2009年10月09日 (金) | 編集 |
もし翼を持たずに生まれてきたのなら、
翼を生やすためにどんなことでもしなさい

シャネルになる前のココを描いています。『ココ・シャネル』に続いての上映になるので、ヤフーやブログ等の評価は、あまり良くないみたいですね。
伝記というものが、川の流れだとしたら、この作品は、山奥にある源泉を探していくもので、ココが見たもの感じたものを、彼女にできるだけ近い視点で見てみようという作品です。
つきつめてしまうと、
独学をしてきたシャネルさんなら、
私の伝記を見て感銘や感動などするな、と
おっしゃるだろう。
自分で人生をデザインし、感動を作ってきたのが私、
与えられたものには満足しない、
というところでしょう。
彼女の心の奥にあったもの、源泉は誰にもわからないんですけど、
そこを垣間見てみようというスタンスで、すごく面白かった。

孤児院で育った彼女は、独自の世界観を持ってたと思うし、母親のような人生を歩みたくないという反発心も、大きかったかもしれない。歌手の夢が挫折した彼女は、エティエンヌ・バルザンの愛人として暮らすことに。与えられた服を着たところで、それは、真似事なのであって、境遇の根本的な違いは、変わらない。彼女は、ここに居座るため、自分の存在を作っていこうとします。かなりの葛藤と模索は、あったんだろうなと思います。
その葛藤から生み出されてくるものが、紳士服のアレンジだったり、シンプルな服装で、それを、彼女は着続けるんでしょうね。
ボーイは、成功した青年実業家で、見る目があった人でしょうから、ガブリエルにとって、話が通じる人だったんでしょう。その点が、バルザンとの違いで、彼女は、ボーイに惹かれていく。黒のドレスを着て踊るガブリエルの楽しそうな表情が印象的だ。
この物語のオドレイ・トトゥは、笑顔も見せず、かわいらしくないニュアンス。
観てる人を、ガブリエルの内面へ導く感じで、良かった。過去が回想されながら、モデルさんが幾重にも映し出されるらせん階段のシーンが、たいへん美しい。
イメージ的に最後は終わっていくんだけど、ここから先のストーリーを作っていく主人公は、あなた。みたいな感じなんでしょうね。カッコいい。
※感想を書きつつ思ったけど、当時の労働者階級の人は、どんな服を着ていたんだろう。機能的であっただろうなと思うし、デザインやファッションということでなく、ガブリエルのように、中性的な服を着た人は街にいたかもしれない。自由であったかもしれない。貴族階級の人は、時が止まったように、時代遅れということかな。
ココ・アヴァン・シャネル COCO avant CHANEL 2009年【仏】
[劇場鑑賞]
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:オドレイ・トトゥ/ブノワ・ポールヴールド/アレッサンドロ・ニヴォラ/マリー・ジラン/エマニュエル・ドゥヴォス
★★★☆☆
翼を生やすためにどんなことでもしなさい

シャネルになる前のココを描いています。『ココ・シャネル』に続いての上映になるので、ヤフーやブログ等の評価は、あまり良くないみたいですね。
伝記というものが、川の流れだとしたら、この作品は、山奥にある源泉を探していくもので、ココが見たもの感じたものを、彼女にできるだけ近い視点で見てみようという作品です。
つきつめてしまうと、
独学をしてきたシャネルさんなら、
私の伝記を見て感銘や感動などするな、と
おっしゃるだろう。
自分で人生をデザインし、感動を作ってきたのが私、
与えられたものには満足しない、
というところでしょう。
彼女の心の奥にあったもの、源泉は誰にもわからないんですけど、
そこを垣間見てみようというスタンスで、すごく面白かった。

孤児院で育った彼女は、独自の世界観を持ってたと思うし、母親のような人生を歩みたくないという反発心も、大きかったかもしれない。歌手の夢が挫折した彼女は、エティエンヌ・バルザンの愛人として暮らすことに。与えられた服を着たところで、それは、真似事なのであって、境遇の根本的な違いは、変わらない。彼女は、ここに居座るため、自分の存在を作っていこうとします。かなりの葛藤と模索は、あったんだろうなと思います。
その葛藤から生み出されてくるものが、紳士服のアレンジだったり、シンプルな服装で、それを、彼女は着続けるんでしょうね。
ボーイは、成功した青年実業家で、見る目があった人でしょうから、ガブリエルにとって、話が通じる人だったんでしょう。その点が、バルザンとの違いで、彼女は、ボーイに惹かれていく。黒のドレスを着て踊るガブリエルの楽しそうな表情が印象的だ。
この物語のオドレイ・トトゥは、笑顔も見せず、かわいらしくないニュアンス。
観てる人を、ガブリエルの内面へ導く感じで、良かった。過去が回想されながら、モデルさんが幾重にも映し出されるらせん階段のシーンが、たいへん美しい。
イメージ的に最後は終わっていくんだけど、ここから先のストーリーを作っていく主人公は、あなた。みたいな感じなんでしょうね。カッコいい。
※感想を書きつつ思ったけど、当時の労働者階級の人は、どんな服を着ていたんだろう。機能的であっただろうなと思うし、デザインやファッションということでなく、ガブリエルのように、中性的な服を着た人は街にいたかもしれない。自由であったかもしれない。貴族階級の人は、時が止まったように、時代遅れということかな。
ココ・アヴァン・シャネル COCO avant CHANEL 2009年【仏】
[劇場鑑賞]
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:オドレイ・トトゥ/ブノワ・ポールヴールド/アレッサンドロ・ニヴォラ/マリー・ジラン/エマニュエル・ドゥヴォス
★★★☆☆

この記事へのコメント
映画面白かったですね!
若い時の苦労もだけど、店を出してからの苦労も描かれるのかと思っていたから、ちょっと残念でしたが・・・
オドレイが綺麗でした。本当の恋をして表情が軟らかく美しくなった気がしました^^
そーですね、労働階級の方はどんな服を着ていたんでしょうね~~^^
若い時の苦労もだけど、店を出してからの苦労も描かれるのかと思っていたから、ちょっと残念でしたが・・・
オドレイが綺麗でした。本当の恋をして表情が軟らかく美しくなった気がしました^^
そーですね、労働階級の方はどんな服を着ていたんでしょうね~~^^
シャネルさんの、内面的な劣等感や反骨精神を描く内容でしたね。
ボーイは、自分の考えを理解してくれる人だったんでしょうけど、実業家らしく、事業のために結婚しはるんですよね。
>労働階級の方はどんな服を着ていたんでしょうね~
一般庶民の方は、お金の都合かもしれないけど、自分で作ったり、着回し、工夫とかを、当たり前のようにしてたんじゃないでしょうか。それも見てきてるシャネルさんは、ありきたりな貴族のドレスが、うっとしかったと思いますよ、自分が着たい服は自分で作ったんでしょうね。
ボーイは、自分の考えを理解してくれる人だったんでしょうけど、実業家らしく、事業のために結婚しはるんですよね。
>労働階級の方はどんな服を着ていたんでしょうね~
一般庶民の方は、お金の都合かもしれないけど、自分で作ったり、着回し、工夫とかを、当たり前のようにしてたんじゃないでしょうか。それも見てきてるシャネルさんは、ありきたりな貴族のドレスが、うっとしかったと思いますよ、自分が着たい服は自分で作ったんでしょうね。
シャネルって一番知ってるブランドだけど創設者を知りませんでした!(^^)! 孤児だったり歌手志望だった事は、いつか昔にTVなどで聞いた事あったような気がするんですけど忘れちゃってましたね。アメリの女優さんですが、こちらもハマってますね。シャネルそのものって感じします。そしてシャネルのこの服は... なんだか解り易いですね。シャネルは、シンプルな女性の装いを目指していて、このようなデザインのスーツは、有名ですね。でも、なんだか少しギャグにも観えちゃうかも... どこがギャグって想うけど、なんかシャネルって感じがするので(笑) この映画と、なんだか同時期にもう二つシャネルの映画ありましたね。三つとも観たんですけど、こちらの方が好きですね。なんだか、この方がシャネルが洋服作りが大好きって感じに観えて観てる方も溶け込めました。たまにお菓子作りの映画とかあるけど美味しそうに作ってくれなきゃつまんないですよね? この映画のラストで、復帰を果たす彼女がシンプルな階段に座って真剣な眼差しで終わるんですが... 一人の女性の人生が悲しいのか、それとも成功したのか... 子供の頃に傷付けられて、それをばねに成功するんですけど、どんなに成功しても浮かばれないって感じに観えましたね。そしてそういう人は、自分の信念を持っていて、周りがもうちょっとハデで女性的なデザインにしてくれないかと要求しても、絶対いうこと聞かないんですね。実は、そこらへんは、ちょっとシャネルが好きになりましたね。自分の作りたい服以外作らないってとこに夢があります。
2012/06/22(金) 22:21:49 | URL | サイレント #-[ 編集]
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『ココ・アヴァン・シャネル』を観た。
母親を亡くしたガブリエル・シャネル(オドレイ・トトゥ)と姉のエイドリアン・シャネル(マ...
2009/10/11(日) 17:01:40 | みすずりんりん放送局
もうちょっとたくさんシャネルらしいファッションが見られると思ってたんですが・・
2010/02/04(木) 23:54:52 | 心の栄養♪映画と英語のジョーク
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