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譜めくりの女
2010年07月02日 (金) | 編集 |
ぞっとするような心理サスペンス。
相手は、なんの悪気もなく、したことかもしれない。
だが、本人にとって、それは、一生、忘れらない出来事であったりするのだ。
その屈辱、憎悪は、静かに燃え続ける。

譜めくりの女1
物静かな少女メラニーの夢はピアニストになること。その実現に、並々ならぬ情熱を注いできた彼女だったが、コンセルヴァトワールの入学試験で、審査員を務める人気ピアニスト、アリアーヌの無神経な態度に心を乱され、散々な結果に。これによって夢を諦めたメラニー。十数年後、美しく成長した彼女は、アリアーヌとの再会を果たす。2年前に交通事故の被害に遭い心に傷を負ったアリアーヌは、演奏に対する恐怖心を拭えず苦悩していた。やがてメラニーはそんな彼女の信頼を勝ち取り、演奏会での“譜めくり”役に抜擢されるのだが…。
譜めくりの女公式サイト


あの日、アリアーヌ先生は、私の演奏を、真剣に聞くべきだったのよ。
私は、先生に聞いてもらうために、練習し、努力してきたのだから……

譜めくりの女2

ピアノを辞めてしまった少女メラニーは、
成人し、ある弁護士事務所の実習生となっていた。
その弁護士さんの奥さんが、なんと、あのピアニスト、アリアーヌ先生。

再び、ピアニストの先生に近づいた彼女の目的は、何なのか。
じーっと、もの静かに、先生を、見つめ続ける彼女が、恐い。

譜めくりの女4

先生の子供と、かくれんぼ遊びをする場面があって、
メラニーとアリアーヌ先生は、同じ、場所に隠れる場面は、面白い。
感性が合うものどうしで、彼女は、先生のことが、好きなんでしょうね。
でも、アリアーヌ先生は、自分の過去の行いに自覚はまったくないし、
彼女のことなど、覚えてもいない。
敬愛する先生だからこそ、憎い。

譜めくりの女3

監督は、ヴィオラ奏者として音楽活動を続けているドゥニ・デルクールさん。
計画されてるような、いないような、この微妙なタッチが、いいですね。
彼女と先生の通じ合う世界を、奏でられるピアノが、静かに、盛り上げてくれます。

譜めくりの女 2006年【仏】85分
原題:La Tourneuse de pages/The Page Turner
監督:ドゥニ・デルクール
メラニー…………デボラ・フランソワ「ある子供」
アリアーヌ………カトリーヌ・フロ「女はみんな生きている」「地上5センチの恋心」
★★★★☆(4.5)
譜めくりの女 デラックス版 [DVD]
譜めくりの女5
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怖い怖い@@; 正直完全に逆恨み。でも少女はピアニストの夢を絶たれたと憎悪して成長する…。 ピアノを弾いているときの得意げな少女の表情、他の少女に鍵盤のふたを落とす彼女の性格、これがある意味で全てを物語っていますよね。 なにもこの一件だけで全てを諦めて...
2010/07/10(土) 11:08:55 | いやいやえん