2009年06月22日 (月) | 編集 |
運命が 沈んでいく。
DVDパッケージが、あまりよくないぞ (°□°;)
B級潜水艦アクションに間違われるかも。『ドレスデン、運命の日』みたいなパッケージにした方がいいのに。これは、事実をベースに戦争を批判するドイツ作品です。

第二次世界大戦末期、1945年1月30日22時18分。
避難民1万人を乗せたドイツの大型客船ヴィルヘルム・グストロフ号は、ゴーテンハーフェン(現ポーランドのグディニャ)の港から出航後、ソ連潜水艦S-13から放たれた魚雷により撃沈されました。
この日のバルト海の水温はマイナス10℃からマイナス16℃にまで下がっており海上には氷が漂っていました。犠牲となった人数は、9,343名。ほとんどが一般市民で、半分以上が子供です。生存者は1,216名(ドイツ語版では1,252名)だけだったそうです。
犠牲者数の多さから海事史上最大の事故とされ、犠牲者の数だけでも、この事件の凄惨さがわかります。

劣勢のドイツ軍は、戦える者は少年でも誰でもいい、という状況まで追いつめられてきていたんでしょうか。ヴィルヘルム・グストロフ号で、訓練兵と武器を、キースというところまで、運びたかったんですね。あせる軍部のせいで、護衛艦を一隻もつけずに、強引に、この船を出航させ悲劇を生みます。
港にあふれるできるだけ多くの人を避難させようとしたケディング船長は、司令部の意向を押し切り、1万人近くの避難民を乗船させます。洋上に出てからも、安全のため、浅瀬を進もうと船を動かすんですが、途中からUボートを指揮する偉いさんなのか、この軍人の指示で、沖へ進路を変更させられます。
途中、“掃海艇が向かっている、衝突に注意しろ”と無線がはいり、航海灯をつけようとします。航海灯をつければ敵に場所を教えることになり危険だと、ケディング船長は反対するのですが、軍部は、聞き入れません。
この灯りが、ソ連潜水艦に、この船の位置を教えることになり、魚雷攻撃を受けます。
この無線は、誤報であったと言われていて、
作品内では、ソ連に家族を取られたドイツ無線士によるものとなっています。

助けようと船に乗せた避難民のほとんどが、凍りつく海に投げ出され命を落とすことになります。
港に、引き上げられた無数の遺体が並ぶ光景、この状況でも、軍部は責任を感じず、奇跡的に助かった避難民の少年までをも兵として戦地へ送ろうとします。最後のケディング船長の怒りは、戦争への怒りを代弁しているものですね。

シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~
DIE GUSTLOFF/SHIP OF NO RETURN: THE LAST VOYAGE OF THE GUSTLOFF
2008年/ドイツ 102分
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー「スターリングラード」「秋のミルク」
脚本:ライナー・ベール
ケディング…カイ・ヴィージンガー「ドレスデン、運命の日」
エリカ…ヴァレリー・ニーハウス
ハラルド…ハイナー・ラウターバッハ「ドレスデン、運命の日」
リリー…ダーナ・ヴァヴロヴァ「スターリングラード」
ヨハンセン…ミハエル・メンドル「ヒトラー ~最後の12日間~」
★★★☆☆
シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~ [DVD]

DVDパッケージが、あまりよくないぞ (°□°;)
B級潜水艦アクションに間違われるかも。『ドレスデン、運命の日』みたいなパッケージにした方がいいのに。これは、事実をベースに戦争を批判するドイツ作品です。

第二次世界大戦末期、1945年1月30日22時18分。
避難民1万人を乗せたドイツの大型客船ヴィルヘルム・グストロフ号は、ゴーテンハーフェン(現ポーランドのグディニャ)の港から出航後、ソ連潜水艦S-13から放たれた魚雷により撃沈されました。
この日のバルト海の水温はマイナス10℃からマイナス16℃にまで下がっており海上には氷が漂っていました。犠牲となった人数は、9,343名。ほとんどが一般市民で、半分以上が子供です。生存者は1,216名(ドイツ語版では1,252名)だけだったそうです。
犠牲者数の多さから海事史上最大の事故とされ、犠牲者の数だけでも、この事件の凄惨さがわかります。

劣勢のドイツ軍は、戦える者は少年でも誰でもいい、という状況まで追いつめられてきていたんでしょうか。ヴィルヘルム・グストロフ号で、訓練兵と武器を、キースというところまで、運びたかったんですね。あせる軍部のせいで、護衛艦を一隻もつけずに、強引に、この船を出航させ悲劇を生みます。
港にあふれるできるだけ多くの人を避難させようとしたケディング船長は、司令部の意向を押し切り、1万人近くの避難民を乗船させます。洋上に出てからも、安全のため、浅瀬を進もうと船を動かすんですが、途中からUボートを指揮する偉いさんなのか、この軍人の指示で、沖へ進路を変更させられます。
途中、“掃海艇が向かっている、衝突に注意しろ”と無線がはいり、航海灯をつけようとします。航海灯をつければ敵に場所を教えることになり危険だと、ケディング船長は反対するのですが、軍部は、聞き入れません。
この灯りが、ソ連潜水艦に、この船の位置を教えることになり、魚雷攻撃を受けます。
この無線は、誤報であったと言われていて、
作品内では、ソ連に家族を取られたドイツ無線士によるものとなっています。

助けようと船に乗せた避難民のほとんどが、凍りつく海に投げ出され命を落とすことになります。
港に、引き上げられた無数の遺体が並ぶ光景、この状況でも、軍部は責任を感じず、奇跡的に助かった避難民の少年までをも兵として戦地へ送ろうとします。最後のケディング船長の怒りは、戦争への怒りを代弁しているものですね。

シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~
DIE GUSTLOFF/SHIP OF NO RETURN: THE LAST VOYAGE OF THE GUSTLOFF
2008年/ドイツ 102分
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー「スターリングラード」「秋のミルク」
脚本:ライナー・ベール
ケディング…カイ・ヴィージンガー「ドレスデン、運命の日」
エリカ…ヴァレリー・ニーハウス
ハラルド…ハイナー・ラウターバッハ「ドレスデン、運命の日」
リリー…ダーナ・ヴァヴロヴァ「スターリングラード」
ヨハンセン…ミハエル・メンドル「ヒトラー ~最後の12日間~」
★★★☆☆
シップ・オブ・ノーリターン ~グストロフ号の悲劇~ [DVD]

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JUGEMテーマ:映画
制作年:2008年
制作国:ドイツ
上映メディア:TVM
上映時間:102分
原題:SHIP OF NO RETURN
配給:アルバトロス
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー
主演:カイ・ヴィージンガー
ヴァレリー・ニーハウス
...
2009/06/23(火) 20:00:32 | La.La.La
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