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観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
ロッテ・ライニガー「アクメッド王子の冒険」
2009年05月01日 (金) | 編集 |
1926年に上映された世界初の長編アニメ。
全てのアニメーションの原点とも言われている。
ドイツの影絵作家、ロッテ・ライニガーさんが、3年の歳月をかけて製作した。

ロッテ・ライニガー_アクメッド王子の冒険01

動いていない状態でも、充分、美しいのですが、
すごくスムーズに美しく動くのには驚きました。
王女が水浴びに入るところでは、水面が揺れたり、
魔法使いが大蛇や獣に変身して戦います。

ひとりで考え、ひとりで制作していますので、
なにかセリフまで聞こえてきそうだし、
表情まで見えてきそうな感じがしました。
作り手が、熱心に作ってる気持ちが伝わってくるんですね。

最近のアニメでは、まず感じることができないものを持っています。
DVDの特典映像の制作風景は、すごく興味深かった。

アクメッド王子の冒険 ドイツ/1926年/65mm
監督:ロッテ・ライニガー
★★★★★

ロッテ・ライニガー/Lotte Reiniger (1899~1981)
1899年ベルリン生まれ。影絵アニメーション作家、映画監督
幼少の頃、中国の影絵人形劇に魅了され、自身でも切り絵人形と舞台を作成し、影絵劇を家族や友人に披露していました。十代になると、ライニガーは映画に夢中になり、ジョルジュ・メリエスやパウル・ヴェゲナーなどの作品に傾倒していきました。その後1915年になると、15歳でマックス・ラインハルトの劇団に参加し、映像作家としての師事を仰ぎました。
 その後、ウェゲナーの「Der Rattenfanger von Hameln」の製作に携わった後、1919年に自身の初監督作品である短編 “Das Ornament des verliebten Herzens”(美しき魂の飾り) を完成させました。この作品の成功を皮切りに、ライニガーはその後もいくつかの作品を発表しました。
 そして1923年、後の代表作であり世界初の長編アニメーションとなる「アクメッド王子の冒険」の製作に着手し、3年の月日をかけて、1926年に作品を完成させました。特に作品がカンヌ映画祭で上映されると、その人気は一気に高まり興行は大成功を収めました。
 「アクメッド王子の冒険」の成功後も、ライニガーは精力的に短編影絵アニメーションを製作しました。ナチスの台頭によって、作品の製作が制限されると、ライニガーと夫のコッホはドイツを離れることを決意しますが、永住権を取得させてくれるような国を見つけることはできませんでした。そのため、数年の間各国を転々とし、1949年にようやくロンドンに落ち着きます。その後1962年に夫が無くなってからもライニガーは20以上の映画を制作し続けました。
 1981年に82歳で永眠。


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コメント
この記事へのコメント
kinoさん、こんばんは!
おお、素晴らしい!満点がついているのですね!
おっしゃるように、普通のアニメーションにはない感動がありましたよね。
私も不思議な気持ちにいざなわれてしまったのですが、どう言葉にしていいのか分からなかったです・・・。
影絵を見ているだけで、とても心を奪われました。
2009/05/14(木) 00:59:25 | URL | とらねこ #.zrSBkLk[ 編集]
>とらねこさん こんにちは!
影絵の状態だけでも、充分、素敵ですよね。
細い曲線が美しい。

私も観て、どう表現したらいいのかわからなかったですね(^_^;)
長編アニメの傑作だというのは、うなずけました。
作家さん自身の制作ということもあり、
観てて、動く楽しさや、感動が、湧いてくるような感じでしたね。
2009/05/15(金) 00:14:22 | URL | kino #Kyeye.Gc[ 編集]
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このロッテ・ライニガーの影絵は、あまりにも気に入ってしまって、私のPCの壁紙にもなっていたりするんだ。なんだか、見ているだけで、素敵なイマジネーションが拡がってゆくかのようでしょ。
2009/05/14(木) 00:56:48 | レザボアCATs