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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
あの日 あの時 愛の記憶 
2013年03月31日 (日) | 編集 |
いとしい声が、私を呼んだ
1994年、ポーランド。強制収容所で恋に落ち脱走した恋人たち。
1976年、ニューヨーク。テレビから聞こえてきた声は、
生き別れたあの人のものだった・・・

あの日あの時愛の記憶_Photo1

解説:実在する1組の男女の数奇な体験をベースにしたラブストーリー。ナチスの強制収容所で運命的な出会いを果たし、共に脱走を図るものの、生き別れてしまった男と女が奇跡のような巡り合わせで再会する姿を映し出していく。メガホンを取ったのは、テレビ映画などを手掛けてきたアンナ・ジャスティス監督。共にドイツ出身のダグマー・マンツェルとアリス・ドワイヤーが、30年も封印してきた愛に翻弄されるヒロインを熱演。波瀾万丈な展開もさることながら、凄惨な収容所内の描写も観る者の胸を打つ。

収容所シーンが緊迫感あふれます。
死線を越えた体験ですからね。
聞き覚えのある声から、一気に、ハンナは、フラッシュバックしてしまうんだろうと思います。愛し合ったことや恐怖やすべてのものが、時間と空間を越え、ハンナの感覚はニューヨークに居ないでしょう。

娘さんや主人には話したところでわからない
二人だけが共有できるものがありますよね。
生きている自分にとっての存在の一部みたいなものじゃないでしょうか。
声で始まり、声で再会する。
ラストシーンに。言葉は要らない、というのがわかります。

あの日 あの時 愛の記憶 Die verlorene Zeit 2011年【ドイツ】111分
監督:アンナ・ジャスティス、脚本:パメラ・カッツ
アリス・ドワイヤー・・・・ハンナ・ジルベルシュタイン(1944年のハンナ)
マテウス・ダミエッキ・・・トマシュ・リマノフスキ(1944年のトマシュ)
ダグマー・マンツェル・・・ハンナ・レビーン(1976年のハンナ)
レヒ・マツキェビッチュ・・トマシュ・リマノフスキ(1976年のトマシュ)
スザンヌ・ロタール・・・・ステファニア・リマノフスキ(トマシュの母)
フロリアン・ルーカス・・・ハンス・バン・アイデム
デビッド・ラッシュ・・・・ダニエル・レビーン(ハンナの夫)
★★★★☆(4.0)
あの日あの時愛の記憶_Poster
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キャビン
2013年03月18日 (月) | 編集 |
作法には、その由来というものがあるのだ。

キャビン_image

解説:若者たちが人里離れた山小屋で戦慄の恐怖に見舞われるという従来のホラー映画のお約束を踏まえた、巧妙かつ予測不能のストーリー展開が映画ファンから絶賛された異色のホラー・サスペンス。「LOST」 「クローバーフィールド HAKAISHA」の脚本で知られるドリュー・ゴダードが監督・脚本、「アベンジャーズ」のジョス・ウェドンが共同脚本・プロデュースを務めたスリラー。


お決まりごとのように、一人一人惨殺されていく若者たちと、
その様子をモニタリングしているらしき科学者たち。
作法を重んじる日本では、今まで失敗したことがないという。
いったい、何が起こっているのか?という話。

キャビン_photo01

実験系、サバイバル系、など、さまざまなB級映画が作られてきてますから、こういう奇妙な状況でも、あまり不思議に思う人はいないだろう。観る人の位置を定めさせない作りで、物語自体が不可解なもの、といった感じで進みます。

こういうのは、全体像が観えてきたあたりで
だれるというパターンになりがちなんですよね。
そこを、開き直ったかのように、
一気に、大お祭り大会として爆発させてるのが、うまいですよね。
エレベーターの、チーン!と音が鳴る度に、
がやがやがや、となるのは、非常に面白かった。
サプライズゲストも用意してあって、飽きさせないねー
(この人、こういう登場の仕方が定番になりつつある)

キャビン_クリステン・コノリー

お約束ごとを望んでいるのは、誰なのか?
万城目学の「鹿男あをによし」や「鴨川ホルモー」を思い出させるような壮大なものであったなぁ。いにしえから伝わるものが、ホラーの形となり伝承されてきてるのかもしれませんね。
望んでるのは、私たちでもあろう。
いずれにせよ、これからも、ホラーをありがたく鑑賞しましょう。

キャビン The Cabin in the Woods 2012年【米】95分
<劇場鑑賞・パンフ600円>
監督:ドリュー・ゴダード 脚本:ジョス・ウェドン、ドリュー・ゴダード
出演:クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ、ジェシー・ウィリアムズ、リチャード・ジェンキンス、ブラッドリー・ウィットフォード、エイミー・アッカー
キャビン_Poster
★★★★☆(4.0)

マインドゲーム
2013年03月17日 (日) | 編集 |
『グレムリン』のジョー・ダンテが製作総指揮を務めたサバイバルスリラー。

マインドゲームDVD

あらすじ:森の奥深くのキャンプ場へやってきた海兵隊志願のジムと仲間たち。陰惨な殺人現場に遭遇したことから状況は一変。近くに犯人がいると推測したジムは、パニックに陥る仲間を宥めリーダーシップを発揮する。しかし、そこに現れた奇妙なカップルにいきなり銃を突き付けられ、犯人扱いされるジムたち。男の腕に海兵隊のタトゥーを見つけたジムは、とっさに自分も海兵隊であると嘘をつくが、不意についたその嘘が、殺人心理ゲームの幕開けとなるとは知る由もなかった・・・。

森にやってきた若者男女が殺人鬼に出くわすというパターンなのだが、
これは、少々、変わっている。

主人公ジム青年の性格がポイント。
思い込みが激しい性格で、自分勝手な奴ということですなぁ。
彼女の父に、認められるような強い男にならねばならない、と海兵隊員に志願。
彼女に、あんたアホちゃう、と言われてしまってるわけですね。

森の中なので、隙を見て逃げることができるんですよ。
でも、ジムがリーダー風を吹かし、
正義の鉄槌を下そうとするもんだから、
仲間も逃げれない状況になり、どんどん犠牲者が出てしまう。
仕掛けるが、すべて裏目。
ドツボにはまりこみ、
ジムの精神もおかしくなっていく、という筋で、
兵士のPTSDを盛り込みたかったような内容です。

観てて飽きない展開ですけど、
どうも、全体に緊張感がないですね。
変なFBIのおじさん二人も、不要な存在だったなぁ。
あまり光る部分なく、凡作止まりという感じです。

マインドゲーム Trail of Blood 2009年【米】80分劇場未公開
監督・脚本:ジョセフ・グエリエリ/ジャスティン・グエリエリ
出演:ティム・バラッコ、ロバート・ピカード、トレヴァー・トルセス、キャンディス・エリクソン、レイ・キャンベル
★★★☆☆(3.0)
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ヒドゥン・フェイス
2013年03月15日 (金) | 編集 |
これは、面白いです。意外な展開をみせるコロンビア映画。

ヒドゥン・フェイス日本版DVD
『特集!コロンビアの迷宮』として、「スクワッド 荒野に棲む悪夢」とともに、シアターN渋谷ほかで上映された作品だそうです。

解説:コロンビア出身で美貌のマルティナ・ガルシア主演によるエクストリーム・サスペンス・スリラー。『マルティナの住む街』のキム・グティエレス、『キャロルの初恋』のクララ・ラゴなど、スペインの実力派俳優が 共演して恐怖と驚きが入り乱れる物語を盛り上げていく。排水口から響いてくる声、不自然なまでに揺れる浴槽の水面、鏡をじっと見つめる犬など、観る者に不穏極まりない気持ちを抱かせる描写の巧みさにも注目。


ヒドゥン・フェイス_キム・グティエレス

“南米コロンビアのソフィー・マルソー”ことマルチナ・ガルシア主演。
かわいかったので、ソフィー・マルソーと例えたんでしょうけど、
こういう紹介って、古くさいというか、いまひとつですよね。

お話は、バーで働くファビアナ(マルティナ・ガルシア)は、スペインの指揮者と恋に落ち、彼の豪邸で暮らし始める。が、彼の以前の恋人は、謎の失踪をしており、その家では、怪現象が・・・というもの。


こりゃ、美人女優さん主演!を売りに作られた、ゆる〜いスリラーかな、
と、思いきや、
後半から、予想をくつがえしてきますね。
はぁ〜、なるほど〜、
視点が変われば、見方も変わる。
前半の場面が、リピートされていくので、面白い。

ヒドゥン・フェイス_マルチナ・ガルシア

途中、女優さんが切り替わるんですけど、
なんのへんてつもなく、違和感なく転換してるのが、いいですなぁ。

はよ、気づけよ、バカ女!と、ののしりまくったりして。
南米らしくて、面白いですね。
なかなか、面白いアイデアの作品で、コロンビア映画、やりますね。

ヒドゥン・フェイス La cara oculta 2011年【コロンビア/スペイン】96分
監督・脚本:アンドレ・バイズ
出演:マルチナ・ガルシア、キム・グティエレス、クララ・ラゴ
★★★★☆(4.0)
ヒドゥン・フェイス [DVD]
ヒドゥン・フェイス海外版ポスター

◎コロンビア映画→『85ミニッツ PVC-1 余命85分

ヘッドハント
2013年03月11日 (月) | 編集 |
目が覚めれば、就職していた・・・
就職難時代に送るシチュエーションスリラー。

ヘッドハント _Poster

<業務内容>連続殺人犯として投獄されていたトーマス・レッドマンは、事件の真犯人を探し出すため脱獄し「レッド社」を設立。社長となったレッドマンは、会社のオフィスに拘束した6人の男女に、無実を証明するよう業務を言い渡す。5回ミスをするとクビ(=死)が待ちうける過酷な状況のなか、自由を奪われた6人は捜査を開始する。

社長トーマス・レッドマンの無実を証明しろ、という業務に、
強制的につかされる事件関係者の6人。
この会社では、ほんとにクビが斬り落とされる。

最期まで観ると、あ〜、こういうことか、とわかる内容なんですが、
途中の業務シーンが、非常に、たいくつ。
グロ描写に頼った脚本なのがいけない。

ヘッドハント_ケリー・パタニティ

主人公は、ネットで、ストリップをみせる仕事をしていたアナベル。
就職できなかったのか、自宅ひきこもりなのか、
そのへんは、よくわかりませんが、
なんしか、この子が、非常に優秀な人材だったのだ。
経歴だけで、人を判断できん。社長も、見る目がありましたなぁ。
見事、犯人を暴き出し、本を出版、社会に踊り出る、という
一発逆転ものみたいな内容ですね。

見せ方がユニークであれば、たいへん面白くなったのに、と思います。
ただのグロ系B級になってしまったのは、残念です。

ヘッドハント Redd Inc. 2012年【オーストラリア】94分
監督:ダニエル・クリーグ
脚本:ジョナサン・グリーン、アンソニー・オコナー
出演:ニコラス・ホープ、ケリー・パタニティ、サム・レイド、ジェームズ・マッケイ、アラン・デュークス、ヘイリー・マケルヒニー
★★★☆☆(3.0)
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◎関連映画 →入社試験タイプの『エグザム

Mirror 鏡の中
2013年03月10日 (日) | 編集 |
鏡の中に存在する、もうひとりの私。

Mirror-鏡の中_DVD

解説:『オールド・ボーイ』のユ・ジテ主演によるミステリーホラー。不審火による火災から1年、再開店を目前にしたデパートで奇怪な連続変死事件が発生。元刑事であるデパートの警備責任者・ヨンミンは、自ら事件の真相を突き止めようとするが…。

韓国オリジナル版(劇場未公開)を鑑賞。
こちらは、精神世界に入り込むような内容。
2008年のリメイク作品「ミラーズ」は、
やはり、ハリウッドアクションに変わってしまってたんですね。

誤射により、同僚を死なせてしまった元刑事。
その日以来、彼の精神・人格は、ふたつに分裂してしまっていた、
ということが明らかになってくる話。
鏡の中にこもる怨念が、真相へと導くというミステリー仕立てですが、
霊や双子姉妹は、ほぼ脇役的なものだったんですね。

人は、自分自身を見るのが恐い。
鏡に映る自分に、弱さ、欠点を見てしまう。
もうひとりの自分を消し去ってしまっても、
何も解決しないし、自分をも殺したことになってしまうのだ。
絶望的な精神世界を現しているようなラストシーンが、恐ろしかったです。

Mirror 鏡の中 2003年【韓国】劇場未公開114分
監督・脚本:キム・ソンホ
出演:ユ・ジテ、キム・ミョンミン、キム・ヘナ、キ・ジュボン、キム・ミョンス、チョン・ウンピョ、イ・ヨンジン
★★★☆☆(3.0)
Mirror-鏡の中_Photo1
Mirror 鏡の中 [DVD]

◎関連映画 →『ミラーズ』 →『ミラーズ2』 →『ブロークン


※映画『ブロークン』の記事にも引用してあります。
エドガー・アラン・ポー『ウィリアム・ウィルソン』より

お前は勝ったのだ 私は降参する
だがこれより先は お前も死んだ
この世に対し天国に対し 希望に対し死んだのだ

私の中にお前は生きていた

私の死でお前がいかに 自分を殺したかを見ろ
お前自身のものである この姿で見るがいい


エレベーター/ELAVATOR
2013年03月03日 (日) | 編集 |
株価のように上昇し、急転落。
世の中、いつも、不公平なのである。

Elevator-poster

解説:エレベーターが、突如として非日常的空間へと変貌するシチュエーション・スリラー。メガホンを取るのは、ノルウェー出身のスティーグ・スヴェンセン。エレベーターという限定空間を舞台にしながらも、予測不可能な展開を連続させて観る者を最後まで引き込むスヴェンセン監督の手腕に加え、経済格差や人種差別といったアメリカ社会のゆがみを巧みに盛り込んだストーリーも見もの。

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ここは、投資会社のビルのエレベーターの中。
会長とその孫娘、婚約中の優秀な社員と美人テレビレポーター、ただのメタボ平社員、若い妊婦、投資家、警備員、パーティーの呼ばれたコメディアン、
立場や人種、さまざな9人が、
パーティー会場に向かうため、乗り合わせていた・・・

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会長のわがままな孫娘。
(この孫娘役の子は、一卵性双生児で、
場面によって、交代して登場してるそうです。)


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このいじわるな孫娘が、停止ボタンを押したせいで、
エレベーターが、49階でストップしてしまう。
(日本では、縁起の悪そうな数字なのだが、
アメリカでは、どうなんでしょう。
なぜ、49階なのか、そのへんは、よくわかりませんでした。)


会長さんの孫なので、誰も文句言えん。
この9人が巻き込まれるシチュエーション・スリラー。
あまり、外部の場面は作らず、
ほぼ、エレベーターの中だけで、観せ切っていってて、面白かったと思います。

なんで、エレベーターが定員になるまで待ってるねん、とか、
警察に、はよ、連絡せんか、とか、
爆弾が出てくる割に切迫感がないなぁ、とか、
いろいろ思うところはありますが、
そういうリアリティーを狙ってるんじゃないんでしょうね。
得する奴は得するし、損する奴は損をする、
やっぱり、世の中、
偏見にあふれ、
不公平だなぁ〜みたいなリアリティー感が感じられます。
人物設定が、面白く練られてるし、
俳優さんもそれぞれに個性があり、面白く撮られてたと思います。
北欧の監督さんらしく、抑えめな雰囲気が良かったですね。

エレベーター ELAVATOR 2011年【米】84分
監督:スティーグ・スヴェンセン、脚本・製作: マーク・ローゼンバーグ
クリストファー・バッカス、アニタ・ブリエム、ジョン・ゲッツ、シャーリー・ナイト、デヴィン・ラトレイ、ジョーイ・スロトニック、ターミナ・サニー、ワリード・ズエイター、アマンダ&レイチェル・ぺイス(二人一役)
★★★☆☆(3.5)
エレベーター [DVD]
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やっぱり、俺って、メタボなダメ社員、いつも、こうだ・・・

◎関連映画 →『死刑台のエレベーター』 →『悪夢のエレベーター