観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
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薬指の標本
2008年11月07日 (金) | 編集 |
不思議な世界に、からめとられていってしまう映画。

“彼らが遠ざけたい品物だからだ”“
”だから封じ込める”
“持ち主は品物の思い出から開放される”


薬指の標本1

標本技術士は言う。ある少女の依頼によるキノコの標本を見ながら。

家が火事になり、父と母と弟を失った少女は、
焼け跡に生えているキノコを見つける。
少女は、そのキノコを標本にしたいと考える。
燃えてなくなったものを、キノコと一緒に閉じこめてしまいたかったのだ。

胸の奥にあるものを永遠に預かってあげる。
そういう不思議な標本を作るラボに務めることになったイリスという女性の物語。
まず、この標本づくりという不思議な職業に幻惑されてしまいました。
小川洋子さんの小説自体が、美しい言葉によって、引き込まれていく感覚があるんですね。次第に、その世界にいることが、心地良くなってきてしまい抜け出したくなくなってしまうようなストーリーなんです。
自然光で撮ったという建物の描写とそこに漂う空気感。主演のオルガ・キュリレンコが、あやうい美しさを醸し出していて、不安定な気持ちよさがありました。小川洋子の小説とフランス映画がたいへんマッチしてるなーと思います。日本人俳優と日本ロケでは、この空気感は出せなかったでしょうね。

(以下、ネタばれ)

やがて、ラボに務める彼女は、標本技術士より、靴をプレゼントされる。
いついかなる時も、この靴を、履いていて欲しいと彼は言う。

靴磨きのおじさんに、私は、もうこの靴をもう脱ぐつもりはないと答え、
標本室のドアの向こうに靴を脱ぎ、消えていく・・・

あとで、この映画を振り返って、
最後の場面と、最初のサイダー瓶の薬指のイメージがダブる感じがする。
ゆっくり沈んだ薬指の先っぽが、サイダー瓶の底で眠っていくような。
ぷくぷくという音が気持ち良さそうに。

彼女は、自由になったということでしょうか。

薬指の標本2

『薬指の標本』 L' Annulaire 2004年【仏・独・英】 
ドラマ
監督:ディアーヌ・ベルトラン
出演:オルガ・キュリレンコ(女優)イリス
   マルク・バルベ(男優)標本技術士
私の感想:★★★★☆ 
『博士の愛した数式』の原作者としても知られる芥川賞作家の小川洋子による同名小説を、フランス人女性監督のディアーヌ・ベルトランが映画化。主演はウクライナ出身のモデル、オルガ・キュリレンコ。ヴァンクリーフ&アーペルなど、一流ブランドの広告を飾ったこともある彼女の美しさと、幻想的だが人間の心理を突いた物語に注目したい。

原作:小川洋子 薬指の標本 (新潮文庫)
小説・映画ともに不思議。
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは
どこか不思議に魅力のある作品でしたね
繊細なタッチで描かれるミステリちっくなストーリー展開にもドキドキしました
原作は読んでいないのですが、ラストはどうなるのでしょう、色んな解釈のできる終わり方でそこもまた魅力的でした
2011/05/07(土) 13:55:30 | URL | maki #jQTfdwCM[ 編集]
>makiさん、こんにちは
原作も同じく、不思議に終わります。
彼女は、どこへ行ってしまったのか、
想像をめぐらせていってしまう作品です。

ミステリちっくであり、ホラーちっくであり、
なんともいえない不思議なものに囚われてしまう魅力がありますね。
この非現実感が、気持ちいいです。
2011/05/07(土) 18:03:37 | URL | kino #Kyeye.Gc[ 編集]
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原作は読んでいませんが、とても美しい作品でした。オルガ・キュレリンコさんがヒロインを演じていたとは知りませんでした、まだ少女っぽさがどこか残る印象、これが凄く良かった。 舞台は森の中の洋館、元は女子寮だったようですね。映像の繊細さや静かで甘美な雰囲気は...
2011/05/07(土) 13:53:23 | いやいやえん
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