2011年02月08日 (火) | 編集 |

あのゴードン・ゲッコーが帰ってきた。
かつての、でっかい携帯電話が、どすんという重量感のある音とともに、
置かれるところは、良かったですよ。

物語:『ウォール街』の続編。金融マンとして若くして成功し、婚約者ウィニー(キャリー・マリガン)と何不自由ない暮らしをしていたジェイコブ(シャイア・ラブーフ)。しかし、勤めていた会社が突然、破たん。彼は職を失い、自身の資産を失い、恩師として敬愛する経営者までも自殺で失ってしまう。失意のドン底で助けを求めたのは、婚約者の父で伝説の投資家ゴードン(マイケル・ダグラス)だった。その後、会社の破たんは仕組まれたものと知ったジェイコブは、その黒幕への復讐心を強くしていくのだった。
しかし、本編は、まったくの拍子ぬけ。
ゲッコーが、まったく活躍しないんですよ。
これでは、つまらんです (ーー;)
欲は善だと言い切った、かつての投資家ゲッコーでさえ、かわいらしく見えてしまうのが、現在の、複雑怪奇な金融システムという巨悪だと思います。金融世界というのは、なんの価値も生み出さないし、社会の役にも立ってないですよね。
株価暴落が始まる中、世界的金融危機をも予測していたという凄腕ゲッコーさんが、どう仕掛けるのか、というのを観客は期待してるわけですやん。それなのに、誰もが知っている金融危機の状況を、ただなぞっていくだけ。新しい観点がないので、当然、ゲッコーさんの活躍する場もないです。
話は、なぜかわからんけど、娘の口座になっていく。ゲッコーさんなら、その口座を狙わずとも、株価大暴落時に、莫大な利益を出せてると思うねんけど。
ゲッコーの最終的な狙いは、こじれた娘ウィニーとの関係修復で、これは、株価操作よりむずかしいね。娘の婚約者ジェイコブの気持ちをも利用し、失われた時をも取り返したゲッコーって恐ろしい、という結末だろうけど、スケールがちっちゃすぎる。お孫さんと笑ってすごすゲッコーさんの大団円を観せられてもしかたないですよ。
なんだか、煮え切らない散漫な映画だったと思います。
人は、ゲッコーさんの言葉を聞きたいんですよ。
人は、過去の事例じゃなく、未来に向かっての価値を作りたいんですよ。
ゲッコーさんが帰ってくる意味が、全然なかったですね。
ウォール・ストリート Wall Street: Money Never Sleeps 2010年【米】133分
監督:オリバー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス、シャイア・ラブーフ、キャリー・マリガン、ジョシュ・ブローリン、スーザン・サランドン、フランク・ランジェラ
★★☆☆☆
※ゲッコーさんの講演会を聞きたかったわ。
※チャーリー・シーンが出てきたところは、面白かったです。

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