fc2ブログ
観た映画の感想が綴られてます。ゆったり、更新。
4分間のピアニスト
2008年10月15日 (水) | 編集 |
レッスンを進めるうちに、次第に心が打ち解けあい、共鳴していくような物語ではない。
二人の女がお互いに心の叫びを、ピアノにぶつけ合うのである。

4分間のピアニスト

冒頭部分、薄暗い部屋で煙草を吸うジェニー。その窓から屋外へカメラが出ていって、ぐーんと俯瞰になり、だんだんその建物の全景が見えて来た時、あっ、ここは刑務所なんだということがわかる。なかなかのオープニングで始まった。

監獄で長年ピアノ教師を務めてきた老女クリューガーは、天才級のピアノの腕前を持つジェニーと出会うことになる。クリューガーは、教師として厳格なピアノレッスンをほどこそうとする。しかし、ジェニーは、感情の高ぶりを押さえることができない子。いったん、わめき出すと暴力を振るい、どうしようもなくなってしまう。時には自分自身をも痛めつける。
二人の女性の過去が次第に明らかになっていくにつれ、
二人とも、何かにしばられもがき苦しんでいることがわかってくる。
ビジュアル的にも、閉ざされた空間、刑務所内を舞台にして描いてるのが渋いですね。

4分間のピアニスト

いよいよ物語は、最後4分間、驚愕の演奏へ。
これは日本人ピアニスト白木加絵さんの演奏だそうです。

(以下、ネタばれにします。)

最後の演奏がやっぱり楽しみなわけで。
おー、ピアノを打楽器にしたか~!これは意表をつかれました。
彼女のこれでどうだ、といわんばかりの演奏は、
もちろん聴衆に向けてのものではないし、先生に向けてのものでもないでしょう。
最後のお辞儀も、うやうやしく、クソババアと言ってるように見えた。
クリューガー老教師は、かつてナチスの収容所で愛する人を失い、そのまま、ずーっとこの刑務所に囚われ続けてきたんですね。ジェニーという、ものすごい強烈な人間とぶつかった時、老教師の止まっていた時間が動いたんだと思います。やっと閉じこめられていた過去から解放されたのかなと感じました。
強烈な作品ですね。

『4分間のピアニスト』 Four Minutes(Vier Minuten) 2006年【独】
ドラマ
監督:クリス・クラウス
ハンナー・ヘルツシュプルング(ジェニー・フォン・レーベン)
モニカ・ブライブトロイ(トラウデ・クリューガー)
私の感想:♪♪♪♪ かっこいい。最後の4分間だけ楽しみに観ても十分面白い。

♪オリジナル・サウンドトラック 映画「4分間のピアニスト」
関連記事


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック