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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
ミスト
2008年11月08日 (土) | 編集 |
ミスト

約束してくれる?
とても大事な約束をして欲しいの。
絶対に破らないって約束して。
僕を怪物に殺させないで。
絶対に何があっても。

霧という名の恐怖に取り囲まれた時。人を動かすものは、何だろう。

スティーヴン・キングの小説の多くは、田舎町が舞台となるんですが、本作は、田舎のスーパーマーケットで、霧に閉じこめられてしまった人々の恐怖を描きます。
都会の店のようなまったく見知らぬ客どうしではない。顏見知りのお客さんや従業員、そんな環境下で起こるから恐ろしいのです。
まったく外部の状況がわからない中、各人の性格がはっきり出てきて、自分の理屈しか信じようとしない弁護士、いかにも田舎町の労働者っぽいおっさん、とりわけ、マーシャ・ゲイ・ハーデン扮するミセス・カーモディが、増長していきます。きっと普段から、神の啓示を説き続ける少し頭のおかしそうな女性と思われてる人なんでしょう。それにもかかわらず、ミセス・カーモディの口走ることにみんなが、なびきだし、ひしとみんなが、かたまり始めます。
人は、正しい正しくないでなく、何かによりどころを求めてしまうものだろうなと思います。

(以下、ネタばれ)

最後、車に乗る組み合わせが、お父さん・お母さん・子供、おじいさん・おばあさんで、この構成が、すごく意味深ですね。疑似的な家族の象徴で、その家族が崩壊した時、何事もなかったかのように霧が晴れてきます。なんともいえないラストで、まるで、この家族が、試されたかのような。あの雄大に歩く化物の姿は、何だったんだろうか?霧の中、ゆったりと歩く化物の姿は、神々しさもありました。


『ミスト』 The Mist 2007年【米】
ホラー
監督:フランク・ダラボン 『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』
出演:トーマス・ジェーン(男優)デヴィッド・ドレイトン
   ローリー・ホールデン(女優)アマンダ
   マーシャ・ゲイ・ハーデン(女優)ミセス・カーモディ
私の感想:★★★★☆ 

原作:スティーヴン・キング 闇の展覧会 霧 (ハヤカワ文庫NV)
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2009/01/10(土) 21:53:13 | たいむのひとりごと