしょう。彼は、それをもとに、語ってあげているかのようだ。
技術じゃなく感覚だ、みたいな料理教室は、たいへんエロチックな描写でしたね。同じ教室のメラニーと仲良くなるが、知らずにすむことを知るのは、つらいものがありますね。メラニーにしてみれば、いまさら死者に謝られても、困惑するだけだったんじゃないでしょうか。ジョージが、呪いだというのも、うなづけます。

マリーも、ジョージも、誰に話しても理解してもらえず、自分を喪失している二人ですね。この二人を引き合わすことになってくるのが、マーカス少年。
双子の兄を亡くした悲しみは、二人とは比べものならないほど、大きなものだと思います。死を理解していても、自分自身でもある兄が、別の世界にいってしまうというのはありえないんだろな。ジョージが、マーカスに、途中、待って、兄が戻ってきたよと、わざと創作してあげるねんね。少年は、兄の声を聞きたいし、自分の声をも受けとめてくれる人を探していたのかもしれないですね。マーカスに、必要だったのは、兄の存在と、立ち直った母の姿だったみたい。

あとで、思い返しながら整理してくと、よくわかってきますね。やんわりとした刺激のある作品で、好きでした。イーストウッドさんには、さらに違うもの、違うもの、を表現し、描いていってみて欲しいです。

ヒア アフター HEREAFTER 2010年【米】129分(パンフ800円)
監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド
脚本・製作総指揮:ピーター・モーガン 
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、ティム・ムーア
出演:マット・デイモン(ジョージ)、セシル・ドゥ・フランス(マリー)、ジョージ&フランキー・マクラレン(マーカス/ジェイソン)、ジェイ・モーア(兄ビリー)、ブライス・ダラス・ハワード(メラニー)
★★★★☆(4.0)
ヒア アフターイーストウッド

◎出演作関連記事
クリント・イーストウッド→『グラン・トリノ
マット・デイモン→『インビクタス/負けざる者たち
セシル・ドゥ・フランス→『ハイテンション』『シスタースマイル ドミニクの歌

闇の列車、光の旅
2011年02月20日 (日) | 編集 |
行き先の見えない列車は、今も走り続ける。

日系監督キャリー・ジョージ・フクナガの長編デビュー作。ホンジュラスからアメリカを目指す移民の少女と、ギャング団の一員であるメキシコ青年との魂の触れ合いを描く。出演は「イノセント・ボイス12歳の戦場」のパウリーナ・ガイタン、本作が映画デビューとなるエドガー・フロレス。
2009年サンダンス映画祭監督賞、撮影監督賞受賞。

闇の列車、光の旅_写真1
闇の列車、

闇の列車、光の旅_写真2
光の旅。

2本のレールが繋がった時、
そこに見えるもの。

少女サイラは、ギャング団を殺したカスペルに、現状を断ち切る希望のようなものを見たのかもしれない。裏切者カスペルに取り憑くものは、地の果てまでも、追ってくる死のみだ。わかってる。それでも、なにかを信じ、すがらずには、いられない。
カスペルは、サイラの行き着く先に、自分の見れなかった、希望という光を託す。

この映画、ギャング団の入団儀式から始まっていくのが恐い。体中、入れ墨だらけで、部族かのよう。決死の覚悟で移民しようとする人々から、なけなしの金をも奪い取ろうとする暗闇の集団だ。どうしようもない現実に、列車のイメージを、重ね合わせていく映画で、すごく、うまく調和されている。最後まで、スリリングな展開でした、

闇の列車、光の旅 SIN NOMBRE 2009年【メキシコ・米】96分
監督・脚本:ケイリー・ジョージ・フクナガ
出演:パウリナ・ガイタン(サリナ)、エドガール・フローレス(カスペル)
★★★★☆(4.5)
闇の列車、光の旅 [DVD]
闇の列車、光の旅_写真3

ゾンビランド
2011年02月19日 (土) | 編集 |
ささいなことを楽しめ!(ルールその32)

ゾンビランド_写真1
新型ウィルスの感染拡大により、人類の大半がゾンビと化してしまった。

ゾンビランド_ポスター1
引きこもりの青年コロンバスは“生き残るための32のルール”を作り、それを実践して生き延びていた。そんな中、コロンバスは最強のゾンビハンター・タラハシーや、美少女詐欺師姉妹ウィチタとリトルロックに出会い、ゾンビのいない夢の遊園地“パシフィックランド”を目指すのだが。

ゾンビランド_ポスター2

いいかい。
世を、生きていくルールを、僕が、レクチャーしよう。
そうだなー。
例えば、世界がゾンビワールドだったら、と想像してみて。
賢くなければ喰われてしまう、まさに、現代そのものだろ。
君は、その世界の住人で、そこを生き延びなければならないんだ。
まず、デブは、だめだね……

と、いうようなイメージの映画。
引きこもり青年が、人との出会いや体験を、愉快に、語ってくれる。

超人気アトラクション「ゾンビランド」を、
ナビゲーターに、導かれ、進んでいくようなものだ。
ルールは、既存のホラー映画から、おたく青年が、あみだしたもので、
後部座席を確認しろ、なんていう、いかにもなものから、
ストリップクラブは避けろ、みたいなものまであって、笑えますね。


でも、ルールは絶対ってわけじゃなくて、
素敵な彼女とキスしたいなら、時には破らないと、って、ことらしいのだ。

ゾンビランド ZOMBIELAND 2009年【米】87分
監督:ルーベン・フライシャー
出演:ウッディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、エマ・ストーン、アビゲイル・ブレスリン、ビル・マーレイ
★★★★☆(4.0)サクッと楽しめる。
ゾンビランド_トゥインキー
これが、 "トゥインキー" だそうです。

幸せの始まりは
2011年02月18日 (金) | 編集 |
ドタバタでなく、そつない会話劇。

幸せの始まりは_Photo2

解説:ソフトボール選手として20代のすべてをチームにささげたヒロインが31歳にして戦力外通告を受け、新たな出会いや人生を求めて幸せ探しに奔走するラブストーリー。『愛と追憶の日々』のアカデミー賞監督ジェームズ・L・ブルックスが、アカデミー賞女優リース・ウィザースプーンを主演に迎え、最悪の人生から脱却しようとするアラサー女性の姿をリアルに描く。

どうしていいかわからなくなったリサ。
この人が、ほんとにキャプテンだったの?、というほど、情緒不安定。

明確に色分けされた二人の男性が登場します。
メジャーリーガーのマティ(オーウェン・ウィルソン)
何人ものガールフレンドがいるお調子者。
青年実業家のジョージ(ポール・ラッド)
貿易会社を父と共同経営をしている。が、国税庁のメスが入り、
父の代わりに収監される危機に立っている。いいわけが多く優柔不断な人。

幸せの始まりは_Photo2

以前のリサなら、ジョージみたいな頼りないタイプは興味なかったけど、
いざ、同じような立場になると、ジョージの言ってることが、なんとなく、わかる。
そして、現彼氏のマティが、変な男に見えてくる。
マティは、君が僕にとっての一番だと言うけど、
それは、あなたの求める私であって、私が求める自分じゃない。

スポーツ的理解や判断をしてきた彼女が、
答えを求めて、焦ってる感じかな。
極端な設定のわりに、交わされる会話は、ごく普通で、
今一度、悩んでみることから始めようみたいなドラマ。
上品で、オーソドックスな感じですけど、上映時間が長すぎて、つらい。

ジャック・ニコルソンは、ほぼ不要な役で、
大物俳優さんの場面を増やすための設定にしか思えなかった。

幸せの始まりは HOW DO YOU KNOW 2010年【米】121分
監督・脚本:ジェームズ・L・ブルックス
出演:リース・ウィザースプーン、オーウェン・ウィルソン、ポール・ラッド、ジャック・ニコルソン
★★★☆☆(3.0)

シスタースマイル ドミニクの歌
2011年02月18日 (金) | 編集 |
シスタースマイルドミニクの歌_Photo1

♪ドミニク、ニク、ニク、
楽しそうにすすむ
歌をくちずさみながら
見返りを求めず、神について語る
神の教えを語り続ける♪


劇中、何度も歌われるこの曲の歌詞が、
彼女の気持ちに合わせるかのように、変わっていく。

1960年頃、世界中で大ヒットしたナンバー『ドミニク』という歌があったそうです。♪ドミニク、ニク、ニク~のフレーズが、たいへん親しみやすく、いい歌ですね。
この原曲を歌っていたのが、ベルギーのドミニコ教会修道院のシスター。自由を渇望しながら叶わず、逆に出口の見えない袋小路に追いつめられて行く彼女の知られざる数奇な半生を描いています。

シスタースマイルドミニクの歌_Poster
ギターを片手に修道院に入る道を選んだジャニーヌ・デッケルス。彼女を演じるのはベルギー出身の人気女優セシル・ド・フランス。ホラー映画『ハイテンション』というものにも出演されている女優さんで、情緒不安定なレズビアン女性を演じています。主役ジャニーヌを演じるには、ぴったりの方でした。

たいへん純粋で、自分の生き方を求め続けた女性ですね。
当時としては、はやく結婚して家庭の中で生きなさい、芸術家なんてとんでもない、という母親のような考えが一般的なんでしょう。神が与えてくれた歌という才能、ジャニーヌは、自分の素直な気持ちや考えを歌い、聞いてもらいたい、と願う。が、人々が愛したのは、歌うシスターという虚像でしかなかった。現実から目をそらし、思い込みのままに反発してしまう彼女の姿勢は、体制的なレコード会社や教会と、敵対してしまうことになる。

愛されることを望んだ彼女は、学生時代からの親友アニー・ペシェルのもとに、身を寄せ、人生を終えるのだが、母と最期まで、相容れることができなかったというのは、悲しいですね。融通がきかず、頑固なところは、母に似ていたのかもしれません。

シスタースマイル ドミニクの歌 SOEUR SOURIRE 2009年【仏・ベルギー】124分
監督:ステイン・コニンクス
出演:セシル・ドゥ・フランス(ジャニーヌ)、サンドリーヌ・ブランク(アニー)
★★★★☆(4.0)
シスタースマイル ドミニクの歌 [DVD]
シスタースマイルドミニクの歌_Photo2

蛇のひと
2011年02月16日 (水) | 編集 |
これは、ミステリー風のオリジナル脚本が、素晴らしい。
人の心の迷宮へ、連れて行ってくれます。

蛇のひと_ポスター

陽子(永作博美)が出社すると、部長(國村隼)が自殺、課長の今西(西島秀俊)までが行方不明になっていた。部長の葬儀を済ませた後、彼女は副社長に呼ばれ、今西に横領の疑いがあると告げられる。陽子は上司である彼の行方を捜すよう言い渡される。第2回WOWOWシナリオ大賞受賞作品です。

捜索を進めるうちに、今西に関わった人物は、微妙に、不幸になっていることがわかってくる。いかにも、その人の為を思って言ったかのような今西の言葉。今西が、意識して、言っているのか、いないのか、それがわからず、恐いですね。

『夜、口笛吹いたら、蛇、出るでっ。』
今西の言葉は、人の心に眠る蛇を、呼び覚ますみたいやね。
受け取る人間の、心持ちによって、大きく、結果は、違ってくる。
暗い会社の階段や曲がりくねった高速道路、
映し出される蛇のような背景も、不気味さを増してます。

サバサバとした印象の永作博美が、中立的な目線で見ていくのが、
秀逸なドラマになってたと思います。

蛇のひと 2010年【日】112分(WOWOWドラマ/2010年9月25日劇場公開)
監督:森淳一『重力ピエロ』 脚本:三好晶子
出演:永作博美、西島秀俊、國村隼、板尾創路、劇団ひとり、田中圭
★★★★☆(4.0)蛇のひと [DVD]
蛇のひと_写真1

あしたのジョー
2011年02月13日 (日) | 編集 |
「あそこでとどめのアッパーで来るとはな、さすがに力石だ」

拳を交えた者しかわからない。
互いに、微笑み合う二人が、カッコいい!

あしたのジョーTOP

原作・アニメとも名作中の名作。コミック全巻、劇場版ビデオも、持ってます。これは、偉大なる王者みたいなものだ。「リングには世界一の男がおれを待っている。」決して、恥ずかしくない試合をしようと、真摯に取り組んだ挑戦者といった感じの映画でした。
伊勢谷友介と山下智久の絞り込まれた肉体、ボクシング好きの香川照之の熱さ、この思いは、十分に伝わった。原作の精神は、しっかり受け継がれ、表現された作品だと思います。

なんといっても、香川照之の丹下段平。出てきた瞬間から良かった。ボクシングしか生きる術を知らない男の哀れさがリアル。体の動きも良く、ボクシングマニアのこの方がキャステングされてるのが、全体に大きく影響してますね。

伊勢谷友介の減量は、すごくて、これだけでも見る価値あり。力石のボクシングに対する姿勢、美学が、矢吹に影響を与えていくわけで、力石戦までは、力石が主役みたいなもんですからね。矢吹との引き分けを許せないのは、決して、口に出せない白木葉子への想いでもあるんだな、というのは、実写でよくわかったような気がする。

原作の白木葉子というのは、かなり特殊なキャラクターで、愛する男に、次から次へと強敵をぶつけ、興奮を覚えているかのような恐い女だ。映画では、ジム所属のウルフ金串を矢吹にぶつけたり、矢吹に試合をやめて、とお願いするシーンもある。脚本を書かれてる方は、かなりの原作ファンなんだろうと思う。香里奈の白木葉子は、原作とは別キャラの強い女性にして、無難に残したんでしょうね。

山下智久のジョーは、やんちゃなジョーではないが、これは、これで、ジョーだった。漫然と社会に反発し、無気力なだけの彼。ジョーは、貧乏の淵から成り上がる夢を見てるわけではない。リング上で、傷つき、生きている手応えを実感し、喜びを得るのだ。
ジョー&段平の見る『あした』は、誰しもが感じたいと願うもので、現代へのメッセージとしても、良かったと思います。

求めるのは、勝利でも名誉でもない。純粋に、燃え上がる美しき瞬間を描く物語だから、これで完結するのがいいと思います。ストーリーを追う続編は、絶対に作って欲しくないですね。

あしたのジョー 2011年【日】131分(パンフ600円)
監督:曽利文彦 脚本:篠崎絵里子
原作:ちばてつや あしたのジョー(1) (講談社漫画文庫)
出演:山下智久(矢吹丈)、伊勢谷友介(力石徹)、香川照之(丹下段平)、香里奈(白木葉子)、勝矢(マンモス西)
★★★★☆(4.0)
※宇多田ヒカルの主題歌は、全然、合わなかった。

あしたのジョー丹下段平

横山秀夫サスペンス VOL.2 WOWOWドラマ
2011年02月10日 (木) | 編集 |
4人の男、4つの謎として、短編集から選りすぐった4本を映像化。
玉山鉄二、渡部篤郎の、VOL.2も、見応えありました。


3人目の男「自伝」……………………《玉山鉄二》
横山秀夫サスペンスVOL.2_写真2
売れないライター・只野正幸が、兵藤電機会長の自伝を書くことになる。この会社は、縁故採用はいっさいなし。採用にあたって、会長・兵藤興三郎が厳しく面接しており、自伝を書くライターも、面接により吟味される。主人公は、話下手な暗い男で、まぁ、だめだろうなぁと思われる人物なんだけど、なぜか、気に入られる。
この会長の真意は、いったい何なのか?結局、ライター・只野は、自分自身の自伝を書いていたという話で、会長との面談がスリリング。主人公の思いこみが、ある時、一気にくつがえされ、そうだったのか、と気づかされるパターンで、横山秀夫らしい作品。

4人目の男「他人の家」………………《渡部篤郎》
横山秀夫サスペンスVOL.2_写真1
ある街に引っ越してきたなにか理由ありそうな夫婦。男の名は、貝原英治といい、強盗傷害事件の前科があったのだ。罪は償ったが、その過去は消すことができず、ずっと苦しみ続けている。この夫婦は、毎朝、川辺のゴミを拾っているのだが、そこで出会った佐藤老人より、ある提案を持ちかけられる。自分の養子に入り、家を受け継いでもらえないかと言うのだ。
そんなうまい話があるのか?なにか、怪しい。他人の家は、しょせん、他人の家ということみたい。真相自体は、さほど重要でなく、つきまとう過去に追い込まれていく夫婦の愛情が、切実に描かれています。渡部篤郎は、影のある役がよく似合う。


4本とも良質のドラマだったと思います。無理矢理、二時間サスペンスに間延びさせず、短編としての魅力を、一時間ドラマで、活かしてるのが、好感をもてますね。

■自伝(監督:水谷俊之 脚本:横幕智裕、水谷俊之)真相 (双葉文庫)
出演:玉山鉄二、紺野まひる、和田聰宏、田中哲司、原日出子、長塚京三
■他人の家(監督:水谷俊之 脚本:横幕智裕、水谷俊之)看守眼 (新潮文庫)
出演:渡部篤郎、戸田菜穂、高杉亘、黄川田将也、小野武彦、伊東四朗
★★★★☆(4.0)
横山秀夫サスペンス DVD-BOX

関連記事→『横山秀夫サスペンス VOL.1

デス・レース2
2011年02月09日 (水) | 編集 |
「デス・レース」の序章となる物語で、製作は、前作と同じく、ポール・W・S・アンダーソン。これは、リリースを楽しみにしてました。

デス・レース2ポスター
主演ルーク・ゴス、ナビおねえさんに、タニット・フェニックス。

近未来のアメリカ。経済が破綻し始め、巷には凶悪な犯罪が後を絶たない。増加する犯罪者たちを収容するため、民間が営利目的で運営する刑務所が次々と造られていた。なかでも極悪犯たちが集まる刑務所ターミナル・アイランドでは、囚人たちのデスマッチを企画し、そのテレビ放映で収益を上げていた……

今回、ターミナルアイランドにほうりこまれるのが、主人公ルーク。
マフィアのメンバーであるルークは、ボスの命令で、銀行に押し入るが、部下のドジで失敗。部下を逃がし、自分一人だけが警察に捕まることを選択する。ボスの関与を証言しろ、と司法取引を持ちかけられるが、だんこ拒否。悪党だが、ルークは、筋のとおった奴なのだ。

デスマッチは、どうも視聴率が伸びない。野心家プロデューサーみたいな女が考えた次なる手が「デス・レース」。凶悪犯罪者であっても、5回勝ったら、自由の身を与えることにしようと、社長のゴーサインが出る。一方、塀の外では、口封じのためルークを抹殺せよ、と、ボスからの命令がくだされる。

デスレース2写真3

かくして、始まった第1回デスレース。
マシーンは、前作のを利用してるので、やってることは、おんなじ (^▽^)
でも、前作より、エントリー台数が増え、レース場面も多いので、迫力ありますよ。

物語は、謎の覆面レーサー、フランケンシュタイン誕生秘話につながっていく。
なるほど~。ポール・W・S・アンダーソンは、
オリジナルに登場する伝説の王者フランケンシュタインを描きたかったんですね。
ファン向けのオリジナルビデオ作品、B級だけど、上出来で楽しめます。

デス・レース2 DEATH RACE 2 2010年【米】110分 オリジナルビデオ
監督:ロエル・レイネ 製作:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ルーク・ゴス、ヴィング・レイムス、ショーン・ビーン、ダニー・トレホ
★★★☆☆(3.5)
デス・レース2 [DVD]
デス・レース2写真2

関連記事→『デス・レース』『デス・レース2000年

ウォール・ストリート
2011年02月08日 (火) | 編集 |
ウォール・ストリート1
あのゴードン・ゲッコーが帰ってきた。
かつての、でっかい携帯電話が、どすんという重量感のある音とともに、
置かれるところは、良かったですよ。


ウォール・ストリートポスター

物語:『ウォール街』の続編。金融マンとして若くして成功し、婚約者ウィニー(キャリー・マリガン)と何不自由ない暮らしをしていたジェイコブ(シャイア・ラブーフ)。しかし、勤めていた会社が突然、破たん。彼は職を失い、自身の資産を失い、恩師として敬愛する経営者までも自殺で失ってしまう。失意のドン底で助けを求めたのは、婚約者の父で伝説の投資家ゴードン(マイケル・ダグラス)だった。その後、会社の破たんは仕組まれたものと知ったジェイコブは、その黒幕への復讐心を強くしていくのだった。

しかし、本編は、まったくの拍子ぬけ。
ゲッコーが、まったく活躍しないんですよ。
これでは、つまらんです (ーー;)

欲は善だと言い切った、かつての投資家ゲッコーでさえ、かわいらしく見えてしまうのが、現在の、複雑怪奇な金融システムという巨悪だと思います。金融世界というのは、なんの価値も生み出さないし、社会の役にも立ってないですよね。

株価暴落が始まる中、世界的金融危機をも予測していたという凄腕ゲッコーさんが、どう仕掛けるのか、というのを観客は期待してるわけですやん。それなのに、誰もが知っている金融危機の状況を、ただなぞっていくだけ。新しい観点がないので、当然、ゲッコーさんの活躍する場もないです。

話は、なぜかわからんけど、娘の口座になっていく。ゲッコーさんなら、その口座を狙わずとも、株価大暴落時に、莫大な利益を出せてると思うねんけど。

ゲッコーの最終的な狙いは、こじれた娘ウィニーとの関係修復で、これは、株価操作よりむずかしいね。娘の婚約者ジェイコブの気持ちをも利用し、失われた時をも取り返したゲッコーって恐ろしい、という結末だろうけど、スケールがちっちゃすぎる。お孫さんと笑ってすごすゲッコーさんの大団円を観せられてもしかたないですよ。

なんだか、煮え切らない散漫な映画だったと思います。
人は、ゲッコーさんの言葉を聞きたいんですよ。
人は、過去の事例じゃなく、未来に向かっての価値を作りたいんですよ。
ゲッコーさんが帰ってくる意味が、全然なかったですね。

ウォール・ストリート Wall Street: Money Never Sleeps 2010年【米】133分
監督:オリバー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、キャリー・マリガン、ジョシュ・ブローリン、スーザン・サランドン、フランク・ランジェラ
★★☆☆☆ 
※ゲッコーさんの講演会を聞きたかったわ。
※チャーリー・シーンが出てきたところは、面白かったです。

ウォール・ストリート2

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
2011年02月05日 (土) | 編集 |
ブタ野郎は許さない!
いよいよ、ミレニアム・サーガ完結です。

ミレニアム3眠れる女と狂卓の騎士_Photo1

宿敵と対決したリスベット(ノオミ・ラパス)は相手に重傷を負わせたが、自らも深手を負い病院に収容される。一方、政府公安警察内の秘密組織「特別分析班」は、事件を通じて自分たちの秘密が発覚するのを恐れ、関係者抹殺に動き出す。多くを知りすぎたミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)にも危険が迫るが、仲間を集め巨大な陰謀を解明しようと奔走する。

一転して、狙われていく立場となるリスベット&ミカエル。
ドキドキの第3作目は、観応えありました。

リスベットとミカエルが、呼び覚ましてしまったのは、
旧国家体制の亡霊ともいえる、じじいども。
国家をも揺るがすとか抜かしやがるが、
こういうのにかぎって、たいした秘密ではないはずだ。
我が身かわいい亡霊どもは、リスベットもろとも秘密を闇に葬り去ろうとする。
雑誌ミレニアムで暴露しようとするミカエルたちにも、魔の手が迫ってきます。
脅しに屈した編集長が出版をあきらめる中、
いよいよ、リスベットの裁判が始まる。

一人であっても決して屈しないリスベットは、
モヒカンにパンクファッション。外見そのものも、怒りの反逆者だ。
卑劣な相手のブタ野郎が、憎たらしい奴でね。
相手への怒りを抑え、ひややかに見据えながら、
知的にやりこめていくリスベットが、カッコいいです。


無口なリスベットが、ミカエルに、ありがとう、というのは、良かったですね。
得体の知れない巨悪イメージの銀髪巨人を倒し、
やっとリスベットの長い闘いも終わったということかな。

この物語の続きは、書かれることがなく、
これで、リスベットとミカエルにもお別れというのが残念でなりません。
彼女が背負う龍の謎は最後まで明かされることはない。

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 2009年【スウェーデン】148分
Luftslottet Som Sprangdes/The Girl Who Kicked The Hornet's Nest
監督:ダニエル・アルフレッドソン 脚本:ヨナス・フリュクベリ
出演:ノオミ・ラパス、ミカエル・ニクヴィスト、レナ・エンドレ、アニカ・ハリン
★★★★☆(4.5)
ミレニアム3眠れる女と狂卓の騎士_Photo2
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原作:ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 上 ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 下

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ウォール街<特別編>
2011年02月02日 (水) | 編集 |
欲は、善なり。 続編公開にそなえて、前作を鑑賞。

ウォール街<特別編>

監督オリバー・ストーン。一攫千金を夢見る若き証券マン、バド(C・シーン)は、業界のフィクサー的存在である大富豪ゲッコー(M・ダグラス)に取り入ろうと必死だった。父(M・シーン)の勤める航空会社の情報を流したことによって、その夢はかなえられ、バド自身も大金を手にする。
マイケル・ダグラスは、第60回アカデミー賞主演男優賞を受賞しています。


若き証券マン・バドが、カリスマ投資家ゲッコーと、実直に働く父との間で、揺れ動く物語なんだけど、マイケル・ダグラスが、強烈なので、これは、もう、ゲッコーが主役ですね。

電話1本だけで、巨万の富が動く。
数字が上下してるだけで、そこに、何の価値も、生み出されていない。
証券取引所のコンピューター化が進みはじめた頃のお話で、
ゲッコーが使う携帯電話が、大きいっ。
でも、マイケル・ダグラスが持ってると、カッコいい。

オフィスの電話で指示を出す立ち振る舞いや、株主総会で自説を演説するシーンは、
すごく様になってて、いかにも、非情な投資家という感じでしたわ。

ウォール街 WALL STREET 1987年【米】126分
監督:オリバー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス/チャーリー・シーン/ダリル・ハンナ/マーティン・シーン
★★★★☆(4.0)マイケル・ダグラスの威圧感が良かった。
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