2009年02月06日 (金) | 編集 |

石油ブームに沸く20世紀初頭のカリフォルニア。鉱山労働者のプレインビュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、石油が沸く源泉があるという情報を耳にする。息子(ディロン・フリーシャー)とともに石油採掘事業に乗り出したプレインビューは、異様なまでの欲望で富と権力を手にしていく。
と、
映画紹介されてるので、金への欲望に執着していく男の話かと思って観たが、
ちょっと違うな。
金、権力、そういう印象ではなかったですね。
言わば、狂気。
まぁ、人の言う事などいっさい聞く耳もたんという男の話です。
赤ちゃんの時から苦労して育てた息子・HWも、
耳が聞こえなくなった途端、遠くへやってしまう。
なにか自分の思うことしか信じたくない、
これが俺の人生だと思い込むしかないんだろうか。
タイトルに表されるブラッド=血。
大地の血のように、噴き上がる油田火災のシーンに圧倒されますけど、
この黒い血が、彼を突き動かしている血液かのようで、
金に狂っていくような俗物の類いではないのだ。
カメラもカットが長く、この時間を一人で持たせる
ダニエル・デイ=ルイスの演技は、ものすごいです。
ただ、こういった主人公なので、得体の知れない者を見てるみたいで、
共感しにくく、鬼気迫る男を唖然と見るばかりです。
(以下、ネタバレ)
最後も、ものすごい。
イーライという三文芝居のインチキ宗教家に対して吐く言葉は、自分に対して罵ってるんでしょうね。この物語に出てくるイーライは、自分自身を映してる鏡のようで、しまいには、最後、自分自身を見るのがいやで、消えてしまえと叩き殺してしてしまうのには、まいった。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』 There Will Be Blood 2007年【米】
監督/脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ダニエル・デイ=ルイス(男優)ダニエル・プレインヴュー
ディロン・フレイジャー(男優)息子HW
ポール・ダノ(男優)双子イーライ・サンデー/ポール・サンデー
私の感想:★★★★☆ すざましい。撮り方も重厚感あふれる。
[ドラマ]
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド [DVD]
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この記事へのコメント
こんばんわ。
いや、面白い映画でしたね。重厚、そのものですね。
H・Wが難聴になったときの音楽が、凄く良かったです。あれだけの音楽は、他にないと思います。
最後はちょっと、っていう人がいるかもしれないですけど、いや、よかったなぁ、って思います。
映像も音楽も俳優も、全部がしっかりとしていて面白いし、長い時間を感じさせなくてうれしいですよね^^/
いや、面白い映画でしたね。重厚、そのものですね。
H・Wが難聴になったときの音楽が、凄く良かったです。あれだけの音楽は、他にないと思います。
最後はちょっと、っていう人がいるかもしれないですけど、いや、よかったなぁ、って思います。
映像も音楽も俳優も、全部がしっかりとしていて面白いし、長い時間を感じさせなくてうれしいですよね^^/
まったく他を受け入れない人で、すごい見応えありましたよ。
油田火災のシーンはすごかったし、耳障りな、不安にさせるような音楽でしたね。
宿敵というか、同類のような、
ダニエルとイーライが出てくる場面が、かなり面白かったですね。
最後もそうですけど、教会で洗礼を受けるところなんかも、
異常な二人の茶番劇みたいで、変わったもの、見せられてる感じがありました。
油田火災のシーンはすごかったし、耳障りな、不安にさせるような音楽でしたね。
宿敵というか、同類のような、
ダニエルとイーライが出てくる場面が、かなり面白かったですね。
最後もそうですけど、教会で洗礼を受けるところなんかも、
異常な二人の茶番劇みたいで、変わったもの、見せられてる感じがありました。
kinoさん、こんにちは!
今年ご覧になった作品一覧を拝見しましたが、
コンスタントに劇場にも足を運んでいらっしゃるようですね。
この作品を私は割りと最近観ました。
ラストシーンのイーライに対する仕打ちは、
自分を消したい気持ちからだという部分、納得できます。
「終わった」とは、自分の人生もこれで終わったと言う事でしょうね。
解き放たれたような口ぶりでした。
重厚感あり過ぎて、ちょっと胃がもたれるような作品でしたね(^_^;
今年ご覧になった作品一覧を拝見しましたが、
コンスタントに劇場にも足を運んでいらっしゃるようですね。
この作品を私は割りと最近観ました。
ラストシーンのイーライに対する仕打ちは、
自分を消したい気持ちからだという部分、納得できます。
「終わった」とは、自分の人生もこれで終わったと言う事でしょうね。
解き放たれたような口ぶりでした。
重厚感あり過ぎて、ちょっと胃がもたれるような作品でしたね(^_^;
劇場には、月2回ぐらいで、その他はDVDで観てます。
不気味な作品でしたけど、観応えがありました。
ただ、この人の異常さは、理解できなかったですね。最初のシーンから、無言で掘り続けてる場面が延々と続いて、この人の生き方を暗示するようでした。家族というか、信頼できる人は求めてたのかなという気はするけど、結局は、イーライが、ダニエルを一番、理解できてた人かなという気もしますね。
不気味な作品でしたけど、観応えがありました。
ただ、この人の異常さは、理解できなかったですね。最初のシーンから、無言で掘り続けてる場面が延々と続いて、この人の生き方を暗示するようでした。家族というか、信頼できる人は求めてたのかなという気はするけど、結局は、イーライが、ダニエルを一番、理解できてた人かなという気もしますね。
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