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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
ブラインドネス
2008年12月04日 (木) | 編集 |
ブラインドネス1

ひとりの男が、突然失明した。それは悪夢の始まりだった――。

政府は、増える失明患者に対し隔離政策をとるんだけど、
手のうちようのない病なので、施設に放り込んで、あとは、ほったらかし。
やっかい者は社会から切り捨ててしまう政策だ。
その後の
施設内のことは、省略。(ちょっと書いてたんだけど、いやになってきて)
観てて胸くそ悪い気持ちになっただけです。 よ。
施設内を通じて、国どうしの戦争、強い者による搾取、人間の欲望のようなことを感じとらせていく比喩的なお話なんだろうと思う。そして、死体ごろごろの外界、人間も犬の餌になる、生と死の世界を描いてる。

でも、どうなんだろう。
実際に施設に放り込まれて、
まず、わけわからない状態でしょ。病気?細菌兵器?死ぬの?
失明のみの症状である、ということは、誰にも、わからないですよね。
未知の状況で、生存しなければならない。
時間経過とともに、しなければならないことは、山のように出てくるわけで、
刻一刻、どんどん状況が、変化していくようになるんじゃないかなと思う。
漠然とした絶望モードで、ずぅーといるなんてことはないと思います。
映画で描かれる修羅場は、あくまでも目の見える立場の人の論理ですね。

ブラインドネスIMG

実は、この施設の中に、目の見える人間がひとりいて、それが主人公の女性だ。
異端者である彼女が、どう行動するかなんですけど、
う~ん、まったくの傍観者である。
彼女は、観客の目の代わりに存在にしてるだけみたいです。
彼女の目を通じて、
あー、音楽を聞いて、安心で優しそうな顔になるんだ、とか
なるほど、雨が降ると、うれしそうな顔になるんだ、みたいなこと、
を感じとれるのはたいへん良かった。
でも、実際は、彼女は、じっとしてることはできないと思う。

悪い方向だけを見せていくことによって、思考をそっちに向けてるのかな。
観客の視野幅をタイトルどおり、さえぎっていく映画みたいな雰囲気ですね。
カメラが180度違う方向へ回ってくれると、希望が沸くんだけどなぁ。
それは、しないんだろうな。
悪い材料ばっかり見せてさよなら~って、されたみたい。
残された私は、ぼぉーとした不快な気分のまま、どうもよろしくないですね。
人間て、こんな状態で、こんなとっぴなこと思いつくんだみたいなみたいなことをちょっぴりだけ描いてくれると面白いんじゃないかと思う。
何かしなければならないような気持ちを喚起させて終わって欲しかったです。

伊勢谷友介、木村佳乃の日本語が変なのがすごく気になったよ。

『ブラインドネス』 Blindness 2008年【日・ブラジル・カナダ】
ドラマ
監督:フェルナンド・メイレレス「ナイロビの蜂」
出演:ジュリアン・ムーア(女優)医者の妻
   マーク・ラファロ(男優)医者
   アリス・ブラガ(女優)サングラスの娘
   ダニー・グローヴァー(男優)黒い眼帯の老人
   ガエル・ガルシア・ベルナル(男優)バーテンダー・ 第三病棟の王
   伊勢谷友介(男優)最初に失明した男
   木村佳乃(女優)最初に失明した男の妻
原作:ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」
私の感想 ★★★☆☆ 
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは!
TB&コメントありがとうございました♪
kinoさんも『観てて胸くそ悪い気持ちになった』ようですね~(笑)
良かったぁ~♪私もかなり辛口感想を書きましたが、同じように感じられた方がいると安心します(笑)

で、、、ただただ人間の醜さを「これでもかー!」って描いているわりには、妙に緊張感がなくて退屈だったのは、『漠然とした絶望モードで、ずぅーと』いたからですよね~

原因不明の奇病で不安を抱かない人はいないですし、最初に発症した男性が研究対象にならないのも不自然です。
だからリアリティがあるようでいて、あまりリアリティが感じられない物語でした。
2008/12/06(土) 17:13:26 | URL | 由香 #-[ 編集]
>由香さん こんにちは。
この作品は、抽象的なものをみせている物語なので、
自分がどう感じるか?自分に何を問いかけるか?いろいろだと思います。
私的には、やっぱり
患者さんが、自分の状況を認識してるのが、おかしい~って感じちゃいますね。
危機感から生きるスイッチみたいなものがはいると思うし、
今までと違う考え方が生まれてくるはずだと思うんですけどね。
そこがあるので、
画面に映るものが、遠くの世界に感じます。
2008/12/07(日) 12:02:10 | URL | kino #Kyeye.Gc[ 編集]
>観てて胸くそ悪い気持ちになっただけです
確かに。なりました...。
原作は抽象的な寓話だそうで『目が見えない世界と見せかけて目が見える世界を描いている』とか『目が見えても見えてなかったんだ』とか、なんでしょうが...それを読み取る前に、観ているのがツラかったですね...。
2008/12/09(火) 00:50:15 | URL | あん #-[ 編集]
>あん さん
コメントありがとうございます。
私などより女性の方が不快感は強いかと思いますけど、
小説だと言葉のみですから抽象寓話としていいのかもしれませんね。
視覚のある映画は、
えげつない地獄絵の抽象画を延々と見せられてるだけの感覚ですね。
原作を監督さんが、まじめに作りすぎたのかな。
ここにコメント頂いた方の感想から判断すると、
この地獄絵に関心がなくなるのが、はやかった人は、
キツく感じるみたいです。
2008/12/09(火) 20:33:51 | URL | kino #Kyeye.Gc[ 編集]
こんにちは!
「目が見えない世界とみせかけて目が見える・・」というの、
私もその通りだと思いました。
彼女の目を通じて見た世界でしたね。
もっと何か行動してよとイラッとする所がありました。

ただ、観る者に、もっと物事の本質を見よと
喚起するメッセージはあった気もしました。
なんか、スッキリしない感じでしたね。(^_^;
2009/08/03(月) 21:04:48 | URL | YAN #9L.cY0cg[ 編集]
>YANさん、こんにちは!
ジュリアン・ムーア目線で観るので、人の表情がかなり気になる映画でしたね。
私の場合、かなり序盤でリタイヤ気味でしたので、
後の展開に興味が、ほぼ、なくなってきてました。
彼女自体が動かないことより、他の人間が動かない方が気になったかなー。

目が見えないからこそ、見えるものがあるというメッセージもあるのかなと思いますけど、わかりにくかったですね。
2009/08/05(水) 02:03:57 | URL | kino #Kyeye.Gc[ 編集]
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