2008年12月10日 (水) | 編集 |
「申し訳ないよ、でき損ないが生き残って」
わかっている、俺が死んだらよかったんだ、と自分に言いきかすかのように
務所帰りの弟ヤニックは言う。
父の自慢だった優秀なエリート兵士の兄が戦死したのだ。
父の目が顔が、彼に突き刺さる。


軍人ミカエルは、妻サラと二人の可愛い娘の幸せな家庭。幸せな日々を送る彼に、戦渦のアフガニスタンへの派遣が命じられる。歓送会が催され、両親と弟ヤニックも集まり一同が久しぶりに顔を揃えた。両親にとって自慢の息子ミカエルとは対照的な独り身の弟ヤニックは、刑務所帰りで定職もなく、家族からすっかり孤立していた。
それは、どにでもあるような平凡な風景に、ある日突然訪れます。
スサンネ・ビア女性監督による厳しく優しい目で、
妻、兄、弟、この三人の心の奥にはいっていく亀裂を見せていくような印象です。
この作品はイメージで書く方がいいかなと思うので、
その形にしてみます。
シーンを観ていて、みしっ、みしっ、と音を立て、
ひびがはいっていくように見えるんですよね。
次のシーンで、さらに亀裂が大きくなっていく様を見せていったりします。
少し、ひびがやわらいだりするところもあるのですが、
一度はいった、このひびは、修復できそうにはありません。
そういった移り変わりを、人物の表情を中心に、
心の動きそのものをストーリーにしてあるわけですね。
どうしたらいいんだろう、のようなつらく悲しい気持ちの画面の下に、
つながりや暖かいものを見せている、そんな映画に感じました。
うまく書けませんが、
登場人物の気持ち自体が画面で、表情は背景として存在している、というイメージに近いかなーと思います。
戦争に対する気持ちも込められていて、
最初に一同が揃う食事風景の場から語られていきます。
この場面はすべての登場人物が顔を揃え、それぞれの心情がよくわかるように出来てます。
明日から、戦地へ旅立つミカエルの任務の話になり、
娘が、「悪者を打つのよ。」と言い、
弟が、「見分けられるか。」と返します。
意味の深いセリフですね。
これは、後で兄に起こる出来事にも痛烈に関わってくるようなセリフになっていて、
話が進むにつれ、すごく響いてくるものでした。
娘さんも姉妹に設定されてて、痛いところで、娘さんの表情やセリフが効いてきます。
かなり、いきとどいた、繊細に家族の心情が語られてる映画だと思います。
“ある家族の風景”というタイトルの方が似合いそうな感じでした。
ハリウッドリメイクが決まってますが、
う~ん、どうでしょう。
この感覚が受け継がれるかどうかはわかりません。
画面を移植だけすると違う映画になるかなと思います。
ある愛の風景 BRODRE/BROTHERS 2004年【デンマーク】
[ドラマ]
監督:スサンネ・ビア「しあわせな孤独」
脚本:アナス・トーマス・イェンセン
出演:コニー・ニールセン(サラ)「ダラディエーター」
ウルヒット・トムセン(兄ミカエル)
ニコライ・リー・コス(弟ヤニック)
私の感想:★★★★☆
人の心の動きそのものがストーリー。よく出来た作品です。
わかっている、俺が死んだらよかったんだ、と自分に言いきかすかのように
務所帰りの弟ヤニックは言う。
父の自慢だった優秀なエリート兵士の兄が戦死したのだ。
父の目が顔が、彼に突き刺さる。


軍人ミカエルは、妻サラと二人の可愛い娘の幸せな家庭。幸せな日々を送る彼に、戦渦のアフガニスタンへの派遣が命じられる。歓送会が催され、両親と弟ヤニックも集まり一同が久しぶりに顔を揃えた。両親にとって自慢の息子ミカエルとは対照的な独り身の弟ヤニックは、刑務所帰りで定職もなく、家族からすっかり孤立していた。
それは、どにでもあるような平凡な風景に、ある日突然訪れます。
スサンネ・ビア女性監督による厳しく優しい目で、
妻、兄、弟、この三人の心の奥にはいっていく亀裂を見せていくような印象です。
この作品はイメージで書く方がいいかなと思うので、
その形にしてみます。
シーンを観ていて、みしっ、みしっ、と音を立て、
ひびがはいっていくように見えるんですよね。
次のシーンで、さらに亀裂が大きくなっていく様を見せていったりします。
少し、ひびがやわらいだりするところもあるのですが、
一度はいった、このひびは、修復できそうにはありません。
そういった移り変わりを、人物の表情を中心に、
心の動きそのものをストーリーにしてあるわけですね。
どうしたらいいんだろう、のようなつらく悲しい気持ちの画面の下に、
つながりや暖かいものを見せている、そんな映画に感じました。
うまく書けませんが、
登場人物の気持ち自体が画面で、表情は背景として存在している、というイメージに近いかなーと思います。
戦争に対する気持ちも込められていて、
最初に一同が揃う食事風景の場から語られていきます。
この場面はすべての登場人物が顔を揃え、それぞれの心情がよくわかるように出来てます。
明日から、戦地へ旅立つミカエルの任務の話になり、
娘が、「悪者を打つのよ。」と言い、
弟が、「見分けられるか。」と返します。
意味の深いセリフですね。
これは、後で兄に起こる出来事にも痛烈に関わってくるようなセリフになっていて、
話が進むにつれ、すごく響いてくるものでした。
娘さんも姉妹に設定されてて、痛いところで、娘さんの表情やセリフが効いてきます。
かなり、いきとどいた、繊細に家族の心情が語られてる映画だと思います。
“ある家族の風景”というタイトルの方が似合いそうな感じでした。
ハリウッドリメイクが決まってますが、
う~ん、どうでしょう。
この感覚が受け継がれるかどうかはわかりません。
画面を移植だけすると違う映画になるかなと思います。
ある愛の風景 BRODRE/BROTHERS 2004年【デンマーク】
[ドラマ]
監督:スサンネ・ビア「しあわせな孤独」
脚本:アナス・トーマス・イェンセン
出演:コニー・ニールセン(サラ)「ダラディエーター」
ウルヒット・トムセン(兄ミカエル)
ニコライ・リー・コス(弟ヤニック)
私の感想:★★★★☆
人の心の動きそのものがストーリー。よく出来た作品です。
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深く重い作品でしたが、希望も・・・
2009/01/15(木) 19:06:47 | 心の栄養♪映画と英語のジョーク
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