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メモリー・キーパーの娘
2010年05月22日 (土) | 編集 |
始まりは、たったひとつの嘘。

メモリー・キーパーの娘DVD
雪降る夜の向こうに、何かが映し出されるような原作本の表紙。

原作は、無名作家キム・エドワーズの処女小説で、当初は、まったく売れなかったそうですが、口コミ的に人気が高まり、爆発的なヒットになったそうです。1年以上、全米ベストセラーの上位を独占し続け、テレビ映画として製作されました。今の時代にあった小作品で、ドラマとして見応えはありました。

メモリー・キーパーとは、劇中に登場するカメラの商品名で、
彼の心のファインダーに映されていたものとは何だろう、という物語です。

それは、1964年のある大雪の夜の出来事でした。
医師デイヴィッドの妻ノラの陣痛が、早く始まり、急遽、自分の手で我が子を取り上げることになります。男女の双子が生まれたのですが、ある理由から、妻には女児が死産したと伝えます。

女児フィービーを施設へ送るように頼まれた看護師キャロラインは、施設を訪ねますが、施設の状態があまりにもひどい。こんなところに、この子を置いていけないと、その赤ん坊をわが子として育てる決心をします。

雪の日より、別れてしまった双子兄妹の運命。
その日より、25年にわたって描かれます。

メモリー・キーパーの娘写真

デイヴィッドは、幼き頃、病弱の妹を亡くしており、それを悲しむ母の姿が脳裏に焼きついてしまっていたんですね。彼にとって、その光景が、トラウマとなってしまっていたのでした。貧しい家から、苦学して、念願の医者になったんだろうと思う。
でも、裕福な育ちの奥さんには、彼の過去や心の傷は理解してもらえないし、自分のついた嘘に、縛られ続けてしまいます。写真を撮ることに没頭し、自分の思い描いた家庭とは違うものになっていってしまいます。

一方、キャロラインは、あの雪の日に、たいへん優しく理解のあるドライバーの男性とめぐりあうことになります。温かな家庭の中で、フィービーは、育てていくことになる。


設定としては、生まれたばかりの兄妹が、引き裂かれるもので、
こういうのは、昔からよくありますよね。
でも、これはね、劇的な運命の物語じゃなく、身近な世界なのが、いいんです。
いろいろ考えさせられてしまう部分があるし、
写真、記憶というものを絡めて、しんみりとした話に、なってます。
デイヴィッドが求め続けた写真は、
他の方が、受け継いでいくことになるような最後が、きまってますね。


※原作紹介のページで、冒頭の数ページ、立ち読みできます。NHK出版サイト

メモリー・キーパーの娘 2008年【米】90分劇場未公開(テレビ映画)
THE MEMORY KEEPER'S DAUGHTER
監督:ミック・ジャクソン
原作:キム・エドワーズ メモリー・キーパーの娘
出演:ダーモット・マローニー/エミリー・ワトソン/グレッチェン・モル
★★★★☆(4.0)
メモリー・キーパーの娘 [DVD]
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