fc2ブログ
観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
エッセンシャル・キリング
2012年06月24日 (日) | 編集 |
ただ、そこに大自然と男が居るだけ、
シンプルに描ききった大胆な作品ですね。

エッセンシャル・キリング写真1
解説:『アンナと過ごした4日間』『早春』のイエジー・スコリモフスキ監督が、イスラエル、ポーランド、ノルウェーの3カ国にまたがるロケーション撮影を敢行した一大スペクタル巨篇。極限まで削ぎ落とした大胆な構成、未だかつて見たことのないサバイバル・アクションの連続で観る者を圧倒する。第67回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞を受賞したヴィンセント・ギャロが、米軍に追われるアラブ人兵士に扮しキャリア最高の名演技を披露。83分ただ逃げ回るだ けの男を顔面の筋肉と鍛え上げた肉体のみで表現するさまは前代見聞のパフォーマンスと言える。

アフガニスタンで米兵を殺害、米軍によって拘束された男ムハンマド。
収容所で激しい拷問を受けた後、軍用機で別の場所へと移送される。途中、護送車に事故が起こり、その混乱に乗じて彼は脱出。しかし、そこは右も左も分からない雪深い森の中。

極寒の大自然の中を、
ひとりの男が、ひたすら逃げる、逃げる。
余計な場面はいっさい排除して、
この男の生きるための行動だけに、絞りこんで観せていく。
理由などいらない、観て感じるだけだ。

エッセンシャル・キリング写真2

エッセンシャル・キリング写真4の2

エッセンシャル・キリング写真3


序盤に、彼は、アメリカ軍ヘリに爆撃され、耳が一時的に聴こえない状態となる。それから先、彼は、余計な雑音をすべて遮断し、自分の世界を進んで、しゃべらない。言葉は持たず、叫びや悲鳴、肉体の声を発するだけだ。自分がどこにいるのか、どこに行くのかもわからない。ただ、生きるためだけの行動をとっていく。最後に、耳の不自由な女性に助けられられるが、その時もやりとりだけ。あらがうことをやめた彼は、馬に身をまかせ揺られ続けて・・・。最後、この人は、すべての生き物と等しく、土に帰っていった。

個性的な作品で、インパクトありましたね。

あと、参考程度に。
ポーランドの奇才と呼ばれ続けたイエジー・スコリモフスキ監督インタビュー
http://www.outsideintokyo.jp/j/interview/jerzyskolimowski/index2.html

エッセンシャル・キリング/ESSENTIAL KILLING 
2011年【ポーランド・ノルウェー・アイルランド・ハンガリー】83分
監督・製作・脚本:イエジー・スコリモフスキ
出演:ヴィンセント・ギャロ、エマニュエル・セニエ
★★★★☆(4.0)
2010年ヴェネチア国際映画祭で、審査員特別賞・主演男優賞のW受賞
エッセンシャル・キリング [DVD]
エッセンシャル・キリングポスター
関連記事


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック