2011年05月30日 (月) | 編集 |
あなたが目撃するのは《いのち》のドラマ。

2500年前、ヒマラヤ。
バラモンの老僧ゴシャラは修行の最中、吹雪に遭遇。雪山に倒れてしまう。そこへ、熊と狐と兎が姿を現す。やがて、熊は魚を、狐は木の実を携えて、ゴシャラのもとへ戻ってきた。だが、兎だけが手ぶらだった。食べ物を調達することができなかったのだ。兎はせめて自分の肉を食べてもらおうと火の中へ飛び込んでいく。驚いたゴシャラは、慌てて火の中から兎を救い出すが、すでに兎は息絶えていた。
ゴシャラは、この信じられない出来事に強く心を動かされ、世界の大いなる因果の道理を悟ったとされている。
予告編からすると、映画版は、わかりやすいエンタメ作品かなと思ってたが、原作と同じく、仏法説話のうさぎの話から始まるのには驚いた。(°□°;)
手塚治虫の「ブッダ」は、ブッダの伝記ではない。並行し登場するたくさんの人間の迷いや苦しみを、残酷に描き出す作品。お釈迦様が手を差しのべる人間という生き物が主人公です。ブッダは、ありがたい言葉を与えてもくれないし、あなたの生きる道を説いてもくれません。
3部作の第1部となる本作では、

奴隷の身分から貴族にはいあがろうとするチャプラの野望、叫びが、メインに描かれる。「奴隷が貴族になりたいと思ってはいけないのですか?!」 うちのめされました。(T^T)

シッダールタに、この世の現実を見せる盗賊団の女ボス・ミゲーラ。彼女への仕打ちも残酷すぎる。

不思議な能力を持つ少年タッタ。ぴょんぴょんと軽い動きが、手塚治虫さんのキャラっぽくて、かわいらしい。
あと、ひとりの人間を救うために、動物の命3つを犠牲にしてしまう僧ナラダッタには、野をさまよう獣となる罰がくだされる。
このように、恐ろしい出来事が起こる中、迷い続ける人間ブッダが存在する。
原作に対して、真面目に取り組んでおり、テイストは忠実に守られていたように思います。ぶつぎりのように、人物の悲鳴などあっけなく取り残され、とんとんと進んでしまうことも、この作品の持ち味でしょう。
シッダールタが出家したところで、第1部は終了。これは、第二部も、楽しみです。
※声の出演に関しては、この作品に限らないですが、俳優さんをあてるのは、やめて欲しいですね。その道のプロ声優さんがいるわけですから、プロが出演するのが当然でしょう。はっきり言って、シッダールタの父の声なんて、ただの棒読みです。プロ声優を差しおいて、大御所だから出演するなんてのは、それこそ「ブッダ」で描かれる理不尽なる世界です。
※X JAPANの主題歌「Scarlet Love Song」は良かった。
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 2011年【日本】111分
監督:森下孝三 脚本:吉田玲子
原作:手塚治虫 ブッダ (第1巻) (潮ビジュアル文庫)
イメージアート:岡野玲子 主題歌:X JAPAN「Scarlet Love Song」
声の出演:吉永小百合、堺雅人、観世清和、吉岡秀隆、折笠愛、竹内順子、永井一郎、玄田哲章、藤原啓治、大谷育江、櫻井孝宏、水樹奈々、黒谷友香
★★★★☆(4.0)

生きることは苦しみに満ちている。

2500年前、ヒマラヤ。
バラモンの老僧ゴシャラは修行の最中、吹雪に遭遇。雪山に倒れてしまう。そこへ、熊と狐と兎が姿を現す。やがて、熊は魚を、狐は木の実を携えて、ゴシャラのもとへ戻ってきた。だが、兎だけが手ぶらだった。食べ物を調達することができなかったのだ。兎はせめて自分の肉を食べてもらおうと火の中へ飛び込んでいく。驚いたゴシャラは、慌てて火の中から兎を救い出すが、すでに兎は息絶えていた。
ゴシャラは、この信じられない出来事に強く心を動かされ、世界の大いなる因果の道理を悟ったとされている。
予告編からすると、映画版は、わかりやすいエンタメ作品かなと思ってたが、原作と同じく、仏法説話のうさぎの話から始まるのには驚いた。(°□°;)
手塚治虫の「ブッダ」は、ブッダの伝記ではない。並行し登場するたくさんの人間の迷いや苦しみを、残酷に描き出す作品。お釈迦様が手を差しのべる人間という生き物が主人公です。ブッダは、ありがたい言葉を与えてもくれないし、あなたの生きる道を説いてもくれません。
3部作の第1部となる本作では、

奴隷の身分から貴族にはいあがろうとするチャプラの野望、叫びが、メインに描かれる。「奴隷が貴族になりたいと思ってはいけないのですか?!」 うちのめされました。(T^T)

シッダールタに、この世の現実を見せる盗賊団の女ボス・ミゲーラ。彼女への仕打ちも残酷すぎる。

不思議な能力を持つ少年タッタ。ぴょんぴょんと軽い動きが、手塚治虫さんのキャラっぽくて、かわいらしい。
あと、ひとりの人間を救うために、動物の命3つを犠牲にしてしまう僧ナラダッタには、野をさまよう獣となる罰がくだされる。
このように、恐ろしい出来事が起こる中、迷い続ける人間ブッダが存在する。
原作に対して、真面目に取り組んでおり、テイストは忠実に守られていたように思います。ぶつぎりのように、人物の悲鳴などあっけなく取り残され、とんとんと進んでしまうことも、この作品の持ち味でしょう。
シッダールタが出家したところで、第1部は終了。これは、第二部も、楽しみです。
※声の出演に関しては、この作品に限らないですが、俳優さんをあてるのは、やめて欲しいですね。その道のプロ声優さんがいるわけですから、プロが出演するのが当然でしょう。はっきり言って、シッダールタの父の声なんて、ただの棒読みです。プロ声優を差しおいて、大御所だから出演するなんてのは、それこそ「ブッダ」で描かれる理不尽なる世界です。
※X JAPANの主題歌「Scarlet Love Song」は良かった。
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 2011年【日本】111分
監督:森下孝三 脚本:吉田玲子
原作:手塚治虫 ブッダ (第1巻) (潮ビジュアル文庫)
イメージアート:岡野玲子 主題歌:X JAPAN「Scarlet Love Song」
声の出演:吉永小百合、堺雅人、観世清和、吉岡秀隆、折笠愛、竹内順子、永井一郎、玄田哲章、藤原啓治、大谷育江、櫻井孝宏、水樹奈々、黒谷友香
★★★★☆(4.0)

生きることは苦しみに満ちている。
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新宿バルト9にて映画「手塚治虫のブッダ -赤い砂漠よ!美しく-」を観賞。
2011/06/04(土) 00:58:32 | マチルダベイビー!
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