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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
イリュージョニスト
2011年11月12日 (土) | 編集 |
移りゆく時代。アリスは、最期の観客だったかのよう。

三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーシリーズ。
イルージョニスト_ポスター
解説:『ぼくの伯父さん』をはじめ、生涯にわずか6作品を監督し、今なお世界中で愛され続けているフランスの喜劇王ジャック・タチ。彼は、「FILM TATI No. 4」という娘に捧げた1本の脚本を遺していた。半世紀にわたりフランス国立映画センターで眠り続けていたこの幻の脚本に息吹を与えたのは、長編デビュー作『ベルヴィル・ランデブー』で脚光を浴びたシルヴァン・ショメ監督。

街には、ロックが溢れ、時代が激動しつつある1950年代のパリ。
時代遅れの老いぼれ手品師タチシェフは、スコットランドの田舎街で、貧しい少女アリスと出会う。アリスには、手品師タチシェフが、「魔法使い」のように思え、彼の後を追っかける。彼女に生き別れた娘の面影を見るタチシェフは、エジンバラの街で一緒に暮らし始めるのだが。

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前作『ベルヴィル・ランデブー』と同じく、セリフのないアニメーション。
美しく描かれた街の風景の中を、人物の振る舞いや、やりとりで魅せていく、といった作品で、アップで表情を見せる作品ではない。引き気味のカメラで、まったく言葉の通じない二人を追うような距離感が、客観的で切ない。

今では、もう誰も、彼の手品を喜んでくれるお客さんはいない。
そんな彼の前に現れたアリス。
たった一人のお客さんに喜んでもらおうとするかのように、
娘のようなアリスに接していく。
アリスにとっては、きらびやかな街で、見るもの、聞くものが、
すべて、新鮮で、まるでイリュージョンのよう。

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でも、お客さんの移り気ははやく、
満たされたアリスは、恋にときめきをおぼえ始めてしまう。

「魔術師はいない」と書かれた手紙は、
タチシェフ自身が、自分に宛てた手紙かのようだ。
ひとつの時代が終わりを告げるかのような、
アニメーションならではの、もの悲しい作品です。

イリュージョニスト L'illusionniste 2010年【英・仏合作】80分
監督・脚色・キャラクターデザイン:シルバン・ショメ
オリジナル脚本:ジャック・タチ
★★★★☆(4.0)
イリュージョニスト [DVD]
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