2008年11月19日 (水) | 編集 |

“苦しみに終わりはないの?”
すべてを巻き込んで、時代は彼女を翻弄していく。
暗く重い物語にもなろうかという内容なのですが、『氷の微笑』『ショーガール』のポール・ヴァーホーヴェン監督にかかると、つらい物語になりません。二転三転のエンターティンメント・サスペンス。
いったい誰が敵で、誰が味方なのか、最後までわからない展開を見せます。
ここで、タイトルにあるブラックブックは何かというと。
第二次世界大戦ナチス占領下のもと、オランダの裏切者と協力者のリストが載っていたといわれている黒い手帳のことです。ですから、この物語は、オランダレジスタンスの暗い部分に切り込みをも入れていきます。ナチスも醜悪に描かれてるし、レジスタンスの連中も勝手な奴等の集まりとして私利私欲的な部分が描かれています。戦争の悲しみでなく、人間の汚らしさみたいなものを表現したいみたいですね。
そんな過激なストーリーのヒロインがカリス・ファン・ハウテン。ポール・ヴァーホーヴェン監督なので、ヌードシーンもあるし、えげつなというシーンもありますよ。彼女の体当たり演技が力強く、いやらしいシーンでも健全なお色気という感じですね。それ以上にお話の展開が波乱に富んでます。
ラストシーンが、暗雲漂うような場面で終わっていきます。
ドキドキの本編を観せ、最後、まじめに締めていくという、面白い作りになっていると思います。
『ブラックブック』 Black Book 2006年【和蘭・独・英・ベルギー】
[サスペンス]
監督:ポール・ヴァーホーヴェン 『氷の微笑』『ロボコップ』
出演:カリス・ファン・ハウテン(女優)エリス
セバスチャン・コッホ(男優)ムンチェ
トム・ホフマン(男優)ハンス
脚本:ジェラルド・ソエトマン/ポール・ヴァーホーヴェン
私の感想:★★★☆☆
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