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ヒラリー・スワンク IN レッド・ダスト
2009年05月28日 (木) | 編集 |
『生まれつき他者を憎むものなどいない。人は憎しみを学ぶのだ』
(ネルソン・マンデラ)


主演は、2度のアカデミー主演女優賞に輝くヒラリー・スワンク。エージェントの元に送られて来た脚本に感動したヒラリーが、自らプロデューサーに出演を直談判した意欲作だそうです。
南アフリカ共和国のアパルトヘイトが廃止され、ネルソン・マンデラが大統領となり新政権が樹立が、1994年5月で、ほんと、近年の出来事です。本編では、新しい国を目指し行われた『民族和解委員会』の聴聞会というものが描かれています。

ヒラリー・スワンク IN レッド・ダスト1

こういう南アフリカの現状を、まったく知りませんでした。

白人は、犯罪の全てを告白すれば、恩赦で無罪となるというのが『民族和解委員会』聴聞会です。これは、いままでの過去を早急に払拭し、新しい道を歩むためのものですが、人を殺しても、打ち明ければ無罪というもので、そんな、ばかな!というものです。しかも、白人は、自分の罪を受け止め、遺族に謝る気持ちすらなくても構わないんですよ。

見るのも痛々しい場面が多く出るんですが、現実には、もっとひどかったのであろうということが、容易に想像出来ます。画面から来る痛みじゃなく、想像する痛みに観るのが苦しくなります。遺族、黒人の側からすれば、憎しみが増すだけで、新たなる火種となっていったのではないかと思われます。

ヒラリー・スワンクは、やっぱり、社会派映画の方が似合うな。ヒラリー・スワンク演じる弁護士役が、この地での因縁もある脚本にしてあり、ていねいに作られてる作品だと思います。

ヒラリー・スワンク IN レッド・ダスト RED DUST
2004/イギリス/南アフリカ 110分劇場未公開
監督:トム・フーパー
出演:ヒラリー・スワンク/キウェテル・イジョフォー/ジェイミー・バートレット/イアン・ロバーツ/ノムレ・ンコニエニ/マリウス・ウェイヤーズ
★★★☆☆
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1998年10月、2年半に渡った委員会の取り組みは報告書にまとめられ、
ツツ大司教からマンデラ大統領に手渡された。
報告書は全5巻。3500ページにも及ぶものだったそうです。

(マンデラ大統領の言葉)
報告書は、相手への複雑な感情や苦しみを呼び起こすでしょう。
それと引き換えに、処罰なき正義を手に入れられるのは、
被害者にとっては受け入れがたい哲学的な問題でしょう。
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