2012年11月19日 (月) | 編集 |
湊かなえ原作を、黒沢清監督で撮った連続ドラマW。

あらすじ:15年前、ある田舎町で小学生の少女エミリが男に殺される事件が発生。直前までいっしょに遊んでいた(小俣絵里佳、木村真那月、菊池和澄、柴田杏花)は第一発見者になる。エミリの母・麻子(小泉今日子)は、目撃した犯人の顔をよく思い出せない4人を責め「犯人を見つけなさい。でなければ、私が納得できるような“償い”をしなさい。」と激情の言葉を投げつける。事件への恐怖、麻子の言葉へのショックを抱えながら、それぞれの道を歩み大人になった4人(蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴)。「“償い”とは何か?」という呪縛にとらわれてきた彼女たちは、やがて連鎖する悲劇を引き寄せていく。

エミリ(木村葉月)の母・麻子(小泉今日子)は、4人の少女(小俣絵里佳、木村真那月、菊池和澄、柴田杏花)に、「犯人を見つけなさい。でなければ、私が納得できるような“償い”をしなさい。」という激情の言葉を投げつける。
小学生に向かって、そんな無茶なっ、というとこですな。
4人の少女にとっては、うちとは、全然違う〜っていう
同級生のきれいなお母さんだったわけですよ。
その人が、突然、豹変してしまう。
この言葉をまともに受け止めてしまう少女もいれば、気にもとめない少女もいる。
出てくる女性(蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴)は、
みな一様に、どこか欠けているような人物。
起こる出来事は、彼女達の人格からきてるものなのか、
15年前の事件と関わっているものなのか、はっきりはしない。
でも、麻子が投げかけた言葉は、彼女達の心の奥底にあるはずだ。
贖罪をすることで、自分の不完全さをおぎなえるのではないか、
と、もがいてるような気がしました。
黒沢清監督の、無感情なセリフや立ち振る舞いの演出によって、
見えない感情を感じさせていくホラーで、これは面白かった。
麻子自身も、時には優しく、時には冷淡。贖罪をしろと言った本人でありながら、どうしていいかわからないと漏らしてしまったりしてしまう。
画面の向こうにうずまいているものが、湊かなえの世界という感じがしますね。
「告白」と同じく、世界観が、うまく表現されていたと思います。
脚本・監督:黒沢清
原作:湊かなえ 贖罪 (双葉文庫)
出演:小泉今日子、蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴、香川照之
<前篇>第1話「フランス人形」(75分)/第2話「PTA臨時総会」(50分)
<中篇>第3話「くまの兄妹」(50分)/第4話「とつきとおか」(50分)
<後篇>最終話「償い」(75分)
★★★☆☆(3.5)それぞれの15年後を描く前篇と中篇が面白いです。

贖罪 DVDコレクターズBOX(初回生産限定)

あらすじ:15年前、ある田舎町で小学生の少女エミリが男に殺される事件が発生。直前までいっしょに遊んでいた(小俣絵里佳、木村真那月、菊池和澄、柴田杏花)は第一発見者になる。エミリの母・麻子(小泉今日子)は、目撃した犯人の顔をよく思い出せない4人を責め「犯人を見つけなさい。でなければ、私が納得できるような“償い”をしなさい。」と激情の言葉を投げつける。事件への恐怖、麻子の言葉へのショックを抱えながら、それぞれの道を歩み大人になった4人(蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴)。「“償い”とは何か?」という呪縛にとらわれてきた彼女たちは、やがて連鎖する悲劇を引き寄せていく。

エミリ(木村葉月)の母・麻子(小泉今日子)は、4人の少女(小俣絵里佳、木村真那月、菊池和澄、柴田杏花)に、「犯人を見つけなさい。でなければ、私が納得できるような“償い”をしなさい。」という激情の言葉を投げつける。
小学生に向かって、そんな無茶なっ、というとこですな。
4人の少女にとっては、うちとは、全然違う〜っていう
同級生のきれいなお母さんだったわけですよ。
その人が、突然、豹変してしまう。
この言葉をまともに受け止めてしまう少女もいれば、気にもとめない少女もいる。
出てくる女性(蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴)は、
みな一様に、どこか欠けているような人物。
起こる出来事は、彼女達の人格からきてるものなのか、
15年前の事件と関わっているものなのか、はっきりはしない。
でも、麻子が投げかけた言葉は、彼女達の心の奥底にあるはずだ。
贖罪をすることで、自分の不完全さをおぎなえるのではないか、
と、もがいてるような気がしました。
黒沢清監督の、無感情なセリフや立ち振る舞いの演出によって、
見えない感情を感じさせていくホラーで、これは面白かった。
麻子自身も、時には優しく、時には冷淡。贖罪をしろと言った本人でありながら、どうしていいかわからないと漏らしてしまったりしてしまう。
画面の向こうにうずまいているものが、湊かなえの世界という感じがしますね。
「告白」と同じく、世界観が、うまく表現されていたと思います。
脚本・監督:黒沢清
原作:湊かなえ 贖罪 (双葉文庫)
出演:小泉今日子、蒼井優、小池栄子、安藤サクラ、池脇千鶴、香川照之
<前篇>第1話「フランス人形」(75分)/第2話「PTA臨時総会」(50分)
<中篇>第3話「くまの兄妹」(50分)/第4話「とつきとおか」(50分)
<後篇>最終話「償い」(75分)
★★★☆☆(3.5)それぞれの15年後を描く前篇と中篇が面白いです。

贖罪 DVDコレクターズBOX(初回生産限定)
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2012年11月11日 (日) | 編集 |
やつらに勝ちは渡さない。

解説:アメリカで驚異の2,000万部以上のベストセラーとなった、スーザン・コリンズの小説を基に映画化したサバイバル・スリラー。独裁国家となったアメリカで実施される、 プレイヤーたちが一人になるまで殺し合うゲームの出場者となった少女が、決死の戦いに臨む姿をスリリングに活写する。『ウィンターズ・ボーン』のジェニファー・ローレンスが主人公にふんし、弓矢を駆使したアクションを披露。監督を務めるのは『シービスケット』のゲイリー・ロス。
貧しき地区に住む16才の少女カットニス。
彼女は、亡くなった父に代わり、禁断の森で狩りをし、母と妹を養っていた。
日々の糧を得る事に懸命だった少女が、
プレイヤーに志願したことで、初めて現実を知ることとなる。
初めて見る豪勢な食事、きらびやかな街、醜悪な姿の富裕層ども。
少女の目には、それは、どう映ったのか?
原作は、一人称で書かれている作品だそうで、抑圧された少女の気持ちが、描かれている作品でしょう。原作者が、脚本にも関わっており、原作の持つ感覚は、うまく映像化されているのでは、と思います。
この少女カットニスの胸の奥を表現するのは、
ジェニファー・ローレンスしかいないでしょう。
固く不安そうな表情ながら、
しっかりと見据えた目に、芯の強さを感じさせる。
表情の奥にドラマを見せていく女優さんですね。

ゲームに勝つには、スポンサーに気に入らなければならない。不器用な自分にそんなことができるのか、カットニスは、最初こそ、とまどうが、彼女は、決して媚びないという姿勢を選ぶ。都合良くルールを変える支配者どもの望む勝利者にはなるつもりはないのだ。自らの意志と行動によって、勝ちを引き寄せる。
くさるほど作られているサバイバルゲーム映画を、いまさら作ってもしかたないですからね。これは、ジェニファー・ローレンスあってこその映画。彼女の持ち味が活かされた作りで、良かったと思います。
続編 The Hunger Games : Catching Fire (2013) も、楽しみですね。
次は、歴代勝者が闘うゲームらしいです。
監督は「アイ・アム・レジェンド」のフランシス・ローレンスに代わるみたいですが、原作者が製作・脚本には関わっていくシリーズなので、基本テイストは、だいじょうぶでしょう。
◎ピータ役は、「テラビシアにかける橋」のジョシュ・ハッチャーソン。また、第二地区のナイフ投げ少女クローブは、「エスター」のイザベル・ファーマンです。
The Hunger Games 2012年【米】143分(パンフ600円)
監督:ゲイリー・ロス
脚本:ゲイリー・ロス、スーザン・コリンズ、ビリー・レイ
原作:スーザン・コリンズ ハンガー・ゲーム(上) ハンガー・ゲーム(下)
ジェニファー・ローレンス(カットニス・エバディーン)
ジョシュ・ハッチャーソン(ピータ・メラーク)
リアム・ヘムズワース(カットニスの友達ゲイル・ホーソーン)
ウッディ・ハレルソン(50回大会の勝者 教育係・ヘイミッチ・アバナシー)
エリザベス・バンクス(カットニスの付添人兼PR担当・エフィー・トリンケット)
レニー・クラビッツ(カットニスのスタイリスト・シナ)
スタンリー・トゥッチ(テレビインタビュアー・シーザー・フリッカーマン)
ドナルド・サザーランド(スノー大統領)
★★★★☆(4.0)

■ハンガー・ゲーム (2枚組)初回限定仕様: スペシャル・アウターケース付き [Blu-ray]
■ハンガー・ゲーム [DVD]

解説:アメリカで驚異の2,000万部以上のベストセラーとなった、スーザン・コリンズの小説を基に映画化したサバイバル・スリラー。独裁国家となったアメリカで実施される、 プレイヤーたちが一人になるまで殺し合うゲームの出場者となった少女が、決死の戦いに臨む姿をスリリングに活写する。『ウィンターズ・ボーン』のジェニファー・ローレンスが主人公にふんし、弓矢を駆使したアクションを披露。監督を務めるのは『シービスケット』のゲイリー・ロス。
貧しき地区に住む16才の少女カットニス。
彼女は、亡くなった父に代わり、禁断の森で狩りをし、母と妹を養っていた。
日々の糧を得る事に懸命だった少女が、
プレイヤーに志願したことで、初めて現実を知ることとなる。
初めて見る豪勢な食事、きらびやかな街、醜悪な姿の富裕層ども。
少女の目には、それは、どう映ったのか?
原作は、一人称で書かれている作品だそうで、抑圧された少女の気持ちが、描かれている作品でしょう。原作者が、脚本にも関わっており、原作の持つ感覚は、うまく映像化されているのでは、と思います。
この少女カットニスの胸の奥を表現するのは、
ジェニファー・ローレンスしかいないでしょう。
固く不安そうな表情ながら、
しっかりと見据えた目に、芯の強さを感じさせる。
表情の奥にドラマを見せていく女優さんですね。

ゲームに勝つには、スポンサーに気に入らなければならない。不器用な自分にそんなことができるのか、カットニスは、最初こそ、とまどうが、彼女は、決して媚びないという姿勢を選ぶ。都合良くルールを変える支配者どもの望む勝利者にはなるつもりはないのだ。自らの意志と行動によって、勝ちを引き寄せる。
くさるほど作られているサバイバルゲーム映画を、いまさら作ってもしかたないですからね。これは、ジェニファー・ローレンスあってこその映画。彼女の持ち味が活かされた作りで、良かったと思います。
続編 The Hunger Games : Catching Fire (2013) も、楽しみですね。
次は、歴代勝者が闘うゲームらしいです。
監督は「アイ・アム・レジェンド」のフランシス・ローレンスに代わるみたいですが、原作者が製作・脚本には関わっていくシリーズなので、基本テイストは、だいじょうぶでしょう。
◎ピータ役は、「テラビシアにかける橋」のジョシュ・ハッチャーソン。また、第二地区のナイフ投げ少女クローブは、「エスター」のイザベル・ファーマンです。
The Hunger Games 2012年【米】143分(パンフ600円)
監督:ゲイリー・ロス
脚本:ゲイリー・ロス、スーザン・コリンズ、ビリー・レイ
原作:スーザン・コリンズ ハンガー・ゲーム(上) ハンガー・ゲーム(下)
ジェニファー・ローレンス(カットニス・エバディーン)
ジョシュ・ハッチャーソン(ピータ・メラーク)
リアム・ヘムズワース(カットニスの友達ゲイル・ホーソーン)
ウッディ・ハレルソン(50回大会の勝者 教育係・ヘイミッチ・アバナシー)
エリザベス・バンクス(カットニスの付添人兼PR担当・エフィー・トリンケット)
レニー・クラビッツ(カットニスのスタイリスト・シナ)
スタンリー・トゥッチ(テレビインタビュアー・シーザー・フリッカーマン)
ドナルド・サザーランド(スノー大統領)
★★★★☆(4.0)

■ハンガー・ゲーム (2枚組)初回限定仕様: スペシャル・アウターケース付き [Blu-ray]
■ハンガー・ゲーム [DVD]
2012年11月03日 (土) | 編集 |
愛に光あれ。

シリーズ3作目は、前2作でジャウマ・バラゲロとともに、
メガホンをとったパコ・プラサが監督をしています。
あらすじ:ある日、バルセロナの結婚式場でコルドとクララの挙式が執り行われる。純白のウェディングドレスに身を包み、幸せいっぱいの新婦クララ。そんな彼女の晴れの舞台を友人のプロ・カメラマン、アトゥンが本格的な映像で記録していく。やがて式を終えた一行は披露宴会場へと移動し、盛大なパーティが始まろうとしていた。が、その時、病院で犬にかまれたと手に包帯を巻いていたペペ叔父さんが突如豹変、妻の首筋に猛然と噛みついたのだ。やがて、逃げまどう人々で大混乱となる大広間だったが…。
この映画は、クララとコルドの盛大なる結婚式ビデオみたいなもの。


他人のウェディングビデオを見せられても、
思いっきり、たいくつなもんだが、このビデオは違うぞ。
家族、親戚、親しい友人から、
どっちでもよかった疎遠な招待客、
はたまた、スポンジ・ジョンまで。
全員、ひっくるめて感染。
笑いあり、グロあり、そして、二人の愛の試練ありで、
めっちゃくちゃ、面白いですね。
えげつないけど、なんか陽気なスペインの雰囲気が漂ってる。
この出来事は、神、悪魔と関係してるんだろうか。
神父さんの言葉に、感染者は動けなくなってしまう。
冒頭にちらっと映った補聴器のおじいちゃんが、ここで来るとは!(°□°;)
今回は、あの惨劇と同時刻におこった番外編みたいな感じですけど、
期待は裏切らないシリーズですね。
作り方のテイストが、いいんですよねー。
[REC/レック]3 ジェネシス [REC]3 Génesis 2012年【スペイン】80分 監督:パコ・プラサ
出演:レティシア・ドレラ、ディエゴ・マルティン、イスマエル・マルティネス、アレックス・モネール
★★★☆☆(3.5)

REC/レック3 ジェネシス スペシャル・エディション [DVD]
◎関連記事
→第1作『REC/レック』(2007)
→第2作『REC/レック2』(2009)

シリーズ3作目は、前2作でジャウマ・バラゲロとともに、
メガホンをとったパコ・プラサが監督をしています。
あらすじ:ある日、バルセロナの結婚式場でコルドとクララの挙式が執り行われる。純白のウェディングドレスに身を包み、幸せいっぱいの新婦クララ。そんな彼女の晴れの舞台を友人のプロ・カメラマン、アトゥンが本格的な映像で記録していく。やがて式を終えた一行は披露宴会場へと移動し、盛大なパーティが始まろうとしていた。が、その時、病院で犬にかまれたと手に包帯を巻いていたペペ叔父さんが突如豹変、妻の首筋に猛然と噛みついたのだ。やがて、逃げまどう人々で大混乱となる大広間だったが…。
この映画は、クララとコルドの盛大なる結婚式ビデオみたいなもの。


他人のウェディングビデオを見せられても、
思いっきり、たいくつなもんだが、このビデオは違うぞ。
家族、親戚、親しい友人から、
どっちでもよかった疎遠な招待客、
はたまた、スポンジ・ジョンまで。
全員、ひっくるめて感染。
笑いあり、グロあり、そして、二人の愛の試練ありで、
めっちゃくちゃ、面白いですね。
えげつないけど、なんか陽気なスペインの雰囲気が漂ってる。
この出来事は、神、悪魔と関係してるんだろうか。
神父さんの言葉に、感染者は動けなくなってしまう。
冒頭にちらっと映った補聴器のおじいちゃんが、ここで来るとは!(°□°;)
今回は、あの惨劇と同時刻におこった番外編みたいな感じですけど、
期待は裏切らないシリーズですね。
作り方のテイストが、いいんですよねー。
[REC/レック]3 ジェネシス [REC]3 Génesis 2012年【スペイン】80分 監督:パコ・プラサ
出演:レティシア・ドレラ、ディエゴ・マルティン、イスマエル・マルティネス、アレックス・モネール
★★★☆☆(3.5)

REC/レック3 ジェネシス スペシャル・エディション [DVD]
◎関連記事
→第1作『REC/レック』(2007)
→第2作『REC/レック2』(2009)
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