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切腹
2009年05月14日 (木) | 編集 |
一人の浪人、千々岩求女の切腹をめぐって、
仲代達矢(津雲半四郎)と、井伊家・家老、三國連太郎(斎藤勘解由)の
緊迫したやりとりが続く。
1963年度カンヌ国際映画祭・審査員特別賞を受賞しています。

切腹1

最初の方の切腹の場面が、う~、痛々しい。
しかし、この痛みというのが、この作品では、意味を持つ。
今の社会不安のある中で観た方が、切実なのかもしれない社会派時代劇です。

当時、浪人ものの中に「切腹のために庭先を貸して欲しい」と、願い出て、上屋敷より金銭をたかる輩が出没してました。世に失業者があふれていたのです。
そんな折り、井伊家を訪ねたのが、千々岩求女。その日の生活もまま成らぬ状況に迫られていた彼は、妻、子供のため、切羽詰まり井伊家の門を叩いたわけです。井伊家は、たかり野郎が訪ねて来たと判断し、見せしめのため、千々岩求女を、無理矢理、脅かし切腹させてしまうんですね。

この切腹のさせ方がひどすぎる。
千々岩求女は、生活のため、刀を売ってしまって、竹光を差していたのです。
それを、承知で、さあ、腹を切れと、
笑い者にしたうえで、竹光で、無理矢理、切腹させます。
寄ってたかって、弱い者いじめをしたうえでの、なぶり殺しですよ。

こんな非道なこと、武士にもあるまじきで、さらに切腹した後も、刀を売った千々岩求女を、見苦しいだの、武士の風上にもおけないだの、ののしり笑います。

安泰な井伊家で、ぬくぬくと暮らす彼らは、世の痛みがわからないんですね。
大きな組織の中で、感覚が麻痺してしまってるというようなものです。

明日は我が身と考えたりもしないのか、なげかわしい。
苦しみの声を聞こうともしなかったのか。
と、仲代達矢=津雲半四郎が、切々と問いかけていきます。そんな物語です。

切腹2

仲代達矢、三國連太郎、丹波哲郎など、その当時の役者さん、迫力が違いますね。そこにいるだけで、なにか空気まで違う雰囲気を醸し出します。
体面だけ、理屈だけ、を保とうとする武士に、
「武士の面目などとは表面だけを飾るもの」と、
皮肉っていく仲代達矢の迫力に、引き込まれてしまいます。

家具、装飾品など、すっきりとした何も置いてない日本家屋で、やりとりを続ける人物の配置、張りつめた空気感も美しい。

切腹3

切腹 Seppuku/Harakiri 1962年【日】
監督:小林正樹/脚本:橋本忍
出演:仲代達矢(津雲半四郎)/岩下志麻 (津雲美保)/石浜朗(千々岩求女)/三國連太郎(斎藤勘解由)/丹波哲郎(沢潟彦九郎)
1963年度カンヌ国際映画祭 審査員特別賞
感想:★★★★★ 画面から伝わる緊迫感、うーん、すごい。
切腹 [DVD]
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コメント
この記事へのコメント
題名から
思わずお邪魔します。
DVD借りられたんですか?
これを手に取られるというのが、只者ではないですね。
素晴らしい作品だったと思います。
あの迫力、見事な話の展開、壮絶そのもの。
スクリーンで、リバイバルで見たのですが、しばし、呆然としておりました。
「上意討ち 拝領妻始末」という名作もありますが、そっちも見ごたえ十分です。未見でしたらぜひ。
2009/05/20(水) 08:41:03 | URL | sakurai #8zie0QSw[ 編集]
>sakuraiさん。こんにちは。
コメントありがとうございます。DVDレンタルで鑑賞です。
Yahooやレビューサイトで、評価が高かったので、観てみました。私は、古い映画はあまり詳しくないですよ。(^_^;)
ネットレンタルなら、店にないような古いもの置いてますので、
それを利用して、ぼちぼち観てます。

張りつめた緊張感がひしひしと伝わる、すごい作品と思いました。
すっきりとした屋敷に、座る人物の位置も絶妙で、
人物と空間で完成している画面が美しい~です。
そして、役者さんの迫力のすごいこと。圧倒されました。

上意討ち 拝領妻始末は、調べてみると、三船敏郎さんですね。
今度、観てみます。
2009/05/21(木) 01:15:04 | URL | kino #Kyeye.Gc[ 編集]
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さすが小林正樹!すごいものを見てしまった・・・。
2009/05/20(水) 08:36:26 | 迷宮映画館
先日『一命』を観ました。 この映画は随分前に、 ある演出家から勧められて観たのですが、 もう一度観たくなって、観てみました。 寛永七年十月、 井伊家上屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が訪れた。 切腹のためにお庭拝借させて欲しいとの申し出を受けた家老斎藤...
2012/05/03(木) 00:40:42 | 映画、言いたい放題!
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